何!?ズァークとは「もう1人のボク!」ではないのか!? 作:辛味噌の人
ふーん日間9位か……
……日間9位!?
えっとその、ありがとうございます……
これからもよろしくお願いします……
「バトル!俺はオッドアイズ・アドバンス・ドラゴンで攻撃!螺旋のストライクバースト!」
「うわーっ!」
〈山城タツヤ LP0〉
〈WINNER 榊遊矢〉
「おっと、大丈夫かタツヤ?」
「うん、全然大丈夫。やっぱり強いなぁ遊矢お兄ちゃんは。EXデッキ無しのペンデュラム召喚無しでも完敗しちゃったよ」
「ははは、その程度の縛りじゃガキンチョには負けんよ」
素良が俺の友達となり、また遊勝塾の一員となってから数日。俺は比較的平穏な日々を過ごしていた。いや野良デュエリストとかと遭遇したりはしたんだけどね?ストロング石島とのデュエルから色々と落ち着かない日々を送ってきた身からするとめちゃくちゃ平和というか……
「うーん、デュエルしたら汗かいちゃったよ」
「今柚子とアユがアイス買いに行ってくれてるからな、もうちょい待ってろ。なんならシャワー浴びてくればいいんじゃないか?」
「うん、そうするね」
時刻は夕暮れ時。まあおやつの時間には遅いが……アイスくらいなら大して腹も膨らまないだろうし、タツヤが夕ご飯を食べられず親御さんに怒られたりすることもないだろう。
ただデュエルしてて気づかなかったが、柚子とアユの帰りが遅いな。アイスを買いに行っただけだし、遅くともデュエル中に帰って来ると思っていたんだが……。
そう考えていると、塾の入口の扉が乱暴に開く音がした。そして走って部屋にやってくる足音。
「遊矢お兄ちゃ〜ん!!きゃあっ!」
「アユ!?大丈夫か!」
足音の正体はアユであった。慌てて駆け込んできたせいで躓き、転びそうになったのを慌てて抱き止めて支える。その拍子に持っていたアイスの入ったレジ袋がすっ飛んで行ったが、それは無事フトシがキャッチしたようだ。
「はぁ、はぁ……ゆ、遊矢お兄ちゃん……うっ」
「アユ、まずは落ち着け。ゆっくり深呼吸をするんだ。素良!水持ってきてくれ!」
「分かった!」
素良が持ち前の身体能力で取ってきたペットボトルのキャップを開け、アユに渡す。
「呼吸が落ち着いたら少しずつ飲むんだ。咳き込まないようにな」
「う、うん、ありがと……」
抱いていたアユをゆっくりソファに座らせ、背中をさすってやりながら宥めること数分、アユはどうにか平常を取り戻した。
「……もう大丈夫そうだな。アユ、何があったんだ?柚子はどうした?」
「そうだ!遊矢お兄ちゃん!柚子お姉ちゃんが大変なの!」
「何?柚子が!?」
柚子に……何かあったのか?
『なんだ?急に興奮してどうしたもう1人の我』
黙れズァーク。今お前に取り合ってる場合じゃない。
「え、えっとね、アイスを買いに行った帰りに、沢渡って人の取り巻きを見つけたの。その人達が、沢渡って人がどんな手を使ってでも遊矢お兄ちゃんを倒そうとしてるって言ってて……。それを聞いて怒った柚子お姉ちゃんが後をつけて……」
柚子っ……あの馬鹿!それは俺の問題だろうが……!
「……アユ、柚子はどこに行ったか分かるか?」
「海沿いの倉庫があるとこに……沢渡って人の秘密基地みたいなのがあって……」
「分かった、ありがとうアユ。あとは俺に任せてゆっくり休んでてくれ。素良!留守を頼めるか!」
「うん、僕に任せて。遊矢は柚子を助けに行ってきなよ」
素良にアユたちを任せた俺は、大急ぎで塾を出る。
「ズァーク!力を貸せ!」
『分かった。だが我が言うのもなんだが頭に血が上りすぎだ。少し落ち着け』
「っ……。わ、分かった。ふぅー……」
落ち着け……落ち着け俺。沢渡は卑怯なことを平然とやる奴ではあるが、流石に命に関わるあれこれをするタイプの人間ではない……はず。すぐに柚子の命が失われたりはしないはずだ。
「……よし、落ち着いた。海沿いの倉庫だったな……」
俺はズァークの力を借り、港の近くまで飛んで……もとい、文字通り跳んで行った。
「柚子!どこだ!」
しかし、ついたはいいものの倉庫は沢山ある。声を上げながら走り回り、柚子を探し始めた……。だが、見つかったのは柚子ではなかった。
「さ、榊遊矢!?」
「「「ひいっ!!先回りされた!?」」」
「『沢渡ィ!』」
「ガハッ……!た、助け……!やめっ……!」
だが見つけたのはある意味柚子以上に探していた男だった。俺は逃げようとする沢渡の胸元を引っ掴みながら倉庫の壁に叩きつける。
「『1度しか聞かん。答えろ沢渡……柚子をどこへやった!』」
「な、何言ってんだ!柊柚子はさっきまでお前と一緒にいただろ!」
「『何を意味不明なことを……!』」
「知らねぇ知らねぇ!俺は何もやってねぇ!多分柊柚子はあの倉庫にまだいるよ!」
「チッ、あの倉庫だな」
沢渡をポイ捨てし、指差した倉庫に駆け込む。そこに居たのは……。
「柚子!」
「え、遊矢!?きゃっ!」
「よかった……無事でよかった柚子……!」
五体満足で無事でいた柚子を、俺は強く抱きしめる。よかった無事で……。本当に……。
「ちょ、遊矢!?お、おお落ち着いて!?わわ私は大丈夫だから!ね?」
「沢渡に何かされなかったか?」
「あ、あの、とりあえず、離れて……ね?」
おっと、俺としたことが……取り乱しすぎた。
抱きしめていた柚子を離してやる。俺から解放された柚子は、しばらくの間顔を真っ赤にしてアワアワしていた。うーん可愛い。
しばらくして落ち着いた柚子は、俺によく分からない質問をしてきた。
「っていうか、遊矢が助けてくれたんじゃ無いの?見覚えのあるドラゴンを使って……ダークなんとかドラゴンって」
「はい?俺はさっき来たばっかりだぞ?」
そういえば沢渡も似たようなこと言ってたな。『柊柚子はさっきまでお前と一緒にいた』とかなんとか……。
「じゃああれは遊矢じゃ無かった……?そっくりさん?ドッペルゲンガー?」
どういうことなのか柚子に聞いてみると、沢渡とデュエルしようとした柚子を止め、代わりに沢渡とデュエルした男がいたのだとか。
そしてそいつの顔は俺と瓜二つだったらしい。それはつまり……言うなれば……
「もうひとりのボク!?」
「どうしたの遊矢、一人称おかしいわよ」
「あっいやなんでもない。それにしても俺と瓜二つの男か……」
沢渡がやたらと怯えていたのも、そいつにボコボコにされたから、という事なのだろう。謎が解けたが新しい謎ができたな……。
「それとね遊矢……。その男の子がデュエルする時、リアルソリッドビジョンシステムもないのにモンスターの攻撃が実体化していたの。沢渡なんか危うく大怪我するところで……あれはなんだったのかしら?」
「や、闇のゲームまで……」
「闇のゲーム?何か知ってるの遊矢?」
「いや知ってるというか……なんというか……」
いつの間にここはDM時空になったんだ……?そのうち社長とか出てきたりしないだろうな?
「ちょっと色々調べてみる必要があるな……。でも今日のところはとりあえず帰ろう、柚子。みんなも心配してるよ」
「そうね……ごめんなさい、心配かけちゃって」
「これからは一人で無理するなよ?今回はたまたま助けに来たやつがいたけど、次もそうとは限らないんだからな」
「……うん、わかったわ」
そうして俺と柚子は連れ立って遊勝塾に帰るのだった。
それにしても、リアルソリッドビジョンも無しに攻撃が実体化ねぇ……。もしかして次元戦争ってそういうことか?そうなるともう既に他次元の斥候がやってきているということに……。何か対策を考えないといけないかもしれないな。
柚子「ダークリベリオン……?ダークアンセリオン……?あれ……?」
ユート「……?」
ここらでこの作品における四天の龍の効果をあらかじめ提示しておこうと思います。アニメ効果とOCG効果が入り混じる作品なのでね……。
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
→完全にOCG効果と同じなので省略。珍しくOCG版の方がアニメ版よりも明確に強い。
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。
→OCGとアニメのいいとこ取り。レベルを問わず使えてX素材は1つでよくなっている。
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
→アニメ版と完全に同じ効果なので省略。無限ループできるよ、やったねユーリ!
スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン
(1):このカードがフィールドのモンスターのみを素材として融合召喚に成功したターンに発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃力の合計分アップする。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、その相手モンスターの効果は無効化され、このカードはその対象の相手モンスターの効果を得る。
(3):このカードが破壊された場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、その攻撃力の合計分のダメージを相手に与える。
→アニメ版と基本同じですがダークリベリオンと同じくレベルを問わなくなってます。
これからも何かしらOCGともアニメとも違う効果のカードが出てくる場合にはこうやってあとがきであらかじめ提示していこうと思います。
誤字報告等よろしくお願いします。