「さて、どうせ全員救助しないといけない。しらみつぶししにいくぞ」
Fairyの計算したルートを頼りにホロウを進んでいくリョウジ、シン、アンビー、イアス(アキラ)
ホロウの中にはいくつかの生体信号がある
その中からリンこ信号だけを拾うことは不可能なので、最も近い信号からしらみつぶしに行くことにした
「グルル...」
「ガァァ....!」
もちろんホロウの中にはエーテリアスがいる
が、問題はそこではない。本当に問題なのはこのホロウにはどうやら『ワーム』が出るようなのだ
『ワーム』とは突如地球に飛来した隕石から現れた地球外生命体である
その1番の特徴は人間に擬態することができる点だ
つまり、リョウジたちはワームかどうかを確かめながら救助をしなければならない
「ありがとうございます!助かりました!」
「いえ、それより青い髪の女の子をみなかった?」
「いいえ、ごめんなさい力になれなくて...」
「いや、いいんス。一旦ここで待ってもらえますか?後で必ず助けに来ますから」
一箇所目の信号の場所にはリンはいなかった
目撃情報も得られなかったので、また違う生体信号の元へと急ごう
「ひっ、ひぐっ あ゛り゛が゛と゛う゛ご゛ざ゛い゛ま゛す゛ぅ゛」
3箇所目
「も、もうおしまいかと思った...ありがとう」
4箇所目
「ひぃいいいい!ワームだぁ!ワームが化けてるんだぁ!」
『この地点で付近の生体信号は全てです。推測、もう一人のマスターは裂け目を通って別の場所に向かった可能性があります。提案、一度救助対象をホロウの外へ出すのはいかがでしょう』
「まぁそうするのが無難だな、すぐ連れてくる」
いつもより真面目になっているシンはその場を慣れたように仕切って人々を誘導している
元副隊長なだけはある
「こういう時は頼りになるのな...」
「こういう時こそ、だろ?」
「...モノは言いようね」
クロックアップの活用で、より安全にホロウの中を進んでいく
雑談を挟みながら一度ホロウの外に出て、救助者を病院までの口頭での案内をして、解散した
今度こそはリンを助けるために、もう一度ホロウに入る準備をする
リョウジが抗侵食剤をイアスのスカーフに忍ばせていると、シンが話しかけてきた
「お前、兄妹がホロウの中にいて不安じゃねぇのか?」
「そりゃあ不安だけど」
リョウジがシンに目線を合わせた
「けど、同じくらい信じてるから」
「なら、なおさら早く助けないとな...──行くぞ」
ホロウメモリを砕いても消えないホロウの中に、リョウジとシンとアンビーが入っていく
アキラが感覚同期したイアスが横をトコトコとついてきて、道案内を始めた
『マスター、この近くに生体信号をひとつ検知しました。このホロウの中の生体信号はこれで最後です。おそらく救助対象リンである可能性が極めて高いです』
『よしみんな、行こうか』
「いたっ!」
「──!リョウジ!」
シンのクロックアップも活用して、あっという間にリンは見つかった
横には気の弱そうな女の子もいる。おそらくその子と一緒にエーテリアスから逃げているうちにこんなところまで来てしまったんだろう
『リン!怪我はないかい?』
「侵食は...されてないみたいだ。よし、すぐに出よう」
「って、なんでシンとアンビーまでいるの?」
「野暮用だ」
「野暮用?」
「えぇ、野望用よ」
誤魔化し方が下手なシンとアンビーをジト目でリョウジが見ていると、気弱そうな女の子が口を開いた
「あっあの、助けてもらっておいて、ありがとうございました!」
かなり動揺しているのか口だけが異様に動き、体はほとんど動かしていない。それに、文法もどこかおかしい
なんというか奇妙な人だ
「──?」
「シン、これって...」
「そうだな」
女の子のい奇妙な行動を見てアンビーとシンは何かピンときたように目を見合わせた
すると、次の瞬間
少女の顔にマッドホッパーの拳がぶつけられた
そのまま少女の胸ぐらを掴み、反対側へ投げ飛ばす
「シン、何やってんだ!」
「まぁ見てろって」
投げ飛ばされた少女は殴られた顔を抑えながらフラフラとゆっくり立ち上がり、忌々しそうにこちらを睨みつける
「...なんなのでしょうね、あなたという忌々しい存在は」
少女──いや、少女の姿をしたワームの背から大きな羽が姿を現した
「もう少しデ食料の楽園ゲットの直前だったノニ...!」
「記憶がうまくコピーできてないのか?」
「それはおかしいわ。ワームは記憶を完璧にコピーするはずなのに」
「このホロウのワームはどっから湧いてきたんだ?まるで、未完成品?みたいだ」
このワームについての考察を交わしている2人を睨みながら、少女の体がベキベキと音を立てながら変形していく
まるで蛹を脱ぎ捨てるように赤色の体が姿を表し、レノチニョムワームが姿を現した
「キシャァアアアアア!」
その大きな鎌をこちらに構えながら地面を蹴ったその瞬間
あちこちからブラストスパイダーによく似たエーテリアスが次から次へと現れや
そのエーテリアスはレノチニョムワームにまとわりついていく
「アァァァアア...」
まとわりついた謎のエーテリアスがレノチニョムワームを捕食するようにうごめき、だんだんと影が小さくなっていく
「なに、コレ...」
「な、何が起きてんだ...」
「これは...!」
その異様な光景がしばらく続き、ついにエーテリアスによってレノチニョムワームは完食された
「キシュルルル...」
鳴き声を合図にするようにエーテリアスが1箇所に重なり合い互いを押しつぶしながら、まるで人のような姿になる
そのエーテリアスはリョウジに指を指す
「は...?」
「気をつけろ、こんなエーテリアスは見たことない...」
指を刺した腕が鎌のように変形していき、人型にだったエーテリアスは形を変え、レノチニョムワームによく似た姿になった
名付けるならば、レノチニョムエーテリアスだろう
「キシュルルル!!!!!」
「危ない!」
異様なことが続くその状況に置いて行かれていたリョウジにレノチニョムエーテリアスが切り掛かる
それをアンビーのナタが受け止めた
「リョウジ、しっかり!今はコレを倒すことに専念して!」
「....!わかった!」
次で終わりだから!!マジで!
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