転生したらフィジギフ持ちだったので、気ままに第七王子を護ります 作:とつげきぃぃぃ
「マジカル☆鉄山靠!!……なんちゃって。」
全身の体重を乗っけた体当たりを受けて、胸骨とかを目で見ても分かるほどにへこませて、壁へと勢いよく吹き飛ばされるていくオークの一匹。
うへ~、思ってたよりも肌触りが気持ち悪いなぁ。
さてさて。
今回のマジカル八極拳Ver.天与呪縛のフィジカルギフテッド持ち転生者である僕に立ち向かってくれるのは〜……僕の全身より数倍も大きなこん棒を握りながら、こっちに迫ってきてるオークくんたちでーす。
マジカル八極拳は人体破壊の極致を求めた武術だから……相手が人の形でいてくれると、殺りやすくて助かるねぇ。
「八極拳式…マジカル☆飛び蹴りッッッ!!」
足の先っぽに全身のすべての力とか体重を乗っけるという愉悦部秘伝の高等技術を使われている飛び蹴り。
それを現代最強をも圧倒できる身体能力で行えば~…なななんと!!
オークくんの上半身が跡形もなく弾け飛んじゃいましたねぇ。
「へいへ~い。少しは根性を見せてくださいよ、オークくぅん。」
どこぞのフィジギフ持ちもびっくりな身体能力を持ってる第七位の超能力者ほどじゃあないけど、根性もある程度は大事なものだと僕は思うんだよねぇ。
僕と戦おうとするヤツは最初は意気揚々としながら挑んでくるのに、なぜかすぐにやる気をなくしてしまう。
別に戦闘が好きってわけじゃあないけど…つまらないんだよね。
だってそうだろう?
相手がやる気もないのに挑んできたら、ほんとは楽しいものも楽しめなくなってしまう。
戦闘だろうとなんだろうと、楽しめるものなら最大限楽しみたいじゃないか。
「うーん…少しばかり、趣向を変えてみましょうか。」
魔術はたしかに使ってみたいけど、この肉体があれば下手な魔術師よりも圧倒的にすごいことができるだろう。
だけど純粋な肉体でのごり押しは、相手が雑魚なら楽しくない。
ああいうのはさ、少なからず拮抗してるヤツにやるからワクワクするの。
お分かり?
チートガン積みで異世界に放り出されたとして、そのチートすべてを込めてどこにでもいるような雑魚いスライムを倒したとしても、なんにも楽しくないでしょ?
まぁそういうことだよ。
と、関係ない話をぺらぺらとしすぎちゃったかな?
僕がこれから何をやるのか。
それを簡単に言い表すのなら、前世の用語でいうところの魅せ技というやつだ。
ただ周囲を…観客を飽きさせないためだけにやるような実用性はまったく存在しない攻撃方法。
僕ってば、こういうのは殺される心配のない雑魚敵でしか実践しようと思えないんだよね。
まぁ今までに僕と渡り合えるような相手と出会えたことは数回程度しかないんだけど。
余談ではあるが、渡り合える相手と出会えた時は僕の肉体があまりにも幼かった頃。
肉体がある程度は完成してきている今じゃあ、出会えることはそうそうないだろうね。
おっと、またまたどうでもいいことを語っていてしまってた。
いやぁ、申し訳ないね。
……僕は、いったい誰に謝ってるんだろう?
「マジカル☆…震脚っ!!」
実際のところは、震脚要素なんてそこまで存在しないわけだけど…まぁいっか。
適した技名を考えるのもめんどくさいし。
周囲の地面に鎮座していた無数の岩が、僕の足の踏みつけから放たれた衝撃によって、宙へと放り出される。
さて、僕がここから何をするのか。
頭の良い人なら、すでに分かってくれていると思いたい。
宙に浮いている岩を蹴って、さまざまな方向から無数の攻撃を加える─────だなんてことは、まずあり得ない。
だってめんどくさいし、連続攻撃を放とうとしてもうっかり一撃でとどめを刺しちゃうし。
連続攻撃っていうのはねぇ…火力のない人がやるような攻撃手段なんだよ?
僕は身体を捻り……オークくんたちの方向へ、掠りもしない回し蹴りのモーションを取った。
瞬間、ここが嵐の渦中だと錯覚してしまうほどに強く吹き荒れる突風。
それらは数十キロはありそうな岩たちをオークたちのほうへと、大砲から放たれた弾丸のように飛ばしていく。
「んー…四十点くらいですかね?隕石みたいに空から墜とせたのなら、もう少しかっこよくなったとは思いますけど…魔術が使えないから、まぁ無理がありますよねぇ。」
ところで、だ。話が少しばかり変わるんだけれども────
「いきなり僕の後ろに現れた貴方はいったい誰なんですかね?」
戦闘中にいきなり…ほんとに突然、まるで転移してきたかのように僕の背後へと気配を表した存在。
気配のするほうへ目を向けると、腰あたりまで伸びている純黒の髪が特徴的な青年が、尻もちをつきながら信じられないようなものを見る目で僕のことを見つめていた。