キヴォトスにウォーハンマー40kの世界の武器がやってきた! 作:eriza7170
翌朝。
シャーレ武器庫。
先生は。
昨日の夜から。
ずっと気になっていた箱を見ていた。
二つ。
一つ目。
STORM BOLTER
二つ目。
ASSAULT CANNON
「……」
先生は。
腕を組む。
「……」
普通のボルトガンでも。
キヴォトスでは。
十分に騒ぎになった。
なら。
ターミネーター用の重火器など。
どうなるのか。
考えたくない。
「……」
その時。
扉が開いた。
「先生!」
ネル。
「……」
先生。
「おはよう」
「おはよう!」
ネルは。
先生の顔を見る。
次に。
箱を見る。
「……」
そして。
笑う。
「開けようぜ」
先生。
「やっぱり来たか」
ヒナ。
カリン。
シロコ。
ミカ。
ウタハ。
そして。
なぜかユウカまで。
集まっている。
ユウカ。
「今回は」
「はい」
「絶対に壊さないでください」
先生。
「僕もそう思ってる」
ネル。
「壊す気はないって」
ユウカ。
「あなたの場合」
「……」
「壊してから『壊す気はなかった』と言うでしょう?」
ネル。
「……」
「言い返せない」
まず。
ストームボルター。
箱を開ける。
中には。
大型のボルト系火器。
二連装。
頑丈な構造。
通常のボルトガンより。
明らかに大きい。
ネル。
「……」
「二本ある」
先生。
「そう」
「一度に撃つの?」
「そういう設計」
「……」
ネル。
「最高じゃん」
先生。
「その感想禁止にしようかな」
ウタハが。
構造を見る。
「二連装」
「うん」
「大型弾薬」
「うん」
「高い発射速度」
「そう」
ウタハ。
「……」
「かなり合理的ですね」
ユウカ。
「弾薬費は?」
先生。
「……」
「聞かない方がいい」
ユウカ。
「なるほど」
即座に。
メモを閉じた。
試験場。
ストームボルター。
固定架台に取り付ける。
先生。
「まずは」
「うん」
「単発」
「了解」
標的。
鋼鉄板。
発射。
――ドンッ!!
巨大な発砲音。
鋼鉄板が。
大きくへこむ。
続けて。
もう一発。
――ドンッ!!
さらに。
へこむ。
ネル。
「……」
「先生」
「何?」
「これ」
「うん」
「二つ持つ必要ある?」
先生。
「ない」
「じゃあ」
「……」
「一つだけでいいじゃん」
「そういう問題じゃない」
次。
連射試験。
ドドドドドドドドッ!!
試験場が。
轟音に包まれる。
鋼鉄標的。
次々と。
破壊されていく。
煙。
火花。
金属片。
先生。
「……」
全員。
黙っている。
発射停止。
カチッ。
静寂。
ネル。
「……」
「すげぇ」
ヒナ。
「火力が高すぎます」
カリン。
「対歩兵用というより」
「うん」
「重装甲目標にも対応できますね」
先生。
「そうだね」
シロコ。
「……」
「何?」
「これ」
シロコが。
ストームボルターを見る。
「持って走れる?」
先生。
「……」
「ターミネーターなら」
「……」
「たぶん」
シロコ。
「なるほど」
先生。
「何を考えてるの?」
シロコ。
「何でもない」
先生。
「絶対何か考えてるよね?」
そして。
ミカ。
「私も持ちたい!」
先生。
「……」
「いい?」
「ストームボルターは」
先生は。
考える。
「電源を切った状態で」
「うん!」
「絶対に引き金に触らない」
「分かった!」
ミカが。
受け取る。
「……」
「……」
ミカ。
「重い」
ネル。
「だろ?」
ミカ。
「でも」
ミカが。
持ち上げる。
「持てる」
先生。
「……」
ミカ。
「これ」
「うん?」
「二つ持てるかな?」
先生。
「ダメ」
ミカ。
「なんで!?」
「絶対撃ちたくなるから」
「ならないよ!」
ネル。
「なるだろ」
「ならない!」
ヒナ。
「なると思います」
「ヒナまで!?」
その後。
ストームボルターは。
ターミネーター・アーマー用装備として。
正式登録された。
そして。
先生は。
一つの決断をする。
「これは」
「うん?」
「普段は装備させない」
ネル。
「えー」
「訓練時のみ」
ネル。
「えー」
「必要な時だけ」
ネル。
「……」
「分かった」
先生。
「珍しい」
ネル。
「弾が高いんだろ?」
先生。
「そう」
ネル。
「じゃあ仕方ねぇ」
ユウカ。
「素晴らしい判断です」
しかし。
問題は。
もう一つ。
アサルトキャノンだった。
箱。
巨大。
先生。
「……」
「これは」
ネル。
「何?」
先生。
「ターミネーター用の重火器」
ネル。
「ストームボルターより?」
「うん」
「強い?」
「かなり」
「……」
ネル。
「開けよう」
先生。
「……」
「分かったよ」
箱を開く。
中から。
巨大な銃身。
複数。
回転式。
そして。
巨大な本体。
先生。
「……」
「アサルトキャノン」
ヒナ。
「回転式?」
「そう」
ウタハ。
「多銃身」
「うん」
「高速連射」
「そう」
カリン。
「……」
「かなりの火力ですね」
先生。
「そう」
ネル。
「撃てる?」
先生。
「固定すれば」
「じゃあ」
「試す」
試験場。
アサルトキャノン。
固定。
標的。
遠方。
先生。
「一秒だけ」
ウタハ。
「了解」
起動。
ヴゥゥゥン……
銃身が。
回転する。
ギュルルルル……
ネル。
「……」
「かっけぇ」
先生。
「静かに」
発射。
――ダダダダダダダダダダダダッ!!
轟音。
大量の弾丸。
鋼鉄標的。
瞬く間に。
穴だらけになる。
さらに。
標的の後ろの壁まで。
削られる。
先生。
「停止!」
ウタハ。
停止。
……
静寂。
ネル。
「……」
ヒナ。
「……」
カリン。
「……」
シロコ。
「……」
ミカ。
「……」
先生。
「……」
誰も。
喋らない。
そして。
ネル。
「先生」
「何?」
「これ」
「うん」
「学校に置いちゃダメだろ」
先生。
「……」
「正解」
ユウカが。
標的を見る。
「……」
「修理費」
先生。
「聞かないで」
「いくらです?」
「聞かないで」
「先生」
「……」
「いくらですか?」
先生は。
答えたくなかった。
その日の午後。
シャーレ会計室。
ユウカが。
計算している。
「……」
「……」
「……」
電卓を置く。
「先生」
「はい」
「今後」
「うん」
「アサルトキャノンは」
「うん」
「絶対に無駄撃ちしないでください」
先生。
「もちろん」
ネル。
「了解」
ユウカ。
「ネルさん」
「何?」
「あなたが一番重要です」
「……」
「分かったよ」
夜。
先生は。
武器庫を整理する。
ターミネーター・アーマー。
ストームボルター。
アサルトキャノン。
サンダーハンマー。
ライトニングクロー。
パワーアックス。
パワーソード。
チェーンフィスト。
パワーフィスト。
チェーンソード。
「……」
随分。
増えた。
先生は。
棚を見る。
「人類の武器だけで」
「こんなにあるのか……」
すると。
背後から。
声。
「先生」
「……」
振り返る。
ヒナ。
「どうしたの?」
「これ」
ヒナが。
一枚の資料を渡す。
先生。
「……」
そこには。
「ターミネーター装備適性調査」
と書かれている。
「誰が作ったの?」
「ウタハさんです」
先生。
「……」
さらに。
一覧。
ターミネーター装備候補
ヒナ
ネル
カリン
ミカ
シロコ
アカネ
カヨコ
イオリ
先生。
「……」
「多くない?」
ヒナ。
「はい」
「何人まで?」
「まだ決めていないそうです」
先生。
「……」
「これ」
ヒナ。
「はい」
「学校対抗戦みたいにならない?」
ヒナ。
少し考える。
「……」
「なるかもしれません」
先生。
「やめよう」
その時。
武器庫の奥。
また。
何かが落ちる。
ガタン。
先生。
「……」
ヒナ。
「……」
二人で。
音の方向を見る。
そこには。
見覚えのない。
巨大な箱。
先生。
「……」
箱には。
文字。
HEAVY FLAMER
ヒナ。
「……」
先生。
「……」
「火炎放射器?」
「うん」
ヒナ。
「ターミネーター用?」
「……」
先生は。
ゆっくり。
頷く。
「たぶん」
ヒナ。
「……」
「先生」
「何?」
「火炎放射器は」
「うん」
「日常生活では」
「……」
「絶対に使わない方がいいですね」
先生。
「……」
「その判断だけは正しい」
二人は。
しばらく。
箱を見つめる。
そして。
先生は。
箱に。
大きく紙を貼った。
開けないこと。
特にミカとネルは開けないこと。
先生も開けない。
ヒナ。
「……」
「これで大丈夫ですか?」
先生。
「たぶん」
その直後。
箱の向こうから。
「先生ー!」
ミカの声。
「何!?」
「そこにあるの何ー!?」
先生。
「……」
ヒナ。
「……」
先生。
「……」
ヒナ。
「聞こえてますね」
先生。
「うん」
ミカ。
「開けていいー!?」
先生。
「ダメー!!」
武器庫に。
先生の声が響いた。
しかし。
その声のさらに奥。
誰も気づいていない棚の陰。
もう一つ。
小さな箱が。
置かれていた。
そこには。
こう書かれている。
MELTA GUN
そして。
その隣には。
MELTA BOMB
先生は。
まだ。
それを知らない。
――第十八話・終。