追放されても、リーダーぶん殴ってスッキリするぜえええ!!!! 作:匿名の筆者
自己活性ってのは、超強い。具体的にいえばポーション費用がほとんど要らないから、本来なら金欠にもなりずらい。
HPが残り8割になったらポーションを飲まないと死ぬ、という強迫観念に浸ってる冒険者は、俺に言わせればカス。冒険とは一体何だ? というのが本音だ。
攻撃の手数がとにかく重要で、不安定でたまにしか発動しないとはいえ……HPの即時回復ってのは超強い。ポーションはジワジワと回復するし、速効性の面でスキルに負ける。回復薬と比べてスキルは圧倒的な速度だから、まあパーティ募集の要項にわざわざ書かれるくらいなんだろうけど。
ただ、敵の排除を優先するか、自分の回復を優先するか。この二者択一を同時にできるとはいえ、敵を倒すことに欲張りすぎるのはかなりムズい所だ。
ぶっちゃけ基本的すぎてこれも魔法ということを忘れてたけど、ステータスって唱えれば自分が後どのくらいで死ぬのか分かるし、あと何回被弾したら死ぬかわかる。それなのに、みんなは運頼りで自己活性のために突撃するのだ。
その様が、もしかしたら他人から見れば、命と見合わないスキルだと思われているのかもしれない。自己活性はパッと効果が分かりやすいが、俗説によれば「ポーションより不確実だから弱い」とか、そんな有り得ん言葉もちらほら見られる。
だが、ポーションを飲む時間は被弾する時間になりうるのではないか、という気持ちが俺にはある。
実際、【最強フルパワー】の面々は、全員が自己活性持ちだった。リーダーは溶岩竜のブレスで全身が燃えながらも、結果的には無傷で倒していた。本人曰く、めっちゃ熱いという感覚と、何も温度が無いという感覚が交互に来るらしい。
そんな彼らの間では、装備として無駄な水を背負い、わざわざ飲むくらいなら「HPポーションを水の代わりにした方がいい」という意見が多数あった。
だが、俺は意見の違いがある。
ポーションって、蜂蜜よりかはシャバシャバしてるけど、妙に甘いし、後味に酸っぱさがある。あとHPポーションはねっとりしてて水分補給には嫌だ。
厄介なポーションマニアどもは、大多数が医療をちょっと齧ってる中途半端な人間だ。ならポーションの大部分が水分であることから、固形にしようとする。自分が天才だと思って、どんどん煮詰めていく。
でも、医療の心得のうち大部分を齧り付くし、骨までしゃぶるような医療マニアにとっては、そんなの悪手の極みだ。
そもそも齧るにせよ、水を別個に持っていって喉を潤す必要があるから、固形ポーションは持ち歩きたくない物の一つだった。
万が一の時、咀嚼とか嚥下ができない……つまるところ麻痺とかそういう毒を浴びたら終わりだし、固形ポーションは持ち運ぶ最中に砕け散る。最終手段を使った時の速効性も期待できなくなる。
そんな理論から、固形ポーションは液体ポーションと比べて安いと言うのはあるんだけど不人気だ。
ならばどうするか。
ポーション類の常識だが、実は経口摂取よりもケツにぶち込んだ方が早く効能が出るし、生存したいのならば積極的に実践すべきだ。
絵面が酷すぎるというのは俺も同じ感想だが、自己活性が発動しなかった時のために口の中にポーションを急いで詰め込むか、もうすぐ死ぬとなれば大急ぎでケツにぶっ刺すかの二択なら、何をするべきかは極めて明白なのだ。
最終手段を行使して生き残れるなら、誰もが尊厳など気にしない。
自己活性を中心に立ち回るか、それともポーションを中心に立ち回るか。たぶん、かつての仲間とは考え方の違いによって優先順位が違かったのだろうか。