ゼンレスゾーンゼロ×仮面ライダー   作:トンファーエッジ

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俺って書き物下手なのかぁ?


第16話 列車争奪戦‼︎

 

「それから俺は新エリー都で暮らそうと思った。でもゼクターを奪おうとする奴が多くてな、それを片付けてたら国家指名手配なんてもんになっちまったわけだ」

 

「...」

 

 

シンが楽しむことに執着する理由がわかった気がした

 

シンの背負ってしまったものは今も受け入れ難い事実としてシンの背にのしかかり続けている

 

その重荷に潰されて自暴自棄になってしまったのだろう

 

楽しめればいい

 

楽しんで死ねばきっと幸せだ

 

そんな寄生木の種がシンの心には深く根を張っている

皮肉にもジュナという女性が残したボイスメッセージが呪いのようになってしまい、その育った寄生木の枝を千切れなくなってしまっていた

 

 

「そんな時にここカンバス通りに行き着いた。ここの人間は余所者の俺を嫌な顔ひとつせずに受け入れてくれた。だから、ここにいる奴らを死なせたくないんだ」

 

 

リョウジははっとした

 

守りたい理由はリョウジがアキラやリンを守りたい理由と同じなのだ

 

「もしかしたら、俺たちは似てるのかもしれない」

 

「─?どういうことだ?」

 

 

「誰かがいて初めて正常になれる...みたいな?」

 

「失礼だろ」

 

 

「...あのさ、あんま乗り気になれないかもしれないけど、これが終わったら邪兎屋に入ったらどうだ?」

 

「...なんでだよ?」

 

 

シンは孤独を彷徨うから狂ってしまったのだ。その証拠にカンバス通りの人たちの前では常識的な振る舞いをしている

 

仲間を失い、1人でいることが知らず知らずのうちにトラウマになってしまったのだろう

そうならないためには仲間を作るしかない。その分野に関しては邪兎屋は適任だろう

 

「あそこなら幾分かお前も動きやすくなるはずだ、それに邪兎屋は稼ぎ口にめざとい。お前の戦力なら十分いけるって」

 

「ありがとう...?」

 

 

当の本人はなんのことかわかってないらしいがまぁいい

 

頭を少し掻いた後、シンは立ち上がった

 

 

「昔話はいいとこで終わりにしようぜ、時間もそんなにない」

 

部屋を出たシンの後に続きリョウジも部屋を出た

 

 

 


 

 

 

「みんなごめん、お待たせ」

 

邪兎屋のみんなと合流後、お互いの情報共有が終わったアキラとリンは、作戦について最終確認を行なっている最中だった

 

 

「確かにそのプランはいいと思うわ!さっすが、知恵と勇気のパエトーンね!」

 

「うん!それほどでも──あっ、おかえりリョウジ!...とシンさん?」

 

 

「シンでいい、それより俺にも作戦を教えてもらえないか?」

 

 

パエトーンが持ってきた作戦はこうだ

 

ステップ1、カンバス通りの住民を最も近い駅に集める

 

ステップ2、邪兎屋とクウガで列車を奪い、カンバス通り駅まで住民を迎えにいく

 

ステップ3、その列車の侵食障壁を利用してホロウの中を進み、ヴィジョンに抗議する

 

ステップ4、you win!

 

というわけだ

 

 

「なるほど、じゃあ婆さん、カンバス通り駅に全員集めておいてくれ」

 

「安心しなさい、足手まといにはならないよ。すぐみんなに知らせてこよう」

 

 

「ええ、お願いね。あ...そうそう、この近くのホロウに赤牙組の古い拠点があるって聞いたんだけど、何か知らない?」

 

 

突然ニコがおばあさんに尋ねた。作戦には関係なさそうだが

 

「急に話題が変わったけど、なんで今その話?」

 

「カネにがめついニコならまだ諦めてないと思った」

 

「失礼ね!家族の形見なのよ!?取り返したいじゃない!」

 

 

「....古い拠点のことなら知ってるよ。というより...ここに住んでる人で赤牙組のことを知らない人はいないだろうね」

 

 

なんと赤牙組はこの場所で生まれたのだそうだ

 

昔の赤牙組は弱きを助けるために立ち上がる義賊だった

子供を引き取り、読み書きまで教えていたほどらしい

 

だが近年、シルバーヘッドの人が変わってしまい、人に言えないようなことをしていたため、組を抜ける人や、街を出ていった人は少なくないのだそう

 

 

「──アタシらはいまの赤牙組と関わりはないし、関わりたくもない。シルバーヘッドが治安局に追われてホロウに落ちたのだってただの自業自得だとしか思えないね」

 

 

それを聞いて猫又は動揺し、おばあさんに聞き返した

 

「えっ、今なんて?」

 

「どうしたんだい、お嬢ちゃん?確かに赤牙組とは関わりたくもないと言ったけど、気に障ってしまったかい?」

 

「そ、そこじゃなくて...!シルバーヘッドは治安局に追われてホロウに落ちたの?邪兎屋に、やられたんじゃなくて?」

 

「ぎくっ!それは...」

 

 

わかりやすくニコが動揺した

 

「コホン!子猫ちゃん....いや、依頼人さん、わかってくれ!誤解を解こうとしたんだが、そのキラキラした目で見つめられると、何も言えなくなっちまって....!」

 

 

ビリーは必死に猫又を説得しようとしている

 

猫又はなぜか怒っているそぶりを見せないが、いまのビリーは説得に必死で気づいていないのだろう

 

 

「悪い!確かに、俺たちはたまたまその場に居合わせた...けどあいつをやったのは、治安局なんだ!」

 

 

「安心して、猫又。たとえ治安局の介入がなかったとしても、シルバーヘッドに手こずることはなかったわ」

 

「コホン、今回の件は、確かに猫又が勘違いしただけだっとは言え、アタシたちにもほんの少し責任があるわ」

 

 

猫又がしょげているのは、邪兎屋の功績が偽りだっただけではないような気はするが

 

「形見の依頼料は、ちょっぴりおまけしてあげる」

 

 

気にするべきところはそこなのか?とリョウジは思った

 

「と、とにかく、この話は終わりよ!さ、行きましょう!」

 

 

 


 

 

 

 

 

『目標エリアまでたどり着いたね』

 

 

早速列車を奪うためにヴィジョンの監視拠点についたクウガたちは、裏道を抜け、列車の場所まで到着した

 

 

「ふふん、すべて計画通り!」

 

『抜道計画はうまくいったようだね』

 

 

「ドンドドドンドン ドンドンドンドン ドンドドドンドン ドンドンドンドン....」

 

 アンビーが突然ドラムの音を真似し出した

 

 

「お?アンビー、緊張でおかしくなっちゃったの?」

 

「いや、多分BGMで盛り上げようとしてるんじゃねぇのか?」

 

「また映画に影響されたのか...」

 

 

呆れるリョウジのことを無視して、アンビーはまだドラムをやっている

 

「大丈夫よアンビー、そんなのなくたってこの作戦の重要さはわかってるわ」

 

 

アンビーはドラムをやめた

 

 

「うわぁ、急に落ち着くな!」

 

「プロキシ、運転はアンタに任せたからね。そっちの準備はどう?」

 

 

プロキシがイアス越しに返事をする

 

『ふっふっふ〜、腕がなるね〜!』

 

『相変わらず、やる気は充分だね。作業の成功が最優先なんだ、あまり興奮しすぎないように』

 

 

「よし、それじゃあ行きましょう!あっと言わせてやるわよ!」

 

 

 

 

 

列車に近づこうとするクウガたちの行手をヴィジョンの手先が邪魔をする

 

「な、何者だ!しまった、敵襲だ!」

 

「邪魔、すんなッ!!」

 

 

ヴィジョンの手先を次々と殴り飛ばし、道を開ける

幸いそこにいるのは10人程度。手こずるほどの相手じゃない

 

ついに列車の場所に着き、運転席の方に近づくと

 

列車の中からまたヴィジョンの手先が出てきた

 

その中にはパールマンもいる

 

 

シン(マッドホッパー)はクロックアップで敵を一掃し、パールマンをゴミ箱の中に詰めて戻ってきた

 

 

「グハァ!」

 

「うぐっ...」

 

 

 

「すごいな、もう片付けたのか!?」

 

「当たり前だ。悪党退治に手を抜いているほど楽観視できる状況じゃない」

 

 

パールマンの入ったゴミ箱を雑に持ち上げながら、淡々と告げた

 

「早く乗り込め。プロキシ、カンバス通りの人たちに連絡頼んだ」

 

『うん!わかったよ』

 

 

このまま作戦が上手くいけば、カンバス通りの人々は命を落とさずに住むだろう

 

「ならん!ならんぞぉ!連中が外に出て何か言おうものなら、私とヴィジョンはおしまいだ!」

 

 

パールマンは大声を張り上げ、涙を流している

 

「誰でもかまわん!どんな手を使ってでも、こいつらを阻止しろ!」

 

 

 

『警告!予定ルートの予期せぬ破断。小規模の爆発による破損を検出。計画は失敗です』

 

 

クウガたちの空気が凍りついた

 

「パールマン、貴様何をした...!」

 

それを聞いたシンがパールマンにつかみかかった

 

 

「知らん!ワシは何も知らんぞ!!」

 

「ぱ、パールマン長官、ご安心ください。新エリー都に続く唯一の線路を爆破しました。これで奴らはもう出られません」

 

「おおおおお前!このバカタレが!線路を爆破するのは我々が撤退した後だ!」

 

「何やってんだお前ぇ!」

 

 

シンは起爆スイッチを持っているヴィジョンの手先の頭を思いっきりビンタした

 

 

「落ち着けって!ライダーのパンチは数トン超えるんだぞ!?死んだらどうする!」

 

「あ?死んでもいいだろこいつらは」

 

「いやよくないだろ。あーあ、脳震とう起こしてないといいな...」

 

 

「ニコ、四方から敵の増援が来てる!どうする?」

 

 

今はそんなことを話している場合ではないようだ

一同はパールマンと一緒に一旦列車の中に身を隠すことにした

 

 

 

 

 

「と、突入はするな!私は今その運転室だ!邪兎屋の──」

 

パールマンは何やら電話に出ているようだ

その横でシンと猫又が圧をかけている

 

「紳士淑女に捕まっている!!」

 

シンがぜクターレバーに手をかけ、ちょっと動かしては戻しを繰り返している

 

そのレバーが完全に引かれた時のことは...考えたくもない

 

 

「よよよよよく聞け!!絶対に動くんじゃないぞ!この私が少しでも怪我を負ったら、か、会社はお前たちの責任を問う!!」

 

 

パールマンは震えながら大きな声で突入はするなと念を押している

 

「あのオッサン、意外と役に立つな〜」

 

「しばらくは攻撃してこないはずよ。でも、私たちの作戦も失敗に終わった」

 

「終わってない、何か策があるはずだ。考えるぞ」

 

 

リョウジはこういう時に意外と冷静だ

ビリー、アンビー、リョウジ。三人寄れば文殊の知恵とよういうくらいだ何かは思いつくだろう

 

と、リョウジは考えている

 

 

「へへっ」

 

 

猫又が笑った

 

「おいおい、こんな時によく笑ってられるな」

 

「ううん、アンタのこと笑ったわけじゃなくて。これ、さっきの戦闘でたまたま見つけたんだ」

 

猫又の手の中をよく見ると、写真の入ったペンダントが握られている

中の写真には猫又と若きシルバーヘッドと思しき人物が写っていた

 

 

「──アタシの家族の、形見」

 

「これって、写真?写ってるのはアンタと、赤牙組のシルバーヘッド?」

 

 

「実は、アンタたちを騙してたんだ。赤牙組に肩身を奪われたのも嘘。私はカンバス通りの近くに住んでて、組に引き取られた孤児の1人なの」

 

 

猫又は立ち上がり、邪兎屋の3人に近づいた

 

「昔の赤牙組には理想があった。だけど、アンタたちが聞いた通り、組は日に日に酷くなっていって...あたしも組を抜けた。」

 

 

猫又の目には少し、涙が滲んでいるように見えた

 

「でも、どんなに失望してもシルバーヘッドが引き取ってくれたのは事実だし、あそこはあたしにとって『家』に近い場所だったんだ」

 

「猫又...」

 

 

シルバーヘッドがホロウに誘き寄せられて死んだと聞いて、猫又は復讐のために邪兎屋をデッドエンドホロウに連れていった

 

しかし、邪兎屋は猫又が想像していたものとはかけ離れていた

 

子供を助けるためにホロウを駆け回ってくれたり

 

ヴィジョンの陰謀を知った時も、躊躇わず残ることを選んでくれた

 

 

「結局、シルバーヘッドが死んだのもアンタたちのせいじゃなかったし、私にはもう、アンタたちに復讐する理由がない」

 

 

猫又は列車のドアを開け、パールマンの首根っこをひっ掴んだ

 

「待て、猫又。お前何しようとしてる」

 

 

 

「──覚悟はできてる、あたしがヴィジョンと交渉してくる」

 

「...リョウジの言うことを聞いたほうがいい。ヴィジョンはお前の命なんて交渉材料として見てはくれない」

 

 

「安心して。パールマンって切り札もあるし、あたしの出身が赤牙組って知ったら、きっと交渉に応じてくれる」

 

そう言って猫又は列車の外に出てドアを閉めようとした

 

その時、クウガが滑り込んで猫又の腕を掴んだ

 

 

 

「──わかった、止めないよ。でもその代わりに、俺も連れてけ」

 





クウガ表に出ても平気なのかな

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

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