没予告版も出したんだから書かなきゃなって
本編とはまた別の分岐点からのお話し
ゼッツ劇場版の展開ネタバレになりそうだからまだ見れてない人がいたらごめんね?
割れてしまったホロウィッチボトルを握り、身体中に走る痛みを耐え、必死に止めようとするも目の前で立ち上がったクロヱが振り返りながら告げる。
『かなた先輩には今まで何度も救われてきた……今度は、沙花叉が救う番なんですよ……!』
手を拡げかなたを庇うようにして前に立つクロヱ。その右手に握られたホロウィッチボトルはかなたの物と同じく刀で切り裂かれたように割れていた。
溢れるホロの輝きの向こう、ゆっくり一歩ずつ
ムラサメマルが上に振り上げられるのをただ見る事しかできず、クロヱが微笑んだと同時に刀が振り下ろされ、クロヱの身体が光へと変わり消えてしまう。
必死に伸ばした手が掴めたのはクロヱの手ではなく、
『沙花叉ァァァァァァ────ッ!!!』
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かなたが激しく飛び上がるように目覚めてから、全力で走り抜けた後のような疲労感が全身を包み込み、心臓が破裂してしまいそうな程に激しく脈打つ。
目覚めて予知夢であった事に安堵し、いずれ訪れるであろう未来に絶望しそうになる。
まだやれるのか? まだやらなきゃなのか?
気づかなかった時ですら最後に庇って助けてくれた。
気づいた時は一緒に肩を並べて戦ってくれた。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
クロヱはかなたを助けに現れ消されてしまう。
もう一度眠り予知夢を見ようとするも少し開いたカーテンの隙間から青い光が世界を照らし、スマホの中に入れていたアプリ『ホロキャス』にノイズが走る。
動画配信を視聴し、楽しむ為に作られたアプリが現実世界と仮想世界を融合させ、世界の歪みを観測し正す為としてのアプリ『ホロアース』へと変わってしまった。
「……時間切れみたいだね」
スマホを確認し、PPと書かれた青いTシャツを脱ぎ捨て着替えると、部屋のドアがそーっと開かれこなたが顔を覗かせかなたが起きている事を確認して部屋に入りかなたの手を握る。
「……おねぇちゃん、本当に?」
今にも泣いてしまいそうなこなたの瞳に思わず決意が鈍りそうになるも、首を振り絞り出すようにうなづき
「もうこれしか方法はないみたい……こうなったら僕が」
「だったら! こなたも手伝うよ! おねぇちゃんだけにつらい思いをさせるなんてやだもん! 家族なんだから!」
「こなた…………うん、分かったよ。手伝ってくれる?」
「任せてよ! どうしたらいいの?」
「だったらまず一番に動いてくれるあずちゃんところさんを……」
これから起こるであろう予知夢に向けてかなたとこなたは2人で緻密に計画を積み上げていく。既に引き鉄に指は添えていた。守りたい、失わない、躊躇わない為に。そして、
世界を変える撃鉄を
ドガァァァァ──────ン!!!!!
『えー、本日午前10時4分COVER株式会社ホロライブ事務所が何者かの手により爆破されました』
モニターに繰り返し映し出される爆発するCOVER事務所
『犯人は分かっておらず現在も警察による捜査が行われて、え? 声明が届いた!? 映像変わります!』
映像が切り替わり、壁に大きくかなけんと書かれた暗闇の中、椅子に座り項垂れていた人物……かなたの声をマイクが拾う。
『これは全て僕の犯行だ……』
項垂れていた頭を上げカメラに目線を向け、睨むように続ける。
『僕たちは目を覚さなければならない……』
街ゆく人達のスマホにもノイズが走りホロキャスがホロアースへと改変されていく。
『だから僕たちは決意した……』
まるで初めからそうだったように誰も異変に気づかず、ただ街頭やスマホで流されるかなたの独白を面白可笑しく笑ったり、野次を飛ばしたりと気にも止めず日常の中に消えていく。
『この世界と戦う事を!』
かなたが拳を握りカメラを殴りつけると画面が砕け映像が止まる。再び切り替わるとCOVER事務所が爆発する映像にテロップが追加され放送される。
『犯人はかなた建設社長かなた』
「っ!!」
映像を見ていた人物がその場から駆け出し、かなたを探しに街を駆ける。深めに被っていたパーカーのフードが外れるのも構わずに。
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「はぁ……はぁっ……! はぁっ……はぁ……」
走り続け、建物の間の影に身体を隠し、壁に背をつけ座り込むかなた。
スマホを取り出し時間を確認するも1時間も経っておらず、何度も寝直した疲れからくる身体の不調を嘆く暇もなく、再び走り出そうとするとその声は聞こえた。
「ちょっと〜? な〜にやってんですか? かなたせんぱ〜い?」
「沙花叉……」
上から覗きこむように見つめるクロヱの瞳と目が合うと、全てを見透かされそうで思わずかなたが目を逸らす。
そんなかなたをいつもの照れ隠しだと思ったのかクロヱが日の当たる道路から一歩踏み出し、影の中、かなたの隣に並ぶ。
「見ましたよー! あの事務所爆発したって! も〜今まで何回爆発してんだって話ですよねー! ほら、ちゃちゃっと直しに行きましょうよ!」
「…………」
「ひょっとして〜? 警察呼ばれちゃってびびちゃったんですか〜? しょーがないなぁ! 沙花叉も一緒に謝ったげますって! かなけんの仕業? なら沙花叉これでも副社長ですし?」
「……ッ!」
「かなた先輩……?」
差し出されたクロヱの手を思わず取って逃げてしまいそうになる。
でも、それはできない。
逃げた先で経験した予知夢で犠牲になってしまったのはクロヱだけじゃない。
マリンとルーナ、みこやフブキにラミィも守り切る事ができなかったから。
「ごめん……大丈夫だから」
「いやいやいや! そんな今にも倒れそうな顔して何言ってんですか! わっかりましたよ〜今だけ特別に膝枕くらいならっ!?」
掴んだ手を振り払われ驚くクロヱを他所に、かなたが懐からホロウィッチボトルを取り出し光輝くと同時に姿が変わる。
ホロの輝きがかなたの翼を輝かせ大きくなり、何色にも染まらない純白の衣装を身に纏った魔法少女かなたの姿がそこにあった。
「なんで……? アエルやラグもいないのにどうやってホロウィッチに……!?」
「それは……僕が、いや、沙花叉にだけは言えない!」
「はぁ!? それどういう意味って、あーも! だったら沙花叉だって……!」
建物の屋上目指して飛ぶかなたを見てクロヱもホロウィッチボトルを取り出し、ボトルの中のホロが輝いているのを確認し、想いを込める。
光が収まりクロヱが自分の身体を見回し、その場で何度か飛び上がり確かめるも間違いなくあの頃のコラプサーと戦っていた、かっての魔法少女クロヱの姿だった。
「ほんとに変身できちゃった……いや、今はそれよりも!」
ホロウィッチに変身したおかげで建物を軽やかに飛び超え、屋上まで辿り着くと上空から見下ろすかなたと目が合う。
「やっぱりそうなっちゃうんだね……沙花叉のおばか」
「こうなったら何が何でも聞いてやりますよ、このわからずや!」
空を飛び雲を裂く程の速さで飛び出すかなた。それを追いかけ建物から建物へ走り、飛び、駆け抜けるクロヱ。
かなたが後方を確認し、クロヱが着地しようとした瞬間腕を振るうと上から巨大なお肉の塊がうなづきながら落ちてくる。
「ッ!」
突如現れた肉にクロヱが驚くもオルカスロットエッジを振り抜きお肉を切り刻むと再びかなたが腕を振るい、巨大なマイクが何処からともなく現れ横に転がりながらクロヱに迫る。
それを見たクロヱがオルカスロットエッジの持ち手のスイッチを押し、ホロを込め拳を突き上げると同時にスロットが止まり音楽が鳴り響く。
1 1 1 ピンゾロパワー!
弾き返された巨大なマイクが迫るのを見てその場で向きを変え、かなたが腕を振るうと当たると思われたマイクが消えた事でクロヱが確信し、かなたに尋ねる。
「ここは確かに現実……なのになんで配信の時みたいに素材を出せたり、消したりできるんですか?」
「……だから、沙花叉には言えないって言ってんでしょうが!」
かなたが手を合わせ叩き鳴らすとクロヱが立っていた建物が崩れ、足元からぐんぐんと大きくなるうぱおが右腕を突き上げるようにして飛び出してくる。
うぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「はぁ〜!? いや、それなら……! こい、イヌ!」
きゃうぅぅぅぅぅぅぅん!!?
突然の呼び出しに驚けばいいのか喜べばいいのか迷いながらも地面から飛び出したイヌがクロヱをおでこに乗せ涙を流す。呼び出せちゃったクロヱも懐かしい感触に思わずおでこを撫で久しぶりの再会を済ませると、うぱおの影に隠れたかなたの方向を向き
「あーもー泣かないの! 忘れてないってば! それよりちょっと手伝って欲しいんだけどいい?」
きゃ!? きゃんきゃん!!
「なんて言ったか分からんけどヨシ! いっけぇー!」
きゃきゃ!? きゃうん……
うぱうぱ……
うぱおを飛び越えられる距離まで近づきイヌを足場に飛び出すもそこにかなたの姿はなく、地面に着地し振り返るとイヌを撫でこちらに手を振るうぱおとイヌがゆっくりと消えていくのを見てクロヱが呟く。
「……かなた先輩の胸無しあほゴリラー!!! ばーか!」
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「はぁ……はぁ……はぁっ……!! こ、ここまでは追いかけてこないよね……?」
「こなたちゃーん大丈夫? はい、お水! 飲んで飲んで!」
「あ、ありがとうございますころねさ、ん!? ごほっごほっ!」
胸に手を当て息を整えているこなたの前に差し出された水を飲みお礼を言うと、渡してくれた相手が逃げていた相手ころねである事に驚き、思わず咳き込むところねが優しく背中を摩り
「大丈夫こなたちゃん!? ほれ、深呼吸してひーひーふ!」
「ひ〜ひ〜ふ〜! ……ってそれ違うやつじゃないですかぁ」
「ちょっとかなたと比べたらパンチが弱いんだよなぁ……で、かなたは何処行ったのかな?」
「ええっとそれはちょっと……言えなくって!?」
再び逃げようとしたこなたの前に突然現れたゲッサーピン。そこに目掛けて飛び込み、大地を割るようにしながら着地するAZKi。その表情は笑顔だがそこに込められている圧力は凄まじくまるで魔王に出会ったみたいだなところねは思った。
「こなたちゃん? あずき達に話したいこと……あるよね?」
「な、何もないですよあずきさん! こなたもおねぇちゃんも何も隠しごとなんてしてないですぅ……!」
手をあわあわと振るわせ、迫る圧力に思わずぺたりと座り込んでしまうこなた。
AZKiがこなたの肩に手をぽんっと置きニガサナイようにすると耳元に近づき
「あずきは話したいことがあるって聞いただけなんだけど……隠しごとがあるなんてこなたちゃんも悪い子だねぇ?」
「ひゃう……! そ、それは……!」
「どうしてここは現実なのに配信の時みたいにあずき達の思ったどおりの事が出来るのかなー? ね、ころさん?」
「そうだよ! こぉねなんて思っただけでこぉねパパになっちゃったり、顔がパンパンパンになったりして大変なんだから!!」
ころねが話しながら顔が漢になったり、パンになったり1人百面相をしてる間にこなたは腕時計を確認し、観念したように話しだす。
「こんな世界になっちゃったのは……かなたちゃんが! ホロアースの世界を創り上げたからなんですぅ!」
AZKiところねが同時に顔を見合わせ首を傾げ
「「ホロアース???」」