ゼンレスゾーンゼロ×仮面ライダー   作:トンファーエッジ

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マイスおもろいね







番外編 第5話 雨ときどきお節介

 

 

今日は休日

 

特に予定もない

 

 

というか本来ならいつも学校とビデオ屋の経営以外の予定は入ってこないのである

 

ヴィジョンの一件が片付いて以来、リョウジのカレンダーの真っ白具合がリョウジに牙を剥いている

 

 

「暇だよぉ〜」

 

「ンナナァ〜!(暇だよー!)」

 

 

リョウジと18ちゃんは一緒に体を仰け反らし、腕を伸ばす

 

今日に限って天気は最悪

 

大粒の雨がザーザーと音を立てながらビデオ屋に降り注ぎ、それに伴って客足も遠のいていく

 

 

リンもアキラも今日に限って2人で出かけてしまった

 

今頃傘を忘れた事に気づいて帰れない事に絶望しているだろう

 

 

ぼんやりと外を眺めながらそんなことを思っていると、静かなビデオ屋店内にカランカランと扉の開く音がした

 

 

そこに立っていたのは白い髪の少女で、オレンジ色のゴーグルを装着し、背中に何か大きな装置とナタを携えている

 

髪の毛も服も雨でびしょびしょに濡れていて、手はわずかに震えている

 

 

「いらっしゃーい...ってびしょびしょじゃないスか...」

 

 

「いえ、気にしないでちょうだい。雨宿りに来ただけだから」

 

「いやいや、流石に風邪ひきますよ?タオルとドライヤー持ってきますね」

 

 

18ちゃんに“接客は任せた”と目線を送り、工房の扉を開けて中に入った

 

18ちゃんはぴょんとカウンターから飛んで、白い髪の少女に駆け寄り、あちこちからビデオを持ってきて、女の人に見せては反応を伺っている

 

 

「ごめんなさい、ビデオを借りに来たわけじゃないの」

 

「ンナナ、ンナンナ?(そうは言っても雨はすぐには止まないよ、暇つぶしに見ていきませんか?)」

 

 

「いえ、本当に...」

 

 

18ちゃんが白い髪の少女の周りをトコトコと走り回りながら販促をする

 

その動きを目で追いながら申し訳なさそうに断っているうちに、リョウジが裏からタオルを持ちながら出てきた

 

 

「どうぞ、乾燥かけたばっかなんでまだあったかいっスよ」

 

「ごめんなさい、助かるわ」

 

 

白い髪の少女はそれを受け取り、横で結んでいた髪を解き、タオルでワシワシと拭く

 

その様子を見ていたリョウジは見ていられないようで

 

 

「あ、えっと、その感じで毎日タオルドライしてたら髪の毛逝っちゃいますよ?」

 

「構わないわ、私には必要ないもの。早く乾いて悪いことはないわ」

 

「ダメっスよ女の子なんですから、髪の毛は大事にしないと。貸してください」

 

 

そう言ってリョウジは少女からタオルを優しく奪い、髪の毛を包むようにタオルで覆い、揉むようにして根本の水分を拭いていく

 

 

「...」

 

「...お節介ね」

 

「放って置けないだけです」

 

 

「それをお節介と言うのよ」

 

 

18ちゃんは静かにビデオを元の位置に戻し、06ちゃんがカウンターから椅子を運んできた

 

まぁ座んなよ

 

そう言わんばかりの顔で少女を見つめ、トントンと短い手で椅子を叩いた

 

 

「...ここまでしてもらう必要はないのだけど」

 

「ン、ナンンナ(そう言わずに、これも何かの縁かもしれませんよ)」

 

 

18ちゃんたちは少女のことをずいぶん気に入ったようだ

 

そこまで言うならと、少女は椅子に腰掛けた

 

 

幾らか作業がしやすくなったリョウジの手が出際よく髪を乾かしていく

 

そこから10分と経たずタオルドライは完了、ついでドライヤーも驚くほどすぐに終わった

 

 

「はい、終わりましたよ」

 

「髪の毛がサラサラ、まるで私のものじゃないみたい...」

 

「ちゃんと乾かせばこのくらいになるもんです。コツ教えましょうか?」

 

「遠慮しておくわ、...雨も落ち着いてきたようね」

 

 

そう言って少女は髪を結び直した

 

輪ゴムによって絞められた髪の毛は、そのクセによってパイナップルの葉のようにはねた

 

 

「ここまでしてもらって手ぶらで帰るわけにはいかないわ。そうね...会員カードでも作っていこうかしら」

 

「いや、いいっスよ気にしないでください」

 

「手続きはどうしたらいいのかしら?」

 

 

遠慮するリョウジの声を聞かなかったふりして、18ちゃんに尋ねる

 

18ちゃんも最初は遠慮していたものの、少女の圧に耐えきれずカウンターの方へ案内した

 

カウンターの下から小さなカードとペンを取り出して少女に差し出す

 

 

「えっと、そこに名前を書いて初回料金払ってもらったら登録は完了です...」

 

「わかったわ。」

 

「...本当にいいんですか?」

 

「さっきも言ったつもりだったのだけど」

 

 

「ありがとう、ございます...」

 

 

カードの上をペンが走る音が少しの間流れた

 

ペンが放され、差し出されたカードには『11号』と書かれている

 

 

(11号が名前なのか?変わった名前だな...)

 

 

不思議そうにカードを見ているリョウジに『11号』が声をかける

 

 

「...?何か不備があったかしら」

 

「あぁ、いや大丈夫です。『11号』さん?で合ってますか?」

 

「ええ、間違いないわ」

 

 

「ンナンナタ(リョウジは控えを取ってきて!僕は振り込みの案内するから!)」

 

「うん、ありがと」

 

 

工房への扉を開けて中に入り、書類に必要項目を書き込んでいく

 

『11号』

 

その不思議な名前を反芻しながらペンを走らせる

 

その様子を見ていた06ちゃんは不思議そうに近寄ってきて、書き終わった書類に目を通した

 

それを見た06ちゃんはそれを大切そうに抱きかかえながら、いつも座っているアタッシュケースの中にそれをしまった

 

 

初めて会う『11号』の持つその凜とした佇まいに惹かれたのか、06ちゃんはずいぶんと『11号』を気に入ったようだ

 

 

(まぁ控えなんて早々使うもんじゃないし、ほっといて平気か)

 

 

工房の扉を開けてもう一度ビデオ屋店内に入る

 

そこには財布にクレジットカードをしまう『11号』とご満悦そうな18ちゃんの姿があった

 

 

「18ちゃん、もしかして...」

 

「ンナ...(2番目に高いプラン選んでもらっちゃった...)」

 

「──!? あ、ありがとうございます、こんなによくしてもらって」

 

「良くしてくれたのはあなたの方よ、また来るわ」

 

 

そう言って『11号』は店を出て行った

 

名残惜しそうな06ちゃんは工房の扉から後ろ姿を最後まで見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店の外に出た『11号』はびしょ濡れになった二人組と目があった

 

 

「おや、11号じゃないか」

 

「奇遇ね、『クリムゾン・アイズ・ハーミット』」

 

 

そこにいたのは雨に濡れて色が濃くなった紙袋を抱える『パエトーン』兄妹だ

 

 

「あれ?『11号』シャンプー変えた?」

 

「いえ、変えていないわ」

 

「確かに髪質がいつもと違うような...」

 

 

「これはあなた達の話していた『スカーレット・アイズ・カインドマン』の腕によるものよ」

 

「『スカーレット・アイズ・カインドマン』?」

 

 

 

 

 







11号のネーミングセンスって唯一無二というか、真似できないね


ここまで読んでいただきありがとうございます!!

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