村のチンチクリンがドメロイケ女になってて俺への距離が近い話する? 作:負け組カチ組
あはっあはっ
文字数多くなっちゃった……たはは
なっちゃったからにはもう……ネ……(分割更新)
あと誤字報告ありがとうございました。めちゃ助かります。
「……ぬ、ぬぐおおおう……」
とある休日……村の片隅にてカタログとにらめっこする男がひとり。
言っとくがぼっちってわけじゃねぇぞ?
今日はあえて、っつーか珍しく一人なだけなんだぜ?
だから今「コイツぼっちちゃんかよプークスクス」とか言って笑った奴は覚えておくように。
ぶっ殺してやるからな!!
ぶっ殺してやるからな!!!!
まあそれは冗談として、なんで俺みたいなナイスガイが一人で唸ってんのかと言うと。
「デバイスって、こんな高ぇのかよ……」
……そう、『鳴潮』でプレイアブルキャラが軒並み持ってた、あの瓢箪みたいなヤツ。
撃破された残像が残した『残響』を吸収して『音骸』として使役できるようになる、通信機能付きモンスターボールの、その驚くべき値段設定に愕然としていたのさ……!
いや、まあ実際払えない額じゃない。
普通に金稼いで、常識の範疇で貯金してれば普通に手が出せる程度の価格ではあるんだ。
問題は────俺の貯金的に、買うと当分雑草採集生活になるってことなんだけどな……!!
畜生!!こんなことならサボるんじゃなかった!!
ガン、と目の前の机を激情のままに殴る。メタクソ痛ぇ……。
痛みすぎて割れたんじゃないかってレベルの拳を擦りながら、俺は過去の俺をこれ以上なく呪った。
知っての通り、俺はサボり魔だ。
勿論仕事はしっかりこなすんだぜ?ただそれは最終的にって話であって、必要以上の仕事はしない。それが俺の営む便利屋稼業の鉄則だ。
そのせいで怒られたりもするもんだが、俺はこの生き方をやめる気はない。仕事はやってんだから文句は言わせねぇよ、って具合にな。
まあフェロさんは特別おっかないから、たまに、そうたま~にだけ屈してるんだけどな?
人生酸いも甘いもってヤツさ……。
ただまあちょっと……最近はサボりに熱中し過ぎましてね?
当然そのぶんお賃金も減って────最近はもうその日暮らしですよ、ええ。
宵越しの銭は持たないってか?
てやんでぃ!!確かに俺は江戸っ子だったが、そりゃ前世の話だろうよ!
ここじゃそんなもんまかり通らねぇっての!!!!
「あ゛~……ぢぐじょう゛……俺もポケモンマスターになりたかったなぁ~……」
デバイス手に入れて、伝説の音骸ゲットしてモテまくり勝ちまくり計画を思い付いたのが数分前。
そしてフェロさんの伝手でデバイスカタログゲットして、その衝撃の価格にエネル顔になったのが数秒前。
わずか数分で頓挫した儚い計画だったぜ……。
畜生、いいアイデアだと思ったんだけどなぁ。クッソ悔しすぎて亀ラップしそうだわ。
メケメケメケメケメケ言いながら我が家の天井を見上げる。
……まあでも、長離さんみたいな大人のお姉さんって強い音骸持ってても何も思わなさそうだしな。
モーマンタイモーマンタイ。失敗してもダメージゼロだぜ……。
ん?
お前の貧弱さじゃあそもそも残像を『残響』にすることすらできるか怪しいだろって?
ヘッヘッヘ……シンパイスルコトハナイ……。
実際俺様、一か月くらい前に単独で【巨狼級】の残像────コロサウルスってのを撃退しちゃっているんだよねぇ!!*1
驚いた?驚いたよな?驚いたって言え!!
しょーがない。
いつものチンチクリン二人もいねぇし、今日は俺の武勇伝を話してやるよ……。
忘れもしませぬ。あれは拙僧がチンチクリンどもとピクニックに行った時のこと……。
「ねえヴィトン」
「どしたよエンジェル」
「フェロおじさんから聞いたんだけど、ヴィトンってお金ないの?」
「お前ホント名前のわりに可愛くねぇことばっか言うよな。てかフェロさんもそういうことは知ってても心の内に留めておくモンだろうがよ。ともかくそういう質問は人の心を傷つけるのでやめましょーねー」
「わかった。…………で、お金ないの?」
「話聞こうぜ?? それとも耳悪い??」
「エンジェルが言いたいのは、もしヴィトンがお金ないなら一回ぐらいはご飯作ってあげようかって話。この間そういう風に決まったんだ」
「やめて? マジでやめて?? 気持ちは滅茶苦茶嬉しいけどそれされたらいよいよ俺の村の中での立場が危うくなるからやめて??? 金ないからって子供にご飯恵んでもらうとか、それもう年上の威厳崩壊すっから。な????」
「変わらないんじゃない?」
「うるせえよ。前から年上としての威厳なんてないってか? なおのことうるせえよ。もう他の話題移ってくれ頼むから」
「雑か?? オメーらそれしか話題ないんか?? 最悪のレパートリーしてんなオメーら」
てかもうちょい緊張感持てよ。
ここいつもみたいな村の近くじゃねぇんだからよ。
オッス、オラヴィトン!
現在総勢三名で、内二人はルンルン気分、残り一人は早く帰りたい一心でピクニックから帰投中であります!!
……いやマジではよ帰りたいんだが?
ホントならこんなぽてぽて歩いてないで、なんなら猛ダッシュキメて速攻家のベッドにダイブしたいんだが??
せっかくの休日、朝起きて日課の太陽礼拝でもしようかなと思って外に出たら、そこには目をキラキラ輝かせた毎度おなじみチンチクリンども。
ヴィトン は にげだした !
しかし まわりこまれてしまった !
……ン成程。
前門のエンジェル、後門のオーガスタ────、
────つまり、ハサミ討ちの形になるな……。
ターボ歩美の如き回り込みで出足を挫かれた俺は、せっかくの休日が早速灰塵に帰した確信で涙を流しながら、猪みてぇに猪突猛進な幼女二人に引き摺られていったってワケ。
「クッソ……何が楽しくてピクニックなんてしなきゃなんねぇんだよ……」
世のお父さん方。
休日に家族サービスに駆り出される哀れなパパ達。
俺は今ほどアンタらの凄絶さを、偉大さを思い知ったことはなかったよ。
おめえらはすげえよ────よくがんばった……たったひとりで……。
こんどはいいヤツ(誉ある独身)に生まれ変われよ……一対一で勝負(オフ会)してえ……。待ってるからな……オラももっともっとウデ(自宅警備員レベル)をあげて……。
「ヒキニートに人権はないんだよヴィトン」
「思考に介入してくんの無法過ぎるからやめね? てか誰だ。誰からその思想受け継いだ??」
「フェロおじさん」
「ミームの継承か。最悪じゃねぇか」
世も末だわなこりゃ……。
てかそれ以前に悲鳴で既に末だったわこの世界。ガハハ!(激ウマギャグ)
「不謹慎だよ」
「なんなん? オメーら超能力にでも目覚めた??」
「? 共鳴者じゃん」
「いやまあそりゃそうなんスけどね……」
てか何気にここにいる面子全員共鳴者ってレアじゃね?
全員『音痕』付いてるって考えるとなんか面白いな。なんつーか、研究所から脱走した被検体がコロニー作って生活してる、みたいな面白さがある。
わかりづらい? ってか悪趣味?
それはそう。
「……なあ、もうちょい急いで帰らねぇ? ほれ、ここらへん危ねぇだろ? 急いだ方がいいと思うんだけどナ~?」
「とか言って、自分が早く帰って寝たいだけでしょ?」
ふぐぅ、バレテーラ。
畜生コイツらマジで今日冴えてるな!?
いやまあ確かに七割方そういう考えで言いましたけれども。
残り三割は真面目に危ないと思っての発言なのよ??
てかチンチクリンどもの親御さん方も何を思って俺を御守りに据えたんだ?俺なんて何の役にも立たねぇだろ。むしろおたくのお嬢さんたち囮にして逃げかねないだろ。
ん?いや逆か?
まさか俺の方が囮か?
そう言い含められてんのか「いざとなったらあのロクデナシを囮にして逃げなさい」って具合に!!*2
マジかよヤッベー!!??
やっぱはよ帰ろ!!!!そんでもって早く現実逃避しなきゃ!!!!
「よしオメーら今から走るぞ着いてこれないなら置いていくからな覚悟しろよそら3・2・1────」
「……ヴィトン。ねぇヴィトンってば」
「行くぜGOシュー……っなんだよ? てかオメーら話聞いてなかったな? 走るっつってんだろ40秒で支度しな!!」
「いや、それより前にさ……アレ」
「あん? 何だよ志村後ろ的な?」
オーガスタとエンジェルが揃って俺の後ろを指差したので、優しい俺は今にも走り出そうと構えていた姿勢を戻して指の先を確認してやった。
まあ大したモンねぇだろ。
コイツら俺のことナメ腐っとるし、大方馬鹿正直に振り返った俺をバカにしたいだけだろうなぁ。
まあ俺優しいから見てやるけど────って、
おん??
「なぁにあれぇ」
てぃ、ティラノ……サウルス・レックスの方です、か??
いや青いティラノとかレア過ぎんだろ。
何?俺今まで鳴潮世界だと思ってたけど実はカセキホリダーの世界だったりした?
いや尻尾に刃付いてんな……ほなカセキホリダーちゃうか……。
さてはディノか?ディノバルドだろアイツ。
ドス深層シメジめ……トラウマクエストでめっちゃビビらされた怨みがふつふつと……!!
「ヴィトン……私たちを驚かせようとするのはいいけど、ちょっと脈絡がなさ過ぎない?」
「そうそう……っていうかコロサウルスなんてよく知ってたね。私も見るの初めてだよ」
「ほえ~あいつコロサウルスって言うのかぁ……」
「……え? なんで知らないの?」
「え? いや知らないものは知らねぇよ。無知を晒させんな」
「いやだって……じゃあアレ何?」
「コロサウルスなんじゃねぇの??」
「え……じ、じゃあもしかして……本物? ヴィトンの出した幻じゃなくて??」
「当たり前だろ。俺の共鳴能力のトリガー知ってんだろ? 幻影出すには、そもそもこーやって手を鳴らす必要が────」
「「あっバカ」」
「おん? ……あ」
ぱちん、と。
俺の澄んだ柏手の音が、静かだった平原に鳴り響いた。
そして当然、その音は今の今までそっぽを向いていたティラノ擬きの鼓膜を揺らしちゃいまして。
「────……」
────画面の左端に『???????』ってカットインが入りそうな具合に、こっちにゆっくり振り向いた。
「……やっぱシメジだろアイツ」
ちなみに筆者はクロス四天王だとライゼクスがいっちゃん好きです。
あと、このコロサウルス遭遇事件のお話が終わるまでは早いスパンで更新していこうかなと考えておりますんで。ほなよろしゅう。
『???????』ってなったシメジ擬きは評価、並びに感想・質問など盛大に歓迎致します。