やばい!ボキャが!足りない!!
カンバス通りの住民を助け、ヴィジョンとの全面的な衝突を決心したパエトーン三兄妹弟と猫又は、デッドエンドホロウを抜け、カンバス通りに向かっていた
「なあリョウジ、シンに聞きたいことってなんだ?」
「あぁ、シンの野郎、気が狂ってるヤツの割にはカンバス通りの奴らの前じゃまともだったから、気になってな」
アミリオンの視覚記録を見たリョウジはカンバス通りの人々を助けようと必死になっていたシンに違和感を覚えていた
「もし仮に、何か背負ってるなら俺が軽くしてやれるかもしれない。....あ、あいつには借りがあるしな、めんどくさいことになる前に早いこと返しちまいたいんだ」
「そんなこと言って、実はシンのことが気に入ってたり?」
「....んなわけねえだろ」
『もー、素直じゃないんだから』
「はぁ...」
リンが通信ごしにいじってくる
なんだかんだリョウジはお人好しなのかもしれない
そんな話をしている間にカンバス通りに到着した
「それにしても、助けを呼びに行ってくれたお嬢ちゃんだけど、なかなか帰ってこないねぇ...」
邪兎屋の3人がご婦人と話していた
「はぁ、確かに妙だわ....まさか想定外のことに巻き込まれたんじゃないでしょうね?」
『確かに想定外のことはあった、でもとびきりの策を思いついたよ!』
「この声は...プロキシ....!」
「あぁ、アンタが....、って、お前は...」
リョウジの膝の上に乗ったイアスを見て、シンは顔をしかめた
「つまり...そいつを膝に乗せてるお前は...」
「あぁ、クウガだよ。なんか文句あんのか」
こいつはめんどくせぇことになったぞと頭を掻くシンに、リョウジは早歩きで近づく
「お前、ちょっと面かせ」
「あぁ?なんだよ、今は戦んねぇぞ。それどころじゃないってわかんだろ」
「ちげぇよ」
嫌がるシンの手を引いて誰もいない空き部屋に入る
シンはなんのことか分からず、リョウジのことを睨んでいる
「あのさぁ、俺らは今からここの人間を避難させなきゃなんねぇ。お前の悪口なんて一言も聞いてる暇ないんだぞ....!」
「だからちげえって、話聞けよ。お前、なんでカンバス通りの人を助けようとするんだ?」
「はぁ?意味わかんねぇよ、お前は助けねぇってか?」
「そうじゃねぇ!お前があんなに必死になるのにはなんか理由があんだろ?単なる善意だけじゃない気がするんだよ!お前みたいな奴が出会ったばっかりの何でも屋にあんな頭の下げ方するなんて....」
「礼儀ってもんを教えてもらえなかったのかこのガキは!あぁ!そうだ他にも理由がある。これで満足か!」
リョウジは胸ぐらを掴まれ、壁に押し付けられた
シンは声を荒げ、冷静さを欠いているいるようだ
「違う!」
「何が違うってんだ!」
「お前何か背負ってんだろ!!」
リョウジの大声が部屋に響き、ヒートアップしていた2人を静けさが包み込む
シンはゆっくりと手を離し、リョウジと距離をとる
「なんだ...新エリー都にいる奴なら、少なからずなんか背負ってんだろ」
掴まれたジャケットの首元を直しながら、ゆっくり、言葉を選びながら、話し出す
「....なんだ、その....ええと...その...」
なんとか柔らかい言葉を選び取って口を開く
「その背負ってる苦しみを、背負ってる同士で、分け合えないかなって...」
リョウジの意外な言葉にシンは呆れたような仕草を見せた
「ガキってのはめんどくせぇもんだな...あいつにもおんなじこと言われたことあるわ」
「あいつ...?」
「あの何でも屋が助けた女のガキだよ」
一瞬誰のことかわからなかったが、邪兎屋のことを助けたあの女の子だろう
「しらねぇ他人にこんなこと話すガラじゃねぇが.........、その話、乗ってやる。苦しみ分け合うって言ったお前を信じるよ」
シンはどかっと地面に腰を下ろし、あぐらをかいた
それを不思議そうに見るリョウジに向かって地面をバンバンと叩き、座るよう促してきた
「腹を割って話そう。その代わり、お前のも聞かせてもらうぜ」
「──!当たり前だ、....俺から言い出したんだ、俺から話す」
そう言うシンの前に腰を下ろし、リョウジの方から口を開いた
リョウジは旧都陥落の日、クウガの力を奪うようにして手に入れ、多くの人を殺したこと、そのことを兄と姉に打ち明けたおかげで今に至ることを
それ以前の記憶は曖昧でほとんどを覚えていないことを話した
「そのせいで今の俺には人殺しであることしか残ってない...それに、いつあのまたあの力が暴走するかもわからない...」
リョウジは話している間に声が震えてうまく話せなくなっていた
それをシンは遮ることなく最後まで聞き届けた
「...そうか。そいつは...苦しいな...」
こういった場には慣れていないのか、シンはうまく話すことができていなかった
「あー、でも、そんなことねぇんじゃねぇか?その、人殺し以外なんもねぇってのは」
シンからの意外な言葉に面食らうリョウジ
「お前はこうして今、俺に手を差し伸べようとしてくれたんだろ?出だしこそ最悪だったが、その気持ちがあるなら...まぁ及第点だろ」
「意外と、まともなこと言えんだな、お前」
「一言余計だよ...」
「今度はお前の番だぞ」
「あぁってるって」
シンは頭をガシガシと掻いて口を開いた
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