『おい……』
ん〜……あぁキャロルか。起きてるなんて珍しいね。普段は反応すらしてくれないのに。
『お前はオレと約束しただろう? その足掛かりを始めるというのによくもまぁ腑抜けている』
そりゃ仕方無いよ。まだ時期が早いから。まっ……気長に想い出をストックしていこう。こういうどうでもよい想い出から焼却するつもりなら尚更さ……
『ならば何故ここにいる? オレがいればこの場所で得るものと同程度のものは賄える。お前がその気になればな……』
そりゃ錬金術はね? あくまでもここには縁を作りたい。後々を考えたらさ……
『分からない奴だ』
私は……転生者だ。きっかけは分からないが気づいたら転生していた。そして何よりの問題なのは私自身は
『お前が見せた未来が事実ならばオレに為すべきことは無い』
それが私と彼女のファーストコンタクト。以来しばらく精神の片隅に引き籠もられたが、今は気まぐれか声をかけてくれている。
「まっ……私のやることは変わらない」
私は気分まで含めて重い扉を開けて
振り替えって見れば当時はまだ記憶もない1人の少女だった。
「世界を識るんだキャロル!」
最愛の父親の遺言を胸に村を飛び出した。アテもなく放浪していた時に私は倒れ保護された。そして保護してくれたのは後に識ることになるが【バヴァリア光明結社】だった。
「目が覚めたかしら? 貴女は何処まで覚えているの?」
「わた……私は……っ!」
私に問いかけて来たのは男装の麗人……その姿と仕草が私の記憶を駆け巡った。
「…………シンフォギア……?」
「??」
「何でも無い。パパが殺された。私は村を飛び出した……そこまでしか覚えてない」
「そうか…………君の名前は?」
「…………キャロル」
「そうか。ではキャロル……錬金術を学ばないか? 君のお父上……イザーク氏と私は関わりがあった。君を保護したのも偶々彼を訪ねようと向かっていたからだ。キャロルが良ければ経緯を教えて欲しい」
私は促されるままに目の前の相手……サンジェルマンに出来事を語っていた。そしてその様子を察したサンジェルマンは私を抱きしめる。
「君は愛されている。ならば君は父上の分まで生きるべきだ。その為には力がいる。決心が着いたら教えてくれ」
サンジェルマンはそれだけ告げて抱きしめてくれた。
そんな出来事を経て今……私はサンジェルマンの部屋への扉を開けた。
『もののついでに教えておく。オレにこのような記憶はない。焼却したか……そもそもお前の影響で歴史でも変わったのかもな……』
怖いことを言わないでよ……心が折れちゃう……
「よろしくお願いします」
「やはり来たか。ならば私が君に全てを叩き込む。簡単に音をあげるなよ?」
「私には世界を識るって目的がある。その為にはまずパパが学んだ錬金術を学んで血肉に変える。そして全てを解き明かす!」
「良い覚悟だ」
私の……錬金術師キャロルとしての人生がはじまった。
本来のキャロルちゃんの人格はこの転生者の未来知識を覗いたので精神世界に引きこもりました。ちょくちょく声はかけてくれますが基本的に手は貸してくれません。