キヴォトスにウォーハンマー40kの世界の武器がやってきた!   作:eriza7170

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第十七話 ターミネーターは人の名前ではありません

 

シャーレ武器庫。

 

赤い光が。

 

箱の隙間から漏れている。

 

「……」

 

先生。

 

「……」

 

ネル。

 

「……」

 

ヒナ。

 

「……」

 

カリン。

 

「……」

 

シロコ。

 

「……」

 

ミカ。

 

「……」

 

全員が。

 

箱を見ていた。

 

先生は。

 

ゆっくり。

 

箱に近づく。

 

「……」

 

そして。

 

停止ボタンを探す。

 

「どこだ……」

 

ウタハ。

 

「先生」

 

「何?」

 

「そこ」

 

「……」

 

箱の横。

 

小さなボタン。

 

先生が。

 

押す。

 

カチッ。

 

赤い光。

 

消える。

 

「……」

 

全員。

 

ほっとする。

 

先生。

 

「よし」

 

ネル。

 

「じゃあ開けよう」

 

先生。

 

「よくない」

 

その時。

 

武器庫の扉が開いた。

 

ユウカ。

 

「先生!」

 

「ユウカ?」

 

「何ですか、この騒ぎ!」

 

先生。

 

「いや……」

 

ユウカが。

 

箱を見る。

 

「……」

 

「POWER ARMOR?」

 

「うん」

 

「またですか?」

 

「またです」

 

ユウカは。

 

深いため息。

 

「もうパワーアーマーはありますよね?」

 

「ある」

 

「なら必要ないのでは?」

 

先生。

 

「……」

 

「それが」

 

先生は。

 

箱の側面を見る。

 

そこには。

 

小さな文字。

 

TERMINATOR

 

ユウカ。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

ユウカ。

 

「先生」

 

「うん」

 

「これは何ですか?」

 

先生。

 

「……」

 

「たぶん」

 

「はい」

 

「もっと重いやつ」

 

ユウカ。

 

「…………」

 

「予算は?」

 

先生。

 

「聞かないで」

 

箱が開く。

 

ガコン。

 

中から。

 

巨大な装甲。

 

出てきた。

 

通常のパワーアーマーより。

 

明らかに。

 

大きい。

 

分厚い。

 

肩。

 

胸。

 

腕。

 

脚。

 

すべてが。

 

重装甲。

 

そして。

 

背部には。

 

大型の動力機構。

 

頭部には。

 

完全密閉型のヘルメット。

 

まるで。

 

人間が。

 

歩く要塞になったようだった。

 

ネル。

 

「……」

 

「でけぇ」

 

ヒナ。

 

「……」

 

「これは」

 

カリン。

 

「通常型より装甲が厚いですね」

 

シロコ。

 

「重そう」

 

ミカ。

 

「……」

 

「かっこいい」

 

先生。

 

「……」

 

「ミカ」

 

「なに?」

 

「それ以外の感想は?」

 

「着たい!」

 

「……」

 

先生。

 

「そうだよね」

 

先生が。

 

説明する。

 

「これは」

 

「ターミネーター・アーマー」

 

ヒナ。

 

「ターミネーター?」

 

「うん」

 

「どういうものですか?」

 

「40kでは」

 

先生は。

 

少し考える。

 

「重装甲の歩兵用装備」

 

「歩兵?」

 

「そう」

 

ネル。

 

「これが?」

 

先生。

 

「うん」

 

ネルは。

 

装甲を見上げる。

 

「戦車じゃなくて?」

 

「歩兵」

 

「……」

 

ネル。

 

「40kって怖ぇな」

 

先生。

 

「僕もそう思う」

 

ウタハが。

 

装甲を確認する。

 

「通常のパワーアーマーと比較すると」

 

「うん」

 

「装甲厚が大幅に増えています」

 

「そうだね」

 

「重量も」

 

「うん」

 

「かなり」

 

「うん」

 

「つまり」

 

ウタハ。

 

「普通の生徒には」

 

「……」

 

「扱えない?」

 

先生。

 

「たぶん」

 

ネル。

 

「私なら?」

 

先生。

 

「試してみないと分からない」

 

ネル。

 

「じゃあ試そう」

 

先生。

 

「……」

 

ユウカ。

 

「先生」

 

先生。

 

「何?」

 

「嫌な予感がします」

 

先生。

 

「僕も」

 

試着者。

 

ネル。

 

「……」

 

ターミネーター・アーマーの前に立つ。

 

装甲だけで。

 

ネルの身体より。

 

一回り以上大きい。

 

ネル。

 

「……」

 

「これ」

 

先生。

 

「うん」

 

「本当に着るの?」

 

「そう」

 

「……」

 

ネル。

 

「よし」

 

装着。

 

脚部。

 

ガコン。

 

腰部。

 

ガコン。

 

胸部。

 

ガシャン。

 

肩。

 

ガシャン。

 

腕。

 

ガコン。

 

最後。

 

ヘルメット。

 

ガチャン。

 

完全密閉。

 

そして。

 

電源。

 

ヴゥゥゥゥン……

 

ターミネーター・アーマーが。

 

起動する。

 

沈黙。

 

ネルは。

 

動かない。

 

先生。

 

「ネル?」

 

「……」

 

返事がない。

 

「ネル?」

 

通信が。

 

繋がる。

 

『……』

 

「大丈夫?」

 

『……』

 

少し間。

 

『先生』

 

「うん」

 

『これ』

 

「うん」

 

『動かねぇ』

 

「……」

 

先生。

 

「え?」

 

『重すぎる!』

 

ネルが。

 

一歩。

 

踏み出そうとする。

 

ギギ……

 

脚が。

 

少し動く。

 

ズン。

 

一歩。

 

床が震える。

 

ズン。

 

二歩。

 

さらに。

 

ズン。

 

ネル。

 

『……』

 

先生。

 

「どう?」

 

『重い』

 

「やっぱり?」

 

『パワーアーマーとは』

 

「うん」

 

『全然違う』

 

ヒナが。

 

近づく。

 

「ネル」

 

『何?』

 

「腕は?」

 

『動く』

 

「武器は?」

 

『……』

 

ネルが。

 

右腕を見る。

 

そこには。

 

巨大な装備接続部。

 

ネル。

 

『これ』

 

「うん」

 

『武器つけられるよな』

 

先生。

 

「……」

 

「できる」

 

ネル。

 

『じゃあ』

 

先生。

 

「ダメ」

 

ネル。

 

『まだ何も言ってねぇ!』

 

先生。

 

「分かるんだよ」

 

しかし。

 

ターミネーター・アーマーには。

 

通常型にはない。

 

機能があった。

 

肩部。

 

大型装備ポート。

 

背部。

 

追加装備接続部。

 

腕部。

 

重火器用マウント。

 

そして。

 

右腕。

 

巨大な武器を固定できる。

 

先生。

 

「……」

 

「これは」

 

ウタハ。

 

「何?」

 

先生。

 

「ターミネーター用の装備だ」

 

箱を見る。

 

そこには。

 

さらに。

 

小さな箱。

 

STORM BOLTER

 

そして。

 

もう一つ。

 

POWER FIST

 

先生。

 

「……」

 

ネル。

 

『先生』

 

「何?」

 

『それ』

 

「……」

 

『付けようぜ』

 

先生。

 

「ダメ」

 

ネル。

 

『なんで!?』

 

先生。

 

「今の状態でも重すぎるから!」

 

ネル。

 

『でもせっかくターミネーターなんだぞ!』

 

先生。

 

「だから危ない!」

 

その時。

 

ミカが。

 

装甲を見る。

 

「先生」

 

「何?」

 

「私も着たい」

 

「……」

 

先生。

 

「ミカにはもっと危険」

 

「どうして?」

 

「絶対に走るから」

 

「走らないよ!」

 

「信じられない」

 

「ひどい!」

 

ヒナ。

 

「先生」

 

「何?」

 

「私も試着したいです」

 

先生。

 

「……」

 

ネル。

 

『ヒナなら似合いそう』

 

ヒナ。

 

「そう?」

 

先生。

 

「……」

 

二人を見る。

 

そして。

 

ため息。

 

「分かった」

 

「ただし」

 

「歩くだけ」

 

ヒナ。

 

「了解しました」

 

交代。

 

ネルが。

 

装甲から出る。

 

次に。

 

ヒナが。

 

装着。

 

ガコン。

 

ガコン。

 

ガシャン。

 

完全装着。

 

電源。

 

ヴゥゥゥン……

 

ヒナ。

 

「……」

 

先生。

 

「ヒナ?」

 

「はい」

 

「どう?」

 

「……」

 

「かなり重いです」

 

「そうだよね」

 

「でも」

 

ヒナが。

 

一歩。

 

踏み出す。

 

ズン。

 

二歩。

 

ズン。

 

三歩。

 

ズン。

 

ヒナ。

 

「……」

 

「動けます」

 

先生。

 

「すごい」

 

ネル。

 

「おお……」

 

ヒナが。

 

拳を握る。

 

ギギッ。

 

「……」

 

そして。

 

「力も」

 

「うん?」

 

「かなり増幅されています」

 

先生。

 

「どれくらい?」

 

ヒナ。

 

「……」

 

少し考える。

 

「普段より」

 

「うん」

 

「かなり」

 

先生。

 

「具体性がないね」

 

ヒナ。

 

「私も分かりません」

 

試験場。

 

ターミネーター・アーマー。

 

歩行試験。

 

障害物。

 

坂。

 

段差。

 

瓦礫。

 

ヒナが。

 

進む。

 

ズン。

 

瓦礫。

 

踏む。

 

バキッ。

 

瓦礫が。

 

砕ける。

 

ネル。

 

「……」

 

「すげぇ」

 

シロコ。

 

「重戦車みたい」

 

カリン。

 

「歩兵用とは思えませんね」

 

ミカ。

 

「私もやりたい!」

 

先生。

 

「ダメ」

 

ミカ。

 

「まだ何もしてないよ!」

 

先生。

 

「目がもうやる気だから」

 

そして。

 

最後の試験。

 

鋼鉄製の壁。

 

先生。

 

「攻撃はしない」

 

ヒナ。

 

「はい」

 

「ただ押すだけ」

 

ヒナ。

 

「分かりました」

 

ヒナが。

 

壁へ。

 

両手をつく。

 

「……」

 

力を入れる。

 

ギギギギ……

 

壁が。

 

少し動く。

 

「……」

 

さらに。

 

ゴゴゴゴ……

 

壁が。

 

数センチ。

 

動く。

 

全員。

 

「……」

 

ヒナが。

 

手を離す。

 

壁は。

 

明らかに。

 

移動している。

 

ネル。

 

「……」

 

「これ」

 

先生。

 

「うん」

 

ネル。

 

「普通のパワーアーマーより」

 

「うん」

 

「やべぇな」

 

先生。

 

「うん」

 

しかし。

 

その時。

 

装甲の内部から。

 

警告音。

 

ピピッ。

 

ヒナ。

 

「……?」

 

先生。

 

「どうした?」

 

「何か」

 

装甲の表示が。

 

赤く点滅する。

 

POWER LIMIT

 

「……」

 

ウタハが。

 

確認する。

 

「出力制限ですね」

 

先生。

 

「つまり?」

 

「これ以上動かすと」

 

「うん」

 

「装甲側が安全のために停止する可能性があります」

 

先生。

 

「……」

 

ヒナ。

 

「なるほど」

 

先生。

 

「今日はここまで」

 

ヒナ。

 

「了解です」

 

武器庫。

 

装甲を脱ぐ。

 

ヒナが。

 

普通の制服姿に戻る。

 

先生。

 

「どうだった?」

 

「……」

 

ヒナは。

 

少し考える。

 

「非常に重いです」

 

「うん」

 

「ですが」

 

「うん」

 

「安心感があります」

 

先生。

 

「安心感?」

 

「はい」

 

ヒナは。

 

振り返る。

 

ターミネーター・アーマーを見る。

 

「これを着ていると」

 

「うん」

 

「簡単には倒されないと思えます」

 

先生。

 

「……」

 

ヒナらしい。

 

感想だった。

 

その日の夕方。

 

シャーレ。

 

新しい規則が掲示された。

 

【ターミネーター・アーマー使用規則】

 

一、使用には先生の許可が必要。

 

二、装着は専用設備で行う。

 

三、屋内で走らない。

 

四、階段を飛び越えない。

 

五、壁を押さない。

 

六、ドアを体当たりで開けない。

 

七、車を押して移動させない。

 

八、武器を勝手に追加装備しない。

 

九、「ちょっとだけ戦ってみる」を禁止。

 

十、ミカは特に注意する。

 

ミカ。

 

「なんで!?」

 

先生。

 

「……」

 

「なんとなく」

 

「ひどい!」

 

夜。

 

先生は。

 

武器庫の棚を整理していた。

 

ターミネーター・アーマー。

 

その横。

 

ストームボルター。

 

パワーフィスト。

 

そして。

 

さらに奥。

 

箱。

 

先生。

 

「……」

 

嫌な予感。

 

箱を確認。

 

そこには。

 

TERMINATOR ASSAULT CANNON

 

先生。

 

「……」

 

沈黙。

 

さらに。

 

その隣。

 

THUNDER HAMMER

 

LIGHTNING CLAW

 

先生。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

先生は。

 

箱を閉じた。

 

「今日はもう見なかったことにしよう」

 

すると。

 

背後。

 

「先生?」

 

ヒナ。

 

「……」

 

「何ですか?」

 

先生。

 

「何でもない」

 

ヒナ。

 

箱を見る。

 

「……」

 

「アサルトキャノン?」

 

先生。

 

「……」

 

ヒナ。

 

「ライトニングクロー?」

 

先生。

 

「……」

 

ヒナ。

 

「サンダーハンマー?」

 

先生。

 

「……」

 

ヒナが。

 

静かに。

 

「先生」

 

「何?」

 

「ターミネーター・アーマー」

 

「うん」

 

「武器を装備したら」

 

「……」

 

「もっと強くなりますね」

 

先生は。

 

ゆっくり。

 

天井を見る。

 

「……」

 

「そうだね」

 

ヒナ。

 

「楽しみです」

 

先生。

 

「楽しみにしないで」

 

その瞬間。

 

武器庫の奥から。

 

ガコン。

 

さらに。

 

何かが倒れる音。

 

全員。

 

「……」

 

先生。

 

「……」

 

ネル。

 

「先生」

 

「何?」

 

「まだ武器あんの?」

 

先生。

 

「……」

 

「あるみたい」

 

ネル。

 

「最高じゃん」

 

先生。

 

「……」

 

シャーレの武器庫には。

 

まだ。

 

帝国の武器が。

 

眠っていた。

 

そして。

 

その中には。

 

これまでとは。

 

比較にならないほど。

 

危険な装備も。

 

含まれていた。

 

――第十七話・終。

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