キヴォトスにウォーハンマー40kの世界の武器がやってきた! 作:eriza7170
これから書く文章を全部行間を整理して、セリフを一行開けて書いて、描写分は一行ずつにして
了解です!
これから送っていただく文章は、すべて以下の形式で行間を整理します。
描写・地の文: 一文ごとに改行し、描写同士の間には空白行を入れない。
セリフ: セリフの前後に一行ずつ空白行を入れる。
文章の内容: 原則として変更せず、行間と改行のみを整理する。
元の表現や雰囲気: そのまま維持する。
整形例
キヴォトスの街に夕日が差し込んでいた。
遠くから銃声が響き、少女たちが慌ただしく駆け抜けていく。
「先生、あそこに何かいます!」
彼女の指差す先には、見慣れない巨大な影が立っていた。
その影はゆっくりと振り返り、低い声で答えた。
「……なるほど。ここがキヴォトスか」
この形式で統一します。文章を送ってください!
これで先ほどのラスガンの話を書いて、あとキヴォトスでウォーハンマーの銃器は設計しないでやってくるだけにして
了解です。先ほどのラスガンの話を、指定していただいた行間の形式で整えます。
設定についても、次のように統一します。
ラスガンはキヴォトス側が設計・開発するものではなく、ウォーハンマー40,000の世界から銃器そのものがやってくる。
ミレニアムなどの学園が解析する場合も、あくまで持ち込まれた銃器を調査する立場とし、キヴォトス製の派生兵器を設計する展開にはしません。
描写は一文ごとに改行し、描写同士の間に空白行を入れず、セリフの前後には一行ずつ空白行を入れます。
元の話の展開や雰囲気を維持し、必要な設定の修正以外は勝手に変更しません。
ただ、こちらでは先ほどのラスガンの話の本文全体を確認できない状態です。お手数ですが、ラスガンの話をもう一度貼ってください。 その本文をもとに、指定の形式で整え直します。
翌朝。
シャーレの執務室には、昨日よりも明らかに増えていた。
武器が。
「……先生」
ユウカは机の上に置かれた物体を見つめていた。
「なんですか、これ」
「僕にも分からない」
「分からないじゃありません!」
机の上。
そこには、黒と金属色で構成された細長い銃が置かれている。
昨日のボルトガンと比べれば、ずっと細い。
軽そうで。
無骨で。
装飾もほとんどない。
そして何より。
箱に書かれていた名前が妙に簡潔だった。
LASGUN
「ラスガン……?」
ノノミが箱の説明書を覗き込む。
「レーザー兵器みたいですね」
「レーザー?」
カリンが興味深そうに近づく。
「それならミレニアム製の光学兵器に近いんでしょうか」
「たぶん違うと思う」
先生は説明書を読む。
そこには。
ラスガンの基本的な性能が書かれていた。
光線。
長射程。
高い信頼性。
簡単な整備。
そして。
極めて安価な弾薬。
「……」
先生はもう一度読む。
「安い?」
ユウカが反応した。
「今、なんて?」
「弾薬が安いらしい」
「どれくらい?」
「かなり」
ユウカが説明書を奪い取った。
「……」
「……」
「……先生」
「はい」
「これ、何本あります?」
「箱には二十丁って書いてある」
ユウカの目が輝いた。
「採用しましょう」
「早い」
「シャーレの武器庫に置きましょう!」
「そんなに?」
「だって安いんですよ!?」
ユウカはラスガンを机に置く。
「昨日のボルトガンを見ましたよね?」
「うん」
「弾薬が高い」
「うん」
「巨大」
「うん」
「一発撃つたびに爆発」
「うん」
「つまり維持費が高い!」
「……そうだね」
「それに比べてこれは!」
ユウカはラスガンを掲げた。
「安い!」
「そこなの?」
「そこです!」
その瞬間。
ウタハが入ってきた。
「先生、ラスガンが届いたと聞いて――」
彼女の視線がラスガンに向く。
「……」
「ウタハ?」
「貸して」
「ダメ」
「まだ何も言ってないよ」
「顔に出てる」
ウタハは仕方なくラスガンを見る。
「でも、これは興味深いね」
「どこが?」
「エネルギー兵器なのに、構造がかなり単純そうだ」
「へぇ」
「そして、この説明書」
ウタハが読む。
「極限環境でも動作する」
「うん」
「砂漠でも」
「うん」
「泥でも」
「うん」
「寒冷地でも」
「うん」
ウタハは少し考えた。
「……これ、ミレニアムの生徒が好きそうだね」
「もう好きになってるよ」
「そう?」
「目が怖い」
そこへ。
「先生!」
今度はヒビキだった。
「変な武器が届いたって聞いたんだけど!」
「変な武器って……」
ヒビキはラスガンを見る。
「……何これ?」
「ラスガン」
「へぇ」
彼女は手に取る。
「軽い」
「そうだね」
「撃ってみていい?」
「ダメ」
「なんで?」
「昨日それで大変だったから」
「昨日?」
ネルが横から口を出す。
「ボルトガンのことだろ?」
「ああ」
ヒビキは少し考えた。
「じゃあ安全なところで撃とう」
「そういう問題じゃないんだよ」
しかし。
数分後。
先生たちはシャーレの訓練場にいた。
「……どうしてこうなった」
先生が呟く。
目の前には。
ヒビキ。
ノノミ。
カリン。
アカネ。
ネル。
ウタハ。
ユウカ。
そして数名のミレニアム生徒。
全員がラスガンを見ている。
ユウカだけは違う。
「先生」
「何?」
「試射の結果次第では、シャーレの標準装備にできますよ」
「予算の話?」
「もちろんです」
ユウカは真剣だった。
「武器は性能だけじゃありません」
「うん」
「維持費が重要なんです」
「うん」
「安価で、頑丈で、長く使える」
ユウカはラスガンを見る。
「素晴らしいじゃないですか」
先生は思った。
――ラスガンの評価基準が完全にユウカの経理目線になっている。
「では」
ヒビキが射撃位置につく。
「撃ちます!」
ラスガンを構える。
ターゲットは二十メートル先。
「……」
「……」
引き金を引く。
シュンッ!
光が走った。
ターゲットの中心に命中。
「おお……」
ノノミが声を上げる。
もう一発。
シュンッ!
命中。
さらに一発。
シュンッ!
命中。
ヒビキが驚く。
「すご」
「どう?」
先生が聞く。
「反動がほとんどない」
「へぇ」
「撃ちやすい」
カリンも頷く。
「確かに扱いやすいですね」
アカネがラスガンを受け取る。
「整備性も高そうです」
「まだ分解しちゃダメだよ」
先生が釘を刺す。
「分かっています」
「本当に?」
「……」
アカネは微笑んだ。
「もちろんです」
「怪しい」
そして。
ノノミがラスガンを持つ。
「私も撃ってみていいですか?」
「もちろん」
ノノミが構える。
シュンッ!
命中。
「わぁ!」
シュンッ!
また命中。
「これはいいですねぇ」
「ノノミ、気に入った?」
「はい!」
彼女は嬉しそうにラスガンを眺める。
「軽くて、撃ちやすくて、弾もたくさん持てそうです」
「弾じゃないけどね」
「そうでした」
そして。
問題のユウカ。
彼女はラスガンを受け取った。
構える。
狙う。
シュンッ!
命中。
「……」
もう一発。
シュンッ!
命中。
ユウカはラスガンを下ろした。
「先生」
「何?」
「これ、買いましょう」
「え?」
「二十丁」
「もう箱に二十丁あるけど」
「追加で」
「そんなに?」
「必要です」
ユウカは真顔だった。
「これは経済的です」
「銃だよ?」
「でも経済的です」
「……」
「先生」
「はい」
「昨日のボルトガン、一発いくらですか?」
「知らない」
「調べました」
「早い」
「かなり高いです」
ユウカは指を一本立てた。
「それに対してラスガンは――」
二本目。
「安い」
三本目。
「軽い」
四本目。
「頑丈」
そして。
「弾薬も大量に用意できる」
「……」
先生は思った。
ラスガンがユウカの心を完全に掴んでいる。
そこへ。
ネルがやって来た。
「おい先生」
「何?」
「これ、ボルトガンより使いやすくね?」
「たぶん」
ネルはラスガンを持つ。
「……確かに」
「ネルまで?」
「こっちのほうが撃ちやすい」
そしてネルはターゲットを見る。
「でもよ」
「うん」
「爆発しねえじゃん」
「……」
「なんか物足りなくね?」
「ネル」
先生は真顔になる。
「それは銃として正常なんだよ」
「そうか?」
「そうだよ」
「でもキヴォトスだぞ?」
「……」
先生は黙った。
確かに。
キヴォトスでは。
爆発する銃も。
巨大な銃も。
謎の兵器も。
それほど珍しくない。
むしろ。
爆発しない銃のほうが地味に見える。
そんな空気を察したのか。
ウタハが口を開いた。
「先生」
「何?」
「ところで、このラスガン」
「うん」
「電池を使うんだよね?」
「そう書いてある」
「じゃあ」
ウタハは少し笑った。
「ミレニアムで充電システムを作れば、さらに運用コストを下げられる」
ユウカが振り向いた。
「……!」
「ウタハ」
「何?」
「それ、本当ですか?」
「理論上は」
ユウカの目が輝く。
「やりましょう」
「待って」
「何を?」
「何か大規模な計画が始まりそうな気がする」
ユウカはもう聞いていなかった。
「ラスガン二十丁」
「うん」
「追加弾薬」
「うん」
「充電設備」
「うん」
「保守設備」
「うん」
「訓練用ターゲット」
「うん」
ユウカは端末を取り出した。
「予算案を作ります」
「今?」
「今です」
先生は頭を抱えた。
すると。
ノノミが箱の中を覗き込む。
「あれ?」
「どうした?」
「先生」
「うん?」
「まだ武器があります」
「……」
全員が箱を見る。
ラスガンの下。
さらに別の武器が入っていた。
細長い銃。
青白い発光部分。
見るからに危険そうなデザイン。
説明書には。
PLASMA GUN
と書かれている。
「……」
ウタハの目が輝いた。
「先生」
「ダメ」
「まだ何も言ってないよ」
「絶対にダメ」
「でも」
「ダメ」
「少しだけ」
「ダメ」
「分解を――」
「ダメ!」
シャーレに先生の声が響いた。
その横で。
ユウカは黙々とラスガンの購入計画を立てていた。
こうして。
キヴォトスにおけるラスガンの評価は決まった。
「安い。軽い。壊れにくい。便利。」
そしてその日の夕方。
ユウカはシャーレの武器庫に一枚の張り紙を貼った。
【シャーレ武器庫・暫定価格表】
ラスガン
★★★★★
「経済的」
ボルトガン
★★☆☆☆
「強いけど高い」
ボルトピストル
★★★☆☆
「強いけど弾が高い」
チェーンソード
★☆☆☆☆
「工具ではありません」
プラズマガン
使用禁止
「ウタハ先輩が触ろうとするため」
先生はその張り紙を見て。
「最後のやつ、武器の評価じゃないよね?」
と呟いた。
しかし。
誰も答えなかった。
なぜならその頃。
ミレニアムでは。
ウタハがすでに。
プラズマガンの設計図を描き始めていたからである。
――第三話へ続く。
…
翌朝。
シャーレの執務室には、昨日よりも明らかに増えていた。
武器が。
「……先生」
ユウカは机の上に置かれた物体を見つめていた。
「なんですか、これ」
「僕にも分からない」
「分からないじゃありません!」
机の上。
そこには、黒と金属色で構成された細長い銃が置かれている。
昨日のボルトガンと比べれば、ずっと細い。
軽そうで。
無骨で。
装飾もほとんどない。
そして何より。
箱に書かれていた名前が妙に簡潔だった。
LASGUN
「ラスガン……?」
ノノミが箱の説明書を覗き込む。
「レーザー兵器みたいですね」
「レーザー?」
カリンが興味深そうに近づく。
「それならミレニアム製の光学兵器に近いんでしょうか」
「たぶん違うと思う」
先生は説明書を読む。
そこには、ラスガンの基本的な性能が書かれていた。
光線。
長射程。
高い信頼性。
簡単な整備。
そして、極めて安価な弾薬。
「……」
先生はもう一度読む。
「安い?」
ユウカが反応した。
「今、なんて?」
「弾薬が安いらしい」
「どれくらい?」
「かなり」
ユウカが説明書を奪い取った。
「……」
「……」
「……先生」
「はい」
「これ、何本あります?」
「箱には二十丁って書いてある」
ユウカの目が輝いた。
「採用しましょう」
「早い」
「シャーレの武器庫に置きましょう!」
「そんなに?」
「だって安いんですよ!?」
ユウカはラスガンを机に置く。
「昨日のボルトガンを見ましたよね?」
「うん」
「弾薬が高い」
「うん」
「巨大」
「うん」
「一発撃つたびに爆発」
「うん」
「つまり維持費が高い!」
「……そうだね」
「それに比べてこれは!」
ユウカはラスガンを掲げた。
「安い!」
「そこなの?」
「そこです!」
その瞬間、ウタハが入ってきた。
「先生、ラスガンが届いたと聞いて――」
彼女の視線がラスガンに向く。
「……」
「ウタハ?」
「貸して」
「ダメ」
「まだ何も言ってないよ」
「顔に出てる」
ウタハは仕方なくラスガンを見る。
「でも、これは興味深いね」
「どこが?」
「エネルギー兵器なのに、構造がかなり単純そうだ」
「へぇ」
「そして、この説明書」
ウタハが読む。
「極限環境でも動作する」
「うん」
「砂漠でも」
「うん」
「泥でも」
「うん」
「寒冷地でも」
「うん」
ウタハは少し考えた。
「……これ、ミレニアムの生徒が好きそうだね」
「もう好きになってるよ」
「そう?」
「目が怖い」
そこへ、ヒビキがやってきた。
「先生!」
今度はヒビキだった。
「変な武器が届いたって聞いたんだけど!」
「変な武器って……」
ヒビキはラスガンを見る。
「……何これ?」
「ラスガン」
「へぇ」
彼女は手に取る。
「軽い」
「そうだね」
「撃ってみていい?」
「ダメ」
「なんで?」
「昨日それで大変だったから」
「昨日?」
ネルが横から口を出す。
「ボルトガンのことだろ?」
「ああ」
ヒビキは少し考えた。
「じゃあ安全なところで撃とう」
「そういう問題じゃないんだよ」
しかし、数分後。
先生たちはシャーレの訓練場にいた。
「……どうしてこうなった」
先生が呟く。
目の前には、ヒビキ、ノノミ、カリン、アカネ、ネル、ウタハ、ユウカ、そして数名のミレニアム生徒がいた。
全員がラスガンを見ている。
ユウカだけは違う。
「先生」
「何?」
「試射の結果次第では、シャーレの標準装備にできますよ」
「予算の話?」
「もちろんです」
ユウカは真剣だった。
「武器は性能だけじゃありません」
「うん」
「維持費が重要なんです」
「うん」
「安価で、頑丈で、長く使える」
ユウカはラスガンを見る。
「素晴らしいじゃないですか」
先生は思った。
――ラスガンの評価基準が完全にユウカの経理目線になっている。
「では」
ヒビキが射撃位置につく。
「撃ちます!」
ラスガンを構える。
ターゲットは二十メートル先。
「……」
「……」
引き金を引く。
シュンッ!
光が走った。
ターゲットの中心に命中。
「おお……」
ノノミが声を上げる。
もう一発。
シュンッ!
命中。
さらに一発。
シュンッ!
命中。
ヒビキが驚く。
「すご」
「どう?」
先生が聞く。
「反動がほとんどない」
「へぇ」
「撃ちやすい」
カリンも頷く。
「確かに扱いやすいですね」
アカネがラスガンを受け取る。
「整備性も高そうです」
「まだ分解しちゃダメだよ」
先生が釘を刺す。
「分かっています」
「本当に?」
「……」
アカネは微笑んだ。
「もちろんです」
「怪しい」
そして、ノノミがラスガンを持つ。
「私も撃ってみていいですか?」
「もちろん」
ノノミが構える。
シュンッ!
命中。
「わぁ!」
シュンッ!
また命中。
「これはいいですねぇ」
「ノノミ、気に入った?」
「はい!」
彼女は嬉しそうにラスガンを眺める。
「軽くて、撃ちやすくて、弾もたくさん持てそうです」
「弾じゃないけどね」
「そうでした」
そして、問題のユウカ。
彼女はラスガンを受け取った。
構える。
狙う。
シュンッ!
命中。
「……」
もう一発。
シュンッ!
命中。
ユウカはラスガンを下ろした。
「先生」
「何?」
「これ、買いましょう」
「え?」
「二十丁」
「もう箱に二十丁あるけど」
「追加で」
「そんなに?」
「必要です」
ユウカは真顔だった。
「これは経済的です」
「銃だよ?」
「でも経済的です」
「……」
「先生」
「はい」
「昨日のボルトガン、一発いくらですか?」
「知らない」
「調べました」
「早い」
「かなり高いです」
ユウカは指を一本立てた。
「それに対してラスガンは――」
二本目。
「安い」
三本目。
「軽い」
四本目。
「頑丈」
そして。
「弾薬も大量に用意できる」
「……」
先生は思った。
ラスガンがユウカの心を完全に掴んでいる。
そこへ、ネルがやって来た。
「おい先生」
「何?」
「これ、ボルトガンより使いやすくね?」
「たぶん」
ネルはラスガンを持つ。
「……確かに」
「ネルまで?」
「こっちのほうが撃ちやすい」
そしてネルはターゲットを見る。
「でもよ」
「うん」
「爆発しねえじゃん」
「……」
「なんか物足りなくね?」
「ネル」
先生は真顔になる。
「それは銃として正常なんだよ」
「そうか?」
「そうだよ」
「でもキヴォトスだぞ?」
「……」
先生は黙った。
確かに、キヴォトスでは爆発する銃も、巨大な銃も、謎の兵器も、それほど珍しくない。
むしろ、爆発しない銃のほうが地味に見える。
そんな空気を察したのか、ウタハが口を開いた。
「先生」
「何?」
「ところで、このラスガン」
「うん」
「電池を使うんだよね?」
「そう書いてある」
「じゃあ」
ウタハは少し笑った。
「ミレニアムで充電システムを作れば、さらに運用コストを下げられる」
ユウカが振り向いた。
「……!」
「ウタハ」
「何?」
「それ、本当ですか?」
「理論上は」
ユウカの目が輝く。
「やりましょう」
「待って」
「何を?」
「何か大規模な計画が始まりそうな気がする」
ユウカはもう聞いていなかった。
「ラスガン二十丁」
「うん」
「追加弾薬」
「うん」
「充電設備」
「うん」
「保守設備」
「うん」
「訓練用ターゲット」
「うん」
ユウカは端末を取り出した。
「予算案を作ります」
「今?」
「今です」
先生は頭を抱えた。
すると、ノノミが箱の中を覗き込む。
「あれ?」
「どうした?」
「先生」
「うん?」
「まだ武器があります」
「……」
全員が箱を見る。
ラスガンの下には、さらに別の武器が入っていた。
細長い銃。
青白い発光部分。
見るからに危険そうなデザイン。
説明書には、こう書かれていた。
PLASMA GUN
「……」
ウタハの目が輝いた。
「先生」
「ダメ」
「まだ何も言ってないよ」
「絶対にダメ」
「でも」
「ダメ」
「少しだけ」
「ダメ」
「分解を――」
「ダメ!」
シャーレに先生の声が響いた。
その横で、ユウカは黙々とラスガンの購入計画を立てていた。
こうして、キヴォトスにおけるラスガンの評価は決まった。
「安い。軽い。壊れにくい。便利。」
そしてその日の夕方、ユウカはシャーレの武器庫に一枚の張り紙を貼った。
【シャーレ武器庫・暫定価格表】
ラスガン
★★★★★
「経済的」
ボルトガン
★★☆☆☆
「強いけど高い」
ボルトピストル
★★★☆☆
「強いけど弾が高い」
チェーンソード
★☆☆☆☆
「工具ではありません」
プラズマガン
使用禁止
「ウタハ先輩が触ろうとするため」
先生はその張り紙を見て。
「最後のやつ、武器の評価じゃないよね?」
と呟いた。
しかし、誰も答えなかった。
なぜならその頃、ミレニアムでは、ウタハがすでにプラズマガンの設計図を描き始めていたからである。
――第三話へ続く。
これに描写を追加して
描写を追加し、ラスガンを初めて目にする生徒たちの反応や、実際に射撃した際の光・音・手応え、先生の苦労などを強化しました。
また、ウォーハンマー40,000の銃器は完成した兵器としてキヴォトスにやってくる設定に統一し、ミレニアムが独自にラスガンやプラズマガンを設計する展開にはしないようにしています。
第二話 ラスガン――安価にして堅牢なる帝国の銃
翌朝。
シャーレの執務室には、昨日よりも明らかに増えているものがあった。
武器である。
昨日持ち込まれたボルトガンだけでも十分に異様だったというのに、今朝になって新たな木箱がいくつも運び込まれていた。
いずれも見慣れない材質で作られ、表面にはキヴォトスのどの学園の製造番号とも異なる刻印が打たれている。
そのうちの一つが、執務机の上に置かれていた。
「……先生」
ユウカは机の上に置かれた物体を見つめていた。
いつものように先生の仕事ぶりを確認しに来た彼女だったが、机の上に見慣れない銃が鎮座している光景を前に、すっかり本来の目的を忘れてしまっていた。
「なんですか、これ」
「僕にも分からない」
「分からないじゃありません!」
ユウカの声が執務室に響いた。
先生としても、好き好んで説明を放棄しているわけではない。
今朝、出勤してみれば見覚えのない木箱が届いており、開封してみればこの銃が入っていたのだ。
送り主の名前も、輸送経路も、キヴォトスの流通記録もない。
あるのは、箱に記された見慣れない文字と、最低限の取り扱い説明書だけだった。
机の上。
そこには、黒と金属色で構成された細長い銃が置かれている。
昨日のボルトガンと比べれば、ずっと細い。
巨大な弾薬を押し込むための分厚い機構も、銃身の周囲を覆う過剰な装甲も見当たらない。
全体的に角張った無骨な形状をしており、必要な部品だけを組み合わせて作られたかのような、徹底して実用本位の姿だった。
銃身の先端から銃床に至るまで、華美な装飾はほとんどない。
ただ、何度も使い込まれることを前提にしているらしい頑丈な造りと、手入れのしやすさを意識した構造が見て取れた。
見栄えよりも、使えること。
高級感よりも、壊れないこと。
その銃は、そうした思想を無言のうちに物語っていた。
そして何より、箱に書かれていた名前が妙に簡潔だった。
LASGUN
「ラスガン……?」
ノノミが箱の説明書を覗き込む。
普段ならば、どれほど珍しい品物でもまずは笑顔で眺める彼女だが、今回はさすがに興味を引かれたらしい。
説明書と銃を交互に見比べながら、首を傾げている。
「レーザー兵器みたいですね」
「レーザー?」
カリンが興味深そうに近づく。
彼女は狙撃手として、銃器の形状や重量、照準器の配置などを自然と観察する癖があった。
その目で見ても、この銃には奇妙な点が多い。
細身で取り回しがよさそうな一方、銃身や機関部の構造は、キヴォトスで一般的に使用されている銃器とは明らかに異なっていた。
「それならミレニアム製の光学兵器に近いんでしょうか」
「たぶん違うと思う」
先生は説明書を読み進めた。
記載されている言語は、キヴォトスで一般的に使用されるものとは違っていたが、不思議なことに意味だけは理解できた。
そこには、ラスガンの基本的な性能が書かれていた。
光線による射撃。
長射程。
高い信頼性。
簡単な整備。
そして、極めて安価な弾薬。
最後の項目には、特に強調するような書き方がされていた。
「……」
先生はもう一度読む。
そして、説明書を少しだけ持ち上げた。
「安い?」
ユウカが反応した。
先ほどまでの困惑が、ほんの一瞬で消え去る。
彼女の視線は先生の手元にある説明書へと吸い寄せられた。
「今、なんて?」
「弾薬が安いらしい」
「どれくらい?」
「かなり」
ユウカが説明書を奪い取った。
紙面を上から下まで読み込み、必要な箇所を何度も確認する。
その目つきは、もはや珍しい銃を眺める生徒のものではなかった。
新たな予算削減の可能性を見つけた、経理担当者のそれである。
「……」
「……」
「……先生」
「はい」
「これ、何本あります?」
「箱には二十丁って書いてある」
ユウカの目が輝いた。
「採用しましょう」
「早い」
「シャーレの武器庫に置きましょう!」
「そんなに?」
「だって安いんですよ!?」
ユウカはラスガンを机に置く。
その扱いは、先ほどまでの警戒が嘘のように慎重だった。
銃身を傷つけないように置き、説明書を横に並べ、頭の中で費用対効果を計算しているらしい。
「昨日のボルトガンを見ましたよね?」
「うん」
「弾薬が高い」
「うん」
「巨大」
「うん」
「一発撃つたびに爆発」
「うん」
「つまり維持費が高い!」
「……そうだね」
「それに比べてこれは!」
ユウカはラスガンを掲げた。
窓から差し込む朝の光が、その無骨な銃身を照らす。
飾り気のない銃は、彼女の手の中で実に実用的な道具に見えた。
「安い!」
「そこなの?」
「そこです!」
その瞬間、ウタハが入ってきた。
彼女はいつものように何かを調べるための道具を携えていたが、執務室に入るなり、机の上にある銃に目を留めた。
「先生、ラスガンが届いたと聞いて――」
彼女の視線がラスガンに向く。
言葉が途切れた。
数秒間、ウタハは黙って銃を観察していた。
銃身の形状。
機関部の配置。
外装の継ぎ目。
そして、説明書に記載された仕様。
技術者としての好奇心が、彼女の表情から隠しきれないほどに滲み出ていた。
「……」
「ウタハ?」
「貸して」
「ダメ」
「まだ何も言ってないよ」
「顔に出てる」
ウタハは仕方なくラスガンを見る。
手を伸ばしかけたものの、先生の視線に気づくと、ひとまず腕を組んだ。
もっとも、視線だけは一瞬たりとも銃から離れていない。
「でも、これは興味深いね」
「どこが?」
「エネルギー兵器なのに、構造がかなり単純そうだ」
「へぇ」
「そして、この説明書」
ウタハが読む。
説明書の端を指で押さえ、記載された仕様を一つずつ追っていく。
「極限環境でも動作する」
「うん」
「砂漠でも」
「うん」
「泥でも」
「うん」
「寒冷地でも」
「うん」
ウタハは少し考えた。
単に性能が高いというだけではない。
厳しい環境での使用を想定し、整備の容易さと信頼性を重視している。
戦場で使い続けることを第一に考えた兵器なのだろう。
それは、ミレニアムで扱われる実験的な光学兵器とは、設計思想そのものが違っているように見えた。
「……これ、ミレニアムの生徒が好きそうだね」
「もう好きになってるよ」
「そう?」
「目が怖い」
そこへ、勢いよく扉が開いた。
「先生!」
今度はヒビキだった。
彼女は訓練場から戻ってきたところなのか、少し息を弾ませている。
「変な武器が届いたって聞いたんだけど!」
「変な武器って……」
ヒビキはラスガンを見る。
そして、机の前まで近づくと、上から下までじっくり眺めた。
「……何これ?」
「ラスガン」
「へぇ」
彼女は手に取る。
まず確かめたのは、重量だった。
持ち上げてみると、想像していたよりも軽い。
両手で構える必要はあるものの、重心は極端に偏っておらず、銃口を向ける動作にも余計な力が要らなかった。
「軽い」
「そうだね」
「撃ってみていい?」
「ダメ」
「なんで?」
「昨日それで大変だったから」
「昨日?」
ネルが横から口を出す。
「ボルトガンのことだろ?」
「ああ」
ヒビキは少し考えた。
それから、当然のように結論を出した。
「じゃあ安全なところで撃とう」
「そういう問題じゃないんだよ」
しかし、数分後。
先生たちはシャーレの訓練場にいた。
結局、銃器を扱う以上、実際に撃って性能を確かめなければ話が進まない。
もっとも、それを言い出したのはヒビキであり、賛成したのはウタハとユウカであり、最後まで渋っていたのは先生だった。
最終的には、訓練場の安全設備を確認したうえで、試射を行うことになったのである。
「……どうしてこうなった」
先生が呟く。
目の前には、ヒビキ、ノノミ、カリン、アカネ、ネル、ウタハ、ユウカ、そして数名のミレニアム生徒がいた。
全員がラスガンを見ている。
いや、正確には、ラスガンが放つ光線を見たくて仕方がないという顔をしていた。
訓練場の奥には射撃用のターゲットが並び、床には射撃位置を示すラインが引かれている。
その周囲には安全確認のための生徒たちが配置され、試射に備えていた。
ユウカだけは違う。
彼女が見ているのは銃そのものというより、その銃を導入した場合の費用対効果だった。
「先生」
「何?」
「試射の結果次第では、シャーレの標準装備にできますよ」
「予算の話?」
「もちろんです」
ユウカは真剣だった。
「武器は性能だけじゃありません」
「うん」
「維持費が重要なんです」
「うん」
「安価で、頑丈で、長く使える」
ユウカはラスガンを見る。
その眼差しには、すでに強い信頼が宿っていた。
まだ一発も撃っていないというのに、彼女の中ではラスガンの評価が着実に固まりつつある。
「素晴らしいじゃないですか」
先生は思った。
――ラスガンの評価基準が完全にユウカの経理目線になっている。
「では」
ヒビキが射撃位置につく。
足を肩幅に開き、銃床を肩に当て、照準をターゲットへと合わせた。
いつもの軽快な態度とは打って変わり、射撃の直前には真剣な表情を浮かべている。
彼女は照準を微調整し、呼吸を整えた。
「撃ちます!」
ラスガンを構える。
ターゲットは二十メートル先。
訓練場の空気が、ほんの少しだけ張り詰めた。
「……」
「……」
引き金を引く。
シュンッ!
乾いた発射音とともに、銃口から一筋の光が走った。
弾丸が飛んでいくというより、細い光の線が一瞬だけ空間を切り裂いたように見えた。
銃口が跳ね上がることも、肩に強い衝撃が伝わることもない。
光線はまっすぐに飛び、ターゲットの中心へと命中した。
遅れて、標的の表面に小さな焦げ跡が刻まれる。
「おお……」
ノノミが声を上げる。
彼女の表情には、素直な驚きが浮かんでいた。
続いて、ヒビキは照準を戻す。
もう一発。
シュンッ!
命中。
さらに一発。
シュンッ!
命中。
三発とも、ほぼ同じ位置に着弾していた。
ヒビキは銃を下ろし、少しだけ目を見開いた。
「すご」
「どう?」
先生が聞く。
「反動がほとんどない」
「へぇ」
「撃ちやすい」
ヒビキは銃を構え直し、肩に当たる銃床の位置を確かめた。
反動の小ささだけではない。
照準を維持しやすく、連続して射撃しても姿勢が乱れにくい。
銃器としての扱いやすさは、彼女が普段使っている武器とも違った方向性を持っているようだった。
カリンも頷く。
「確かに扱いやすいですね」
彼女は射撃後のターゲットを観察し、続いてラスガンの照準器へと目を向けた。
遠距離から狙撃する場合には、光線の軌道や命中時の反応など、さらに確認すべき点がある。
しかし、少なくとも基本的な射撃性能については、かなり優秀に見えた。
アカネがラスガンを受け取る。
「整備性も高そうです」
彼女は銃の外装を注意深く眺める。
部品の配置や固定方法を確認したいのだろう。
ただし、彼女が興味を示す対象を先生が自由に分解させてよいかどうかは、また別の問題である。
「まだ分解しちゃダメだよ」
先生が釘を刺す。
「分かっています」
「本当に?」
「……」
アカネは微笑んだ。
「もちろんです」
「怪しい」
そして、ノノミがラスガンを持つ。
「私も撃ってみていいですか?」
「もちろん」
ノノミが構える。
彼女は銃を肩に当て、慎重に照準を合わせた。
引き金を引く指先に、余計な力は入っていない。
シュンッ!
命中。
「わぁ!」
シュンッ!
また命中。
ノノミは嬉しそうに銃を下ろした。
普段の穏やかな笑顔に、少しだけ興奮した色が混じっている。
「これはいいですねぇ」
「ノノミ、気に入った?」
「はい!」
彼女は嬉しそうにラスガンを眺める。
「軽くて、撃ちやすくて、弾もたくさん持てそうです」
「弾じゃないけどね」
「そうでした」
先生は説明書に目を落とした。
ラスガンの射撃に使われるのは、一般的な銃弾とは異なるエネルギー弾である。
その供給方式や消耗品の扱いについては、まだ詳しく確認できていない。
だが、少なくとも箱に同梱されている付属品を見る限り、一般的な銃弾を大量に持ち歩く必要はなさそうだった。
もっとも、それがどの程度の補給能力につながるのかは、今後の確認が必要だろう。
そして、問題のユウカ。
彼女はラスガンを受け取った。
これまでの試射を見て、すでに大まかな評価は固まっているらしい。
それでも、実際に自分で撃って確かめることは重要だと考えたのだろう。
彼女は銃を構え、ターゲットへと照準を合わせた。
シュンッ!
命中。
「……」
もう一発。
シュンッ!
命中。
ユウカは銃を下ろした。
表情は真剣そのものだった。
そして、静かに口を開く。
「先生」
「何?」
「これ、買いましょう」
「え?」
「二十丁」
「もう箱に二十丁あるけど」
「追加で」
「そんなに?」
「必要です」
ユウカは真顔だった。
「これは経済的です」
「銃だよ?」
「でも経済的です」
「……」
先生は反論を試みようとした。
しかし、彼女がすでに何らかの計算を済ませていることは、その目を見れば明らかだった。
「先生」
「はい」
「昨日のボルトガン、一発いくらですか?」
「知らない」
「調べました」
「早い」
「かなり高いです」
ユウカは指を一本立てた。
「それに対してラスガンは――」
二本目。
「安い」
三本目。
「軽い」
四本目。
「頑丈」
そして。
「弾薬も大量に用意できる」
「……」
先生は思った。
ラスガンがユウカの心を完全に掴んでいる。
しかも、単なる好奇心や性能への評価ではない。
武器の導入費用、補給、保管、維持管理。
それらすべてを含めた運用面で、彼女はラスガンに大きな魅力を感じているのだ。
昨日のボルトガンが圧倒的な破壊力で生徒たちの注目を集めたのなら、ラスガンは堅実さによってユウカの信頼を勝ち取ったのである。
そこへ、ネルがやって来た。
「おい先生」
「何?」
「これ、ボルトガンより使いやすくね?」
「たぶん」
ネルはラスガンを持つ。
軽く持ち上げ、銃口を安全な方向へ向けたまま、構えやすさを確かめる。
彼女のように近距離で激しく動き回る戦闘スタイルでは、武器の取り回しは重要な要素になる。
巨大なボルトガンの威力には魅力があるが、いつでも都合よく使えるとは限らない。
「……確かに」
「ネルまで?」
「こっちのほうが撃ちやすい」
そしてネルはターゲットを見る。
数秒ほど黙り込んだ後、ふと思い出したように口を開いた。
「でもよ」
「うん」
「爆発しねえじゃん」
「……」
「なんか物足りなくね?」
「ネル」
先生は真顔になる。
「それは銃として正常なんだよ」
「そうか?」
「そうだよ」
「でもキヴォトスだぞ?」
「……」
先生は黙った。
確かに、キヴォトスでは爆発する銃も、巨大な銃も、謎の兵器も、それほど珍しくない。
生徒たちが普段から扱っている銃器は、見た目も構造も性能も実に多種多様である。
その環境に慣れた彼女たちからすれば、派手な爆発も大きな反動もないラスガンは、少々地味に映るのかもしれない。
しかし、地味であることと、性能が低いことは別問題だ。
むしろ、戦場で安定して使い続けられることこそ、ラスガンが長く運用されてきた理由の一つなのだろう。
そんな空気を察したのか、ウタハが口を開いた。
「先生」
「何?」
「ところで、このラスガン」
「うん」
「電池を使うんだよね?」
「そう書いてある」
「じゃあ」
ウタハは少し笑った。
その笑みを見て、先生は嫌な予感を覚えた。
彼女の頭の中で何かがつながったとき、その発想がどこまで広がるのか、先生はすでに何度も経験している。
「ミレニアムで充電システムを作れば、さらに運用コストを下げられる」
ユウカが振り向いた。
「……!」
「ウタハ」
「何?」
「それ、本当ですか?」
「理論上は」
ユウカの目が輝く。
「やりましょう」
「待って」
「何を?」
「何か大規模な計画が始まりそうな気がする」
ユウカはもう聞いていなかった。
彼女は端末を取り出し、手早く項目を入力し始めた。
「ラスガン二十丁」
「うん」
「追加弾薬」
「うん」
「充電設備」
「うん」
「保守設備」
「うん」
「訓練用ターゲット」
「うん」
ユウカは端末を操作する。
その指は迷いなく動き、画面には次々と予算項目が並んでいった。
「予算案を作ります」
「今?」
「今です」
先生は頭を抱えた。
つい先ほどまで、見慣れない銃の試射をしていただけだったはずなのに、いつの間にか武器調達計画の話にまで発展している。
しかも、その中心にいるのは、銃器の専門家でも戦術家でもなく、予算管理を担当するユウカだった。
すると、ノノミが箱の中を覗き込んだ。
「あれ?」
「どうした?」
「先生」
「うん?」
「まだ武器があります」
「……」
その一言で、訓練場にいた全員の視線が箱へと向いた。
ラスガンが収められていた箱の奥には、さらに別の武器が入っていた。
細長い銃。
ラスガンとは異なる形状の銃身。
機関部には青白い発光部分が設けられ、外装の各所には、熱を逃がすためと思われる構造が見て取れた。
その姿からは、先ほどのラスガンとは明らかに異なる性質が感じられる。
何より、説明書の警告表示が目を引いた。
先生は嫌な予感を覚えながら、説明書を確認する。
そこには、簡潔にこう記されていた。
PLASMA GUN
「……」
ウタハの目が輝いた。
先ほどまでラスガンの構造を観察していた彼女の視線が、今度はプラズマガンへと吸い寄せられる。
その表情は、先ほどよりもさらに危険なものになっていた。
「先生」
「ダメ」
「まだ何も言ってないよ」
「絶対にダメ」
「でも」
「ダメ」
「少しだけ」
「ダメ」
「分解を――」
「ダメ!」
シャーレに先生の声が響いた。
訓練場の空気が一瞬だけ静まり返る。
ウタハは不満そうに口を尖らせたが、さすがに先生の目が本気であることは理解したらしい。
もっとも、彼女の視線は依然としてプラズマガンから離れていなかった。
一方、その横では、ユウカが黙々とラスガンの購入計画を立てていた。
プラズマガンへの興味よりも、ラスガンの費用対効果のほうが、今の彼女にとっては重要だったのである。
こうして、キヴォトスにおけるラスガンの評価は決まった。
圧倒的な破壊力で注目を集めたボルトガンとは異なり、ラスガンは実用性と信頼性、そして経済性によって受け入れられた。
派手な爆発も、巨大な弾薬も必要としない。
ただ、狙いを定め、引き金を引けば、光線が飛び、標的を撃ち抜く。
その単純さこそが、この銃の強みだった。
「安い。軽い。壊れにくい。便利。」
そしてその日の夕方。
ユウカはシャーレの武器庫に一枚の張り紙を貼った。
その紙には、シャーレに持ち込まれた武器の評価が、実に分かりやすい形でまとめられていた。
【シャーレ武器庫・暫定価格表】
ラスガン
★★★★★
「経済的」
ボルトガン
★★☆☆☆
「強いけど高い」
ボルトピストル
★★★☆☆
「強いけど弾が高い」
チェーンソード
★☆☆☆☆
「工具ではありません」
プラズマガン
使用禁止
「ウタハ先輩が触ろうとするため」
先生はその張り紙を見て、しばらく黙っていた。
武器の性能を評価する表なのか、予算管理の資料なのか、それともウタハへの警告文なのか。
もはや、どれが本来の目的なのか分からない。
「最後のやつ、武器の評価じゃないよね?」
と呟いた。
しかし、誰も答えなかった。
なぜならその頃、ウタハはプラズマガンを前にして、説明書と本体を交互に見比べながら、どうにかしてその構造を理解できないかと考えていたからである。
もちろん、彼女が新たなプラズマガンを設計しようとしているわけではない。
そこにあるのは、未知の技術で作られた完成品を前にした、純粋な技術者としての好奇心だった。
そして先生は、その好奇心がいつか規則を突破してしまうのではないかと、今から頭を抱えていた。
――第三話へ続く。