キヴォトスにウォーハンマー40kの世界の武器がやってきた!   作:eriza7170

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第二十二話 戦車の教習所

 

 

朝。

 

シャーレ地下格納庫。

 

「……」

 

先生は。

 

巨大な戦車を見上げていた。

 

レマン・ラス戦車。

 

昨日まで。

 

武器庫の中に。

 

こんなものがあるとは。

 

誰も知らなかった。

 

先生。

 

「……」

 

「どうしてこうなったんだろう」

 

隣。

 

ユウカ。

 

「先生」

 

「うん?」

 

「私も知りたいです」

 

「……」

 

「どうしてシャーレの地下に戦車があるんですか?」

 

「僕も知らない」

 

「ですよね」

 

レマン・ラスの前。

 

シロコ。

 

ネル。

 

ミカ。

 

ヒナ。

 

カリン。

 

アカネ。

 

ウタハ。

 

全員。

 

整列。

 

先生。

 

「……」

 

「なんで整列してるの?」

 

ネル。

 

「戦車教習だから」

 

先生。

 

「……」

 

「誰が教習するの?」

 

全員。

 

「先生」

 

先生。

 

「……」

 

「僕も戦車運転したことないよ」

 

沈黙。

 

ネル。

 

「……」

 

ミカ。

 

「……」

 

ヒナ。

 

「……」

 

シロコ。

 

「……」

 

先生。

 

「だから」

 

「今日は」

 

「まず安全確認だけ」

 

ネル。

 

「えー」

 

先生。

 

「えーじゃない」

 

ウタハが。

 

車体を調べる。

 

「動力系統」

 

「正常」

 

「燃料系」

 

「正常」

 

「通信」

 

「正常」

 

「砲塔旋回」

 

「……」

 

ウタハが。

 

スイッチを確認。

 

「正常」

 

先生。

 

「……」

 

「本当に動くんだ」

 

ウタハ。

 

「動きます」

 

先生。

 

「怖いな」

 

アカネ。

 

「先生」

 

「うん?」

 

「清掃は完了しました」

 

「ありがとう」

 

「車体内部も清掃済みです」

 

「助かる」

 

アカネは。

 

嬉しそうに。

 

「こういう大きな機械を掃除するのは」

 

「うん」

 

「とても楽しいですね」

 

先生。

 

「……」

 

「アカネ」

 

「はい」

 

「普通の掃除機は?」

 

「もちろん使います」

 

「……」

 

「戦車の掃除も好きです」

 

「そう」

 

「はい」

 

ヒナ。

 

「先生」

 

「うん?」

 

「操縦席」

 

「見てみる?」

 

「はい」

 

先生が。

 

ハッチを開ける。

 

ガコン。

 

内部。

 

狭い。

 

計器。

 

レバー。

 

通信装置。

 

複雑な操作系。

 

ヒナ。

 

「……」

 

「かなり複雑ですね」

 

先生。

 

「そうだね」

 

ネル。

 

「俺にも見せて」

 

「はい」

 

ネルが。

 

中を見る。

 

「……」

 

「これ?」

 

「うん」

 

「これが?」

 

「操縦装置」

 

ネル。

 

「……」

 

「思ったより普通だな」

 

先生。

 

「普通じゃないよ」

 

「そう?」

 

「これは戦車だよ」

 

「でも」

 

ネル。

 

「レバーあるし」

 

先生。

 

「……」

 

「それはそうだけど」

 

シロコが。

 

運転席を見る。

 

「……」

 

「先生」

 

「うん?」

 

「私」

 

「うん」

 

「これなら運転できそう」

 

先生。

 

「どうして?」

 

「自転車と同じ」

 

先生。

 

「全然違う」

 

シロコ。

 

「……」

 

「前に進む」

 

先生。

 

「それだけで同じ扱いしないで」

 

ミカ。

 

「先生!」

 

「何?」

 

「私も!」

 

「……」

 

「乗りたい!」

 

「分かった」

 

「やった!」

 

先生。

 

「ただし」

 

「うん!」

 

「まだ動かさない」

 

「……」

 

ミカ。

 

「分かった」

 

全員。

 

操縦席を見る。

 

そして。

 

先生。

 

「……」

 

「じゃあ」

 

「一番簡単な操作から」

 

エンジン。

 

起動。

 

ゴォォォォォ……

 

巨大なエンジン音。

 

格納庫全体が。

 

震える。

 

ドドドドドド……

 

ネル。

 

「……」

 

ミカ。

 

「……」

 

ヒナ。

 

「……」

 

シロコ。

 

「……」

 

先生。

 

「……」

 

ユウカ。

 

「……」

 

全員。

 

圧倒される。

 

先生。

 

「……」

 

「やっぱり」

 

ネル。

 

「うん」

 

「デカいな」

 

レマン・ラス。

 

ゆっくり。

 

履帯が動く。

 

ギギギギ……

 

車体が。

 

数センチ。

 

前へ。

 

ゴゴ……

 

停止。

 

全員。

 

沈黙。

 

先生。

 

「……」

 

「動いた」

 

ミカ。

 

「動いた!」

 

ネル。

 

「やった!」

 

シロコ。

 

「……」

 

「思ったより滑らか」

 

ヒナ。

 

「重量の割に」

 

「うん」

 

「操作性は悪くないですね」

 

先生。

 

「……」

 

「本当に?」

 

ウタハ。

 

「補助システムが優秀です」

 

先生。

 

「なるほど」

 

そして。

 

問題。

 

誰が運転するか。

 

ネル。

 

「俺」

 

ミカ。

 

「私!」

 

シロコ。

 

「私」

 

ヒナ。

 

「……」

 

カリン。

 

「私も経験してみたいです」

 

アカネ。

 

「整備の参考になります」

 

ウタハ。

 

「データを取りたい」

 

先生。

 

「……」

 

「多すぎる」

 

先生。

 

「じゃあ」

 

「一人ずつ」

 

「短時間」

 

「低速」

 

「砲塔は固定」

 

「武装は使用禁止」

 

「分かった?」

 

全員。

 

「はい!」

 

最初。

 

ネル。

 

「……」

 

操縦席。

 

先生。

 

「ゆっくり」

 

「分かってる」

 

レバー。

 

少し。

 

前へ。

 

ゴゴゴゴ……

 

戦車。

 

動く。

 

ネル。

 

「……」

 

「おお」

 

さらに。

 

少し。

 

前へ。

 

ゴゴゴゴゴ……

 

ネル。

 

「……」

 

「楽しい!」

 

先生。

 

「速度出しすぎない!」

 

「分かってる!」

 

戦車。

 

ゆっくり。

 

曲がる。

 

そして。

 

停止。

 

ネル。

 

「……」

 

「これ」

 

先生。

 

「うん?」

 

「すげぇな」

 

「何が?」

 

「俺」

 

「うん」

 

「戦車運転できる」

 

先生。

 

「……」

 

「そうだね」

 

ネル。

 

「……」

 

「なんか」

 

「うん」

 

「すげぇ」

 

次。

 

シロコ。

 

操縦席。

 

「……」

 

先生。

 

「ゆっくり」

 

「うん」

 

戦車。

 

発進。

 

ゴゴゴゴ……

 

シロコ。

 

「……」

 

「安定してる」

 

先生。

 

「うん」

 

「曲がる」

 

ギギギ……

 

停止。

 

「……」

 

先生。

 

「上手い」

 

シロコ。

 

「……」

 

「銀行強盗にも使えそう」

 

先生。

 

「使わない」

 

シロコ。

 

「……」

 

「分かった」

 

次。

 

ヒナ。

 

操縦席。

 

「……」

 

エンジン。

 

起動。

 

発進。

 

ゴゴゴゴ……

 

非常に。

 

安定している。

 

先生。

 

「……」

 

「上手い」

 

ヒナ。

 

「ありがとうございます」

 

「初めてだよね?」

 

「はい」

 

「……」

 

「なんで?」

 

ヒナ。

 

「?」

 

「なんでそんなに上手いの?」

 

ヒナ。

 

「普通に操作していますが」

 

先生。

 

「普通ではない」

 

次。

 

ミカ。

 

「私の番!」

 

先生。

 

「ゆっくり」

 

「分かってる!」

 

エンジン。

 

起動。

 

ゴォォォォ……

 

発進。

 

ゴゴゴゴゴ……

 

ミカ。

 

「楽しい!」

 

先生。

 

「ゆっくり!」

 

「うん!」

 

少し。

 

速くなる。

 

先生。

 

「ミカ!」

 

「大丈夫!」

 

「止まって!」

 

「分かった!」

 

ブレーキ。

 

ギギギギッ!!

 

停止。

 

先生。

 

「……」

 

ミカ。

 

「……」

 

「ごめんなさい」

 

先生。

 

「……」

 

「次からもう少しゆっくりね」

 

「はーい」

 

ユウカ。

 

「先生」

 

「うん?」

 

「燃料消費」

 

「……」

 

「かなり多くないですか?」

 

先生。

 

「……」

 

「そうだね」

 

「戦車ですよ?」

 

「そうだね」

 

「これ」

 

ユウカ。

 

「一日動かしたら」

 

「……」

 

「いくらかかるんですか?」

 

先生。

 

「……」

 

「考えたくない」

 

ユウカ。

 

「私もです」

 

その後。

 

戦車教習。

 

午前。

 

終了。

 

全員。

 

満足そう。

 

先生。

 

「……」

 

「なんでみんな」

 

「こんなに戦車に馴染んでるんだ」

 

ヒナ。

 

「キヴォトスですから」

 

先生。

 

「それで説明できるの?」

 

ヒナ。

 

「たぶん」

 

先生。

 

「……」

 

「便利だね」

 

昼。

 

格納庫の隅。

 

昼食。

 

ネル。

 

「戦車の中で食う飯」

 

「うん」

 

「なんかうまいな」

 

ミカ。

 

「分かる!」

 

シロコ。

 

「……」

 

「砲塔の上で食べたい」

 

先生。

 

「危ない」

 

シロコ。

 

「……」

 

「じゃあ中」

 

先生。

 

「それなら」

 

アカネ。

 

「戦車内食堂も作れますね」

 

先生。

 

「作らない」

 

アカネ。

 

「……」

 

「便利だと思いますが」

 

先生。

 

「戦車は食堂じゃない」

 

その時。

 

ドン。

 

遠くで。

 

大きな音。

 

全員。

 

「……?」

 

先生。

 

「何?」

 

ウタハ。

 

「格納庫の奥です」

 

先生。

 

「……」

 

「何か動いた?」

 

ウタハ。

 

「可能性があります」

 

先生。

 

「……」

 

全員。

 

立ち上がる。

 

奥へ。

 

歩く。

 

レマン・ラスの後ろ。

 

巨大な布。

 

その下。

 

さらに。

 

巨大な車体。

 

ウタハ。

 

「……」

 

「ここです」

 

先生。

 

「……」

 

布を。

 

少し。

 

めくる。

 

そこから。

 

見える。

 

巨大な履帯。

 

先生。

 

「……」

 

ネル。

 

「また戦車?」

 

ウタハ。

 

「違います」

 

先生。

 

「……」

 

「違う?」

 

布を。

 

さらに。

 

めくる。

 

そこには。

 

装甲兵員輸送車。

 

側面。

 

文字。

 

CHIMERA

 

ネル。

 

「……」

 

「戦車じゃない?」

 

先生。

 

「うん」

 

ヒナ。

 

「兵員輸送車ですね」

 

ミカ。

 

「じゃあ」

 

「うん?」

 

「みんなで乗れる?」

 

先生。

 

「……」

 

「そういう問題じゃない」

 

さらに。

 

隣。

 

布。

 

バサッ。

 

そこには。

 

巨大な砲。

 

車体。

 

長い砲身。

 

ネル。

 

「……」

 

「これも?」

 

先生。

 

「……」

 

ウタハ。

 

「Basilisk」

 

先生。

 

「……」

 

「自走砲」

 

ネル。

 

「……」

 

「つまり」

 

先生。

 

「うん」

 

「戦車じゃないけど」

 

「うん」

 

「砲が付いてる」

 

「そう」

 

ネル。

 

「……」

 

「ほぼ戦車じゃん」

 

先生。

 

「違う」

 

さらに奥。

 

巨大な影。

 

あまりにも大きい。

 

レマン・ラスが。

 

小さく見えるほど。

 

先生。

 

「……」

 

「何?」

 

ウタハ。

 

「……」

 

「これは」

 

ヒマリが。

 

いつの間にか。

 

後ろにいた。

 

「……」

 

「先生」

 

「……」

 

「これは」

 

先生。

 

「何?」

 

ヒマリ。

 

「非常に」

 

少し間。

 

「大きいです」

 

先生。

 

「見れば分かる」

 

布。

 

少しだけ。

 

めくれる。

 

見える。

 

巨大な装甲。

 

砲塔。

 

副砲。

 

さらに。

 

複数の武装。

 

そして。

 

車体側面。

 

巨大な文字。

 

BANEBLADE

 

先生。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

ユウカ。

 

「先生」

 

「うん」

 

「これは」

 

「……」

 

「何ですか?」

 

先生は。

 

しばらく。

 

答えなかった。

 

そして。

 

小さく。

 

「……」

 

「戦車」

 

ネル。

 

「レマン・ラスより?」

 

先生。

 

「ずっと」

 

ミカ。

 

「強い?」

 

先生。

 

「ずっと」

 

シロコ。

 

「大きい?」

 

先生。

 

「ずっと」

 

ネル。

 

「……」

 

「乗りたい」

 

先生。

 

「ダメ」

 

ネル。

 

「なんで!?」

 

先生。

 

「まず」

 

「うん」

 

「これ」

 

先生。

 

巨大な車体を見る。

 

「どうやって外に出すんだよ」

 

全員。

 

「……」

 

沈黙。

 

確かに。

 

格納庫の出口より。

 

明らかに。

 

大きい。

 

ユウカ。

 

「……」

 

「先生」

 

「うん?」

 

「まさか」

 

「……」

 

「この格納庫」

 

「うん」

 

「車両を出すための出口」

 

「……」

 

「別にあるんじゃないですか?」

 

先生。

 

「……」

 

ウタハ。

 

「その可能性は高い」

 

先生。

 

「……」

 

「探す?」

 

ネル。

 

「探そう!」

 

先生。

 

「……」

 

ミカ。

 

「探そう!」

 

ヒナ。

 

「探しましょう」

 

シロコ。

 

「……」

 

「行こう」

 

先生。

 

「……」

 

「全員やる気だな」

 

全員。

 

「はい!」

 

先生。

 

「……」

 

「分かった」

 

格納庫の奥。

 

さらに。

 

巨大な扉。

 

その先。

 

何が待っているのか。

 

先生たちは。

 

まだ知らない。

 

しかし。

 

一つだけ。

 

確かなことがあった。

 

シャーレ地下に眠っていたのは。

 

単なる武器庫ではない。

 

そこには。

 

帝国の軍事基地そのものが。

 

少しずつ。

 

姿を現し始めていた。

 

――第二十二話・終。

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