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宇宙探偵556
ケロロ軍曹の幼馴染で宇宙刑事の試験に落ち続けた為に私立探偵として起業して妹ラビーと共にペコポンにやってきた愛と平和とカラーボックスとそして暑苦しさに溢れた戦士である
「アランがいなくなっただって!?」
556の目の前に涙ぐむ少年はかつて556に猫のアランを探して欲しいと依頼してきた
その時556は宇宙風邪に感染していて他人を556化させる恐怖の556ハザードを巻き起こしながらどうにかアランを捕獲して宇宙風邪も友人であるケロロと妹ラビーの中にいた善玉菌だが感染するとラビーみたいに謝り続けるラビー菌のおかげで完治した
「うん…風邪気味だから病院に連れて行こうとしたら逃げ出しちゃったんだ…。お願い!アランを見つけて!」
「任せるんだ少年!アランは必ずキミの元へ届けよう!行くぞラビー!」
「うん!お兄ちゃん、また猫缶を買わないと……」
「そうだな!では少年!行ってくるぜ!ドゥーッ!はーはっはっはっは!」
そうして無駄にジャンプしてダッシュしていく556を追いかけながらラビーも少年に何度も頭を下げてから追いかける
「兄がうるさくてすみません!失礼します!すみませんすみません!」
そして去っていく2人を見送り少年はふと鼻がムズムズとする
アランの風邪が移ったのだろうか?
そして
「は……は……っ」
くしゃみをしようとして手を鼻に向
けないで両腕を腰に当てて胸を張りそして
「はーはっはっはっは!」
………………
…………
……
その日、ドロロと小雪が街で見廻りをしていると
「ドロロ、あれ見て!」
「ん?…!?あれは556殿にラビー殿!」
そう道端に556とラビーが倒れているではないか
そして556の両手には丸々とした猫が掴まれて暴れている
「にゃーっにゃっにゃっにゃ!」
「はーはっはっはっは!ア…アラン、暴れないでくれ!ゴホッ!ゴホッ!」
一切笑顔が変わらず咳き込む様はシュールだがピンチなのは見てわかる
「大丈夫でゴザルか556殿!?」
ドロロ達が駆け寄るとアランは556の手から逃げ出し路地裏へと走っていく
「待て!待ってくれアラーーーーンっっ!!ゴホッ!ゴホッ!!」
「556殿!落ち着くでゴザル!今の某は明らかに只事ではござらん!」
その様子を見て小雪は真っ直ぐ猫を追いかける
「猫ちゃんは私に任せてドロロは556さん達を!」
ドロロは頷き556達を運ぶためにフライングボードを転送する
「小雪殿、あいわかった!」
「ぐっ……」「うぅ……」
556とラビーが俯いて動かない
ドロロは慌てて駆け寄る
「556殿、ラビー殿!今病院に連れていくでゴザル!気をしっかり!」
突如として556とラビーは立ち上がりドロロは思わずたじろぐ
そして
……………………
………………
…………
警戒アラートが日向家に響き渡る
「ちょっとボケガエル!またあんたなんかやらかした!?」
ケロロは夏美に首を絞められ頭を振られている
「グエエ…!ノー!断じてノー!!我輩無実でありまーす!モア殿ー!冬樹殿ー!プリーズヘルプミーでありますぅーーー!!」
「ちょっ姉ちゃん落ち着いて!」
「おじさまー!?てゆーか危機一髪!?」
そこに扉を開けて現れる黄色い影
「んにゃ、隊長…緊急事態だぜぇ?くく」
それはクルル曹長であった
そしてクルルに誘われるままに地下の秘密基地へと移動して作戦司令室に小隊メンバーとモアと日向家姉弟が集合させられる
何故か全員重武装の防護服を着させられて
「で?クルル曹長、状況を報告せよであります」
クルルは「あいよ」と頷きモニターを出す
そこに映ってたのは隔離病棟
そのガラスが貼られた部屋の中央で1人の男が高らかに笑っていた
「はーっはっはっはっは!怠いぞ!寒いぞ!熱いぞ!鼻水が止まらないぞ!ドゥーッ!体が!自由に!動けないぞ!ゴホッ!ゴホッ!!はーっはっはっはっは!!!」
そこにいたのは556、顔を赤らめて一言ごとに決めポーズをキレよくとっている、一見するといつもと変わらないが556、体調悪そう、隔離など複数の要素がケロロの記憶からあの事件を浮上させた
「あっもしかして556の奴また?」
「そ、あんにゃろまた宇宙風邪にかかっちまったのさ」
「でも確かあの時はラビー菌のおかげで助かったであります。ラビー殿は?」
クルルは眉の辺りを顰めて言う
「ククッそこが今回の厄介なポイントさ。ポチッと!」
クルルがスイッチを押すとカメラが動き部屋の奥に場面を変える
「はーはっはっはっは!兄が!迷惑をかけて!すまない!すまない!すまない!はーーっはっはっは!!」
そこにいたのはいつもの彼女ではない、いつも涙ぐんで謝り続ける彼女のイメージとは剥離した自信に溢れた姿
彼女もまた一言ごとにポーズを変えている
「ラビー殿にも感染している…?」
ケロロの呟きに反応したのはドロロだ
「拙者がフライングボードで運ぼうとしたら突然2人とも起き上がって以降はああでゴザル…」
「クルル、なにがどうなってるんでありますか!」
「こいつが原因だ、あの2人から採取した粘膜から発見された」
クルルが場面を切り替えるとそこにいたのは556の顔そのものな菌である556菌、それになんと猫耳が生えているではないか!
「にゃーはっはっはっは!」「にゃーはっはっはっはっ!」「にゃーはっはっはっは!」「にゃーはっはっはっは!」「にゃーはっはっはっは!」
そんな声が聞こえるほどの喧しさに辟易としながらクルルに尋ねる
「これは、変異したのでありますか……アレが……」
「あぁ、そしてこの変異型の発生源は556じゃねぇ。あの時556が捕まえた猫のアランだ」
クルルが図解を出しながら説明する
まず最初に556に取り憑いた宇宙風邪は知的生命体にのみ感染するタイプだった
しかしケロロ達が撃破した親玉菌から溢れ出した子の菌が体内に収まらず体外に放出、大半はラビー菌により死滅したが直接接触した猫のアランにも侵入してそこから死滅することなく状態菌化、徐々に変異していく中でレセプターが外れて“知的生命体にのみ”が壊れて一気に感染してしまったのだ
「こいつがヤベェのは最早誰それ構わず感染させるところだ、そして見てみな今の変異型にラビー菌を投与しても…」
通常であれば一つのラビー菌で一つの556菌が消滅する筈が消滅する瞬間2つに分かれて結果として生き残ってるではないか!
「くくく…これじゃあ対一交換で追いつかねぇよな?ラビーにも感染してるのはこれが原因さ。要はラビー菌に触れた瞬間に同質のクローンを生成してデコイにしてる訳」
そしてクルルは恐るべき予想を立てる
このままではペコポンにいる全ての生物に変異型556菌が取り憑きそれによる暑苦しさで惑星全体がヒートプラネット化最終的に太陽系第二の太陽にすらなり得るという
「ペコポン侵略の手先にされるどころかペコポン崩壊の原因になるって556さん散々ですねぇ…」
ドン引きするタママに同意しつつもギロロはクルルに問う
「で?対策はあるんだろうなクルル」
それに対してクルルは不敵に笑い答える
「もちコース、幸いラビー菌自体はまだ効いている、そして保菌者のラビーもすぐそばにいるからちょっとした遺伝子改造すりゃ対処可能だ。ただし…」
「現在の親玉菌はまだアランの中にいる、そして奴さんまだ変異を続けている。このままだと別モンになって対処が追いつかねぇ。そうすりゃインフルエンザ、コロナに続く普遍的な病になるかもしんねぇな?」
「突然、556さん化する病気が普通になるっていやよそんなの!」
鳥肌を立てて腕を押さえる夏美、だが夏美以外は知っている
前回の事件の際に日向秋とともに真っ先に感染したのが彼女であると
ケロロは気を取り直してクルルに尋ねる
「つまりはその猫のアランを捕まえろって事でありますな?」
クルルは指パッチンして画面を指差す
「そうゆうこった。親玉菌が死ねばその時点でクローンは作れても子は作れねぇ、頭打ちさ。そうすりゃ最新型のワクチンで殲滅できる。今奥東京を囲ってバリアを貼った。今日一日なら情報を誤魔化せる。その間に見つけりゃいい。…だが…」
「少なくてもバリア内の生物は漏れなく感染するから居場所の特定は並大抵じゃねぇ。ドロロ先輩、確か東谷小雪が追っていたよな?」
「左様、だがこの状況ではもう…」
ドロロは悔しさからか拳から血が出る程握りしめている
ケロロはそんなドロロを見てあえて気を遣わず作戦を告げる
「よしっケロロ小隊、第一種非常事態!現在の状況を打破する為に各員散開して猫のアランを捜索せよ!」
ギロロ達はケロロに向かって敬礼をする
「「「了解!」」」
「クルルは早速ワクチンの作成を頼むであります!モア殿はここでオペレーターを頼むであります!冬樹殿と夏美殿も捜索に協力してほしいであります!」
「了解したぜ隊長」
「はい、サポートは任せてください!てゆーか相互扶助?」
「わかったよ軍曹」
「仕方ないからさっさと見つけるわよ!」
ケロロは皆に振り返り悪戯っ子みたいな顔で告げる
「というわけで団結の為にいつものアレ、言っとく?」
ケロロ小隊の面々は頷きそして
「ケロケロケロケロケロケロケロケロ…」
「タマタマタマタマタマタマタマタマ…」
「ギロギロギロギロギロギロギロギロ…」
「クルクルクルクルクルクルクルクル…」
「ドロドロドロドロドロドロドロドロ…」
作戦司令室に共鳴が響き渡るのであった
…………………………
………………
…………
奥東京中を飛び回り猫を追跡する
だがもうそこは地獄絵図に成り果てていた
「「「「「「はーはっはっはっ!」」」」」」
町ゆく人だけではない
犬もカラスも虫ですら何故か仁王立ちして決めポーズをしながら高らかに笑っている
「うわぁなんて暑苦しい…」
『実際に汗などから気温と湿度が急上昇してるぜぇ?今奥東京は熱帯にも匹敵する暑さだ。早く事態を解決しなけりゃ熱中症で亡くなるやつも出てくるぜ』
冗談じゃない
ケロロはフライングボードを操作して路地裏へと飛んでいく
向かう先は宇宙人街である。
だが最早手遅れ、全員感染していた
「…であるからしてポヤン殿にはこの猫がいたら捕まえて欲しいのであります。」
ケロロの説明を聞いて宇宙警察官、ポヤンは決めポーズをしながら言う
「はーはっはっはっは!任せてくれポヤ!この宇宙人街の平和は!宇宙警察!ポヤンが護るポヤ!ドゥーッ!!」
そして宇宙人街を駆け回るポヤンにケロロは同情することしか出来なかった
そしてドロロは小雪を発見する
だが
「はーはっはっはっ!ドロロ!すまない!猫を!見失った!!」
忍び装束のまま道の中央で高らかに笑う小雪にドロロはぎこちない笑顔で告げる
「そうで…ゴザルか小雪殿…、実は隊長達も捜索に協力してくれるから代わりに頼みがあるでゴザル」
「なんだ!?」
「現在日向家で隔離されてる556殿達を見張っていてほしいでゴザル…」
「はーはっはっはっ!任せてくれドロロ!今、行くぜっ!!ドゥーッ!はーはっはっはっはっは!!!」
そうして爆速で走り去っていく小雪をドロロは悔しげに見守ることしか出来なかった
あちこち探しても一向に見つからない
仕方ないので一度司令室に戻り作戦を練り直す
「似た猫ちゃんがいてもなんでも関係なくあちこちに無意味に走り回ってるから追いついて確かめるのも楽じゃないですぅ…」
「このままでは埒が開かないぞ!どうする?」
「えー…我輩もどうすれば…」
あーでもないこーでもないと話してるとクルルが気がつく
「おい隊長、西澤邸から通信がはいってるぜぇ?」
「西澤邸?桃華殿でありますか?繋いで!」
「あいよ」
クルルが通信を繋ぐとそこにいたのは西澤桃華……外ハネが尖っている。彼女の裏人格通称裏桃華だ
「おいタマ公、聞こえてる…か…」
タママが叫ぶ
「モモッチ!?どうしたんですぅ!?」
冬樹も続く
「西澤さん!?」
裏桃華は苦しげだがニヒルに笑う
「あぁ…冬樹くん…無事でよかったぜ…おいケロ公」
「桃華殿、何が…」
「ぐ…てめぇら変な猫探してねえか?」
「そうであります!何か知ってるのでありますか!」
「俺んちに閉じ込めている…ゴホッ…」
「なんと!」
「あのやたらウルセェクソ猫が入ってきてそこから使用人たちが次々とおかしくなっちまった…俺やポール達は司令室に閉じこもって…外の様子を見て確信したアイツが原因だとな……」
「だから屋敷中のシャッターを下ろして逃げられねぇようにしといたぜ…ぐぅぅ…」
苦しげに胸を押さえてうずくまる桃華に冬樹は心配そうに声をかける
「西澤さん!大丈夫!?西澤さん!!」
「密閉状態にしたらどうやら空気から感染しちまったらしくてな…表の俺が感染して俺が今無理やり体を動かしてる……後はテメェらに任せたぜ…冬樹くん…」
「なに!?西澤さん!」
「俺の事は放っておいてくれ……あんな姿を冬樹くんに見られたくない……くっ……限界だ……通信終りょ」
途中で完全に通信途絶
冬樹は絶望した顔で叫ぶ
「西澤さん!?西澤さーーーーん!!」
ドロロは小さな体で無理やり羽交い締めにして止める
「落ち着くでゴザル冬樹氏!」
「とにかく!ラスボスの居場所はわかった!クルル!改めて捕獲と治療の用意を!準備完了次第出発であります!敵は西澤邸にあり!であります!!」
……………………
………………
…………
奥東京でも類を見ない豪邸、敷地は奥東京の3分の1をも占める
西澤邸、普段は豪華にされど下品さはないそんな邸宅も今は心なしか禍々しくケロロの目には映った
「えー、では改めて作戦の説明を…モア殿!」
モアは頷いてホワイトボードを持ってくる
「はい!今回の作戦ではまずは地上部分の邸宅をおじさま、ギロロさん、夏美さんの3人で」
「そして地下部分の探索及びに桃華さん救出をドロロさん、タママさん、冬樹さんが担当します」
クルルが続けて言う
「で、アランを見つけたらこのケースに捕らえな、こいつに収まったら最短距離でここまですっ飛んでいく。そこで現在修正中の改良型ラビー菌をぶち込んでゲームセットさ」
ケロロは頷き振り返る
「現在、中の様子は確認できず。中の人々がどうなっているかも不明でありますが安全第一にくれぐれも逸れて1人にならないように行動であります。各員、戦闘配置につけ!」
「「「了解!」」」
それぞれ行動を開始する中でケロロはドロロにこっそり話しかける
「ドロロ…もし万が一の事があったら冬樹殿の事よろしく頼むであります」
ドロロは目を細めて頷く
「あいわかった、拙者の命に代えても守ってみせるでゴザル」
………………
…………
……
邸宅は灯りが落ちまるでお化け屋敷だ
その中で別れたケロロ達は慎重に歩みを進めていく
「なんでこんなに静かなのよー…誰もいないのおかしくない…?」
夏美の言葉はケロロも疑問に思っていたことだ
これまで見てきた惨状では誰もが556化して高らかに笑っていたのだが今現在は非常に静かだ
それが返って不気味に思える
おまけにここに入ってから通信も出来ていない
西澤グループ脅威のセキュリティか
無駄に心臓が早まり鼓動の音が耳につく
「ケロロ」
ギロロに話しかけられて目線は前方を向いたまま応える
「何か見つけたでありますか?」
「角、誰か倒れてるぞ」
廊下の奥の曲がり角に微かに靴が見えている
ケロロは頷きゆっくりと近づく
そこにいたのは警備員と思われる男だ
そしてその顔は見覚えがある
「あー、誰だっけこいつ見たことあるけど」
「確か吉…吉田……まぁともかく俺達の作戦にも利用したことある若輩者ではあった」
「あー!あったあったであります!やたら名前長かったでありますよね覚えてないけど」
「でもどうして倒れてたの?今まで見た人達と違わない?」
ケロロは防護スーツにつけられたメーターを見る
平均気温は29度
暑いが熱中症で倒れるほどでもない
となれば更なる変異で人命が脅かされているかもしれない
「ともかく早く見つけないと…」
瞬間、倒れてた警備員が目覚めて飛び上がる
「はーーーはっはっはっは!!油断したな侵入者め!」
そのままケロロは蹴飛ばされて壁に激突する
「アダーーー!?」
「ケロロ!」「ボケガエル!?」
そして警備員は仁王立ちで笑う
「はーーーはっはっはっはっは!お嬢様の命令で!このお屋敷に!侵入者は1人も入れない!お屋敷の平和は!この吉岡平正義が守ってみせるぜ!!ドゥーーーッ!!」
そのまま吉岡平のキックをギロロは避ける
ギロロが麻酔銃を放ってもそのビームを無駄に大袈裟な動きで避けていく
明らかに以前よりも身体能力が上がっている
「ちぃっ!!」
ギロロは舌打ちをして打開しようとするが
「ギロロ!」
「どうかしたか夏美!」
ケロロを抱き上げる夏美に振り返りそしてギロロは言葉を失う
今までどこに隠れていたのか
あちこちから警備員や執事に女中などこの屋敷に仕えていた者達がゾロゾロと現れたのだ
「「「「「はーはっはっはっはっはっは!」」」」」「「「「「はーはっはっはっはっはっは!」」」」」「「「「「はーはっはっはっはっはっは!」」」」」「「「「「はーはっはっはっはっはっは!」」」」」
あの静けさはなんだったのか最早やかましすぎる廊下にギロロは周囲を見渡す
吉岡平の後方はまだ人が少ない
ギロロはスモーク弾を地面に向けて撃つ
「走れっ!」
そして煙に包まれて視界が白く染まる
吉岡平達は思いっきり煙を吸い込んで咽せている
「はーはっゴホッはーゴホッ!待ちたまゴホゴホホッ」
そしてなんとか逃げ出してある部屋に隠れる
扉の前に家具を置きバリケードを作る
夏美は腰が抜けてケロロを落としてへたり込む
「アガっ!?こ…ここは何処!?」
「気が付いたか…」
「ギロロ…夏美殿も無事でありますか…いてて」
ケロロは防護スーツ越しに脇腹に手を当てている
「状況は?」
「現在我々は556化した使用人たちに追われてここに逃げ込んだ所だ」
「なんで桃華ちゃんの使用人たちに追われているのよ私達…」
ケロロが思い出したのは気絶する前に聞いた吉岡平のセリフだ
『はーーーはっはっはっはっは!お嬢様の命令で!このお屋敷に!侵入者は1人も入れない!お屋敷の平和は!この吉岡平正義が守ってみせるぜ!!』
「つまりは桃華殿の命令で侵入者を追い出す事を最優先にしてるでありますか…そこに556の融通が利かないのが悪影響を与えて我々に襲いかかると…」
「もうやだー…ここもいつまでも安全じゃない訳でしょ?」
夏美も既に心が折れかけているが
ケロロとて手詰まりを感じている
仮にこの上層部にアランがいても捕まえる事は難しい
ケロロは決断した
「こうなっては仕方ない、我々も一度冬樹殿達と合流を目指すであります」
その判断にギロロも頷く
「俺も同意見だ。少しでも手数がなければ包囲されて終わるだろう」
そして隙をみて部屋から出ようとした瞬間にバリケードが扉ごと吹き飛ばされる
「ちょっ!?何事であります!」
そして奥から出てきた男にケロロ達は戦慄する
「はーーーはっはっは!!お嬢様の!命により!侵入者は!許ざん!!」
そこにいたのはヒゲを蓄えた老執事、しかしてその実力はケロロ達も知っている
「ポポポポ…ポール殿ぉぉおーーーー!!?」
「こうなったらなりふり構ってられるか!」
ギロロは即座にバズーカを転送して壁に向かって放つ
爆発に合わせてポールが飛び退くその隙を見てギロロは叫ぶ
「ケロロ!夏美!お前達は先に行け!俺はポールを抑える!!」
「ギロロ!あんた!」
「夏美殿いくであります!」
「ボケガエル!?」
「ギロロ!」
「なんだ!?」
「必ず追いつけ!そして我輩と夏美殿を守れ!これは命令であります!」
ギロロは振り返ることもなく
さりとて口元はニヒルに笑う
「了解した!行け!!」
「さぁ夏美殿!」
「ギロロ!私、信じてるから!」
そして壁に出来た穴から脱出する2人を見送りギロロは全身に武装を転送する
相手は歴戦の戦士、相手にとって不足はない
そして目の前には上半身の衣服を破いてその筋骨隆々になった体を晒したポールとそれに続く吉岡平達だ
「「「「「「「はーはっはっはっはっ!!」」」」」」」
大量の556ゾンビ達に囲まれつつあるギロロは呟く
「少し遅刻するかもしれんな……」
……………………
………………
…………
一方、冬樹達も大量の556使用人たちに襲われていた
「はーっはっはっは!」
「うわぁぁぁあ!!?」
1人の使用人が冬樹に覆い被さろうとしたが
「タママインパクトォーーー!」
タママの口からの光線『タママインパクト』で吹き飛ばされ冬樹は無事だ
「あっありがとうタママ…」
「ふぅーっフッキーは僕達が守るですぅ!」
「タママくん!司令室はこの先でゴザルな!?」
「そうですぅ!」
「ならば拙者が道を切り開くっ!トイヤ!」
ドロロは飛び上がり懐からクナイを取り出す
「アサシンマジック!影道針《かげみしん》!」
多数のクナイが使用人達の影に刺さり動きを封じていく
「さぁ今のうちに!」
「うん!」「了解ですぅ!」
そして司令室に飛び込む
「桃華殿、御免!」
ドロロの刀で入り口を切り裂き封をする
ドロロは周囲を探るが辺りに邪気はない
一息つく
冬樹達は司令室を探してるがどうやら桃華の姿はないようだ
「西澤さん…一体何処に…」
「この屋敷にいるのは確定してるでゴザル、落ち着かれよ冬樹氏」
タママはコンソールをいじって屋敷の監視カメラを司令室のモニターに全面で映している
その中でタママが一つの画面を指差して叫ぶ
「あーーっ!軍曹さんとナッチーと……アランがいるですぅ!!」
「えっ!」「なんと!」
そこはダクトの中でケロロと夏美が四つん這いで移動していた
必死に起動する先にいるのは丸っこい猫その目は556の如く目が開き心なしか眉毛も濃ゆい
間違いない
あれが猫のアランだ
だがしかしケロロと夏美は何故か追いつつも時折後ろを見ては急いで這っていく
まるで何かから逃げるように
そのままカメラの方を通り過ぎると後方には556とかした使用人たちが無理矢理ついてきてるではないか
ドロロはタママに問う
「隊長殿達の今の居場所は!?」
「えーっと…えーっと……あー!ちょうどこの真上のあたりですぅ!」
ドロロは決断的に飛び立つ
「度々済まぬでゴザル桃華殿!ドロロ忍法、流星十字手裏剣!」
そしてドロロの手から巨大な光の手裏剣が飛んでいき天井に突き刺さり崩れていく
その中で
「「きゃああああ!!?」」
ケロロと夏美が落ちてくる
ドロロは飛び出し夏美をキャッチする
「荒っぽい真似して済まぬでゴザル夏美殿!」
「ごめん助かったわドロロ!」
一方ケロロは……
「軍曹さんは僕が受け止めるですぅーーー!!」
そして目の前で受け止めようとして
スカってそのままケロロは地面に激突した
「あーーーっ!?軍曹さんごめんなさいですぅーーー!?」
ケロロは上半身を動かして抜け出す
「あーっ死ぬかと思ったわ!!」
「軍曹大丈夫?」
「頭にたんこぶできたけどなんとか…そういえばアランは!?」
ふと見ると司令室の中央にいた
「にゃーはっはっはっはっは!」
「捕まえるでありまーす!」
だがその前に天井の穴から落ちてきたのは大量の使用人たちだ
そして背後から爆発音がする
振り向くとそこには西澤家直属の特殊部隊だ
「「「「はーはっはっはっはっは!」」」」
「「「「「「はーはっはっはっはっは!!」」」」」
「「「「「「はーはっはっはっはっはっはっはっは!!!」」」」」」
既に周りは囲まれている
逃げる事はできない
仕方ないここは強行突破するしかないのだ
「全員!アランを捕まえるでありまーーす!!」
そしてケロロたちに使用人たちが雪崩れ込むように襲いかかる
「あーもう後の事なんて知ったこっちゃないですぅ喰らえやタママインパクト連射ーー!!!」
「ドロロは夏美殿と冬樹殿の護衛を!タママは我輩を援護でありまーす!」
「「了解!」」
そしてタママがケロロの道を作りドロロがなんとか守っているが何より人数が多すぎる
「タママー…ゲホッ一瞬休け…イィいい!!?」
そしてタママに何人も覆い被さり手で防護服を切り裂いていく
「タママ!?て捕まったーー!?」
援護がなくなり一瞬で捕まってしまう
「タママくん!?隊長殿!!?」
ドロロは防護スーツは着ていない
アサシンの耐久力は556菌にも負けないのだ
だがそれでも一瞬気を取られて捕まってしまう
そして怯える夏美と冬樹に使用人たちが殺到する
時に
頭上からミサイル、ビーム、氷の手裏剣が降ってくる
冬樹が目をこらして見るとそこにいたのは…
「「「はーはっはっはっは!」」」
そこにいたのはギロロ、小雪、そして強化アーマーに身を包んだ桃華であった
「冬樹くんは!」「夏美ちゃんは!」「夏美は!」
「「「(私/俺)が守るっ!!!」」」
「西澤さん…」
「ギロロ、小雪ちゃんがどうしてここに…」
すると通信機から声がする
『くっくっく、ようやく繋がったけどとんだ地獄絵図だなぁ?』
「クルル?どうして急に?」
『あの東谷小雪が暴れて無理矢理屋敷に突っ込んだんだよ、壁に穴あけながら最短距離で一直線にな?それで通信も通るようになったのさ』
「冬樹殿ーーっ!」
冬樹の手元にケースが投げつけられる
「穴からアランが逃げるかもしれない!捕まえて欲しいでありまーす!」
冬樹は覚悟を持った目で頷く
「うん!」
そして冬樹は駆け出す真っ直ぐアランに向かって
「にゃーにゃ?」
アランは駆け出そうとしたが足が動かない
動けないアランには見えなかった
背後の影に刺さる一本のクナイを
「忍びとは決して目立ってはいけない…頼むでゴザル冬樹氏!」
「はーはっはっは!笑ってタママインパクト撃てないから何も出来ないのですぅーー!!」
そして冬樹が転びそうになりながらもケースを上から被せてスイッチを押す
「にゃーーーッ!?」
そしてケースの上部からプロペラが生え飛んでいく
『くくく…ミッションコンプリート、だぜぇ〜…』
ケロロは捕まりながら喜ぶ
「冬樹殿ーー!よく頑張ったでありますなぁ!…でクルル我輩達はどうすれば」
『何にも』
ケロロも冬樹も夏美とドロロは固まる
「「「「えっ」」」」
『俺ぁ今からアランを治療して奥東京中にワクチンをばら撒いて情報と記憶をいじってと忙しいんでな、悪いが隊長達は後回しだぜぇ?』
「ちょっとクルル!?」
夏美から悲鳴が上がる
『安心しなって死ぬ前には助けるからな…それじゃあ楽しんでくれやくーくっくっくくく…』
そして通信が強制的に切られる
「冬樹殿……夏美殿……」
振り向くと素っ裸にされたケロロ達がいた
「ぐ…軍曹……」
「こうなっては皆で恥をかこうであります……はーはっはっは!」
そして
「「「「「「「「「「はーはっはっは!はーはっはっは!!はーはっはっはっはっは!!!!」」」」」」」」」」
「……拙者こんな時にも仲間はずれでゴザルか……」
西澤邸にクルルがワクチンを撒くまでの3時間
膝を抱えるドロロを除いて彼らはずっと仁王立ちで高笑いをしているのであった
[おまけ]
ケロロ達は日向家のリビングで一息ついてた
「おじさま、はいのど飴ですよーていうか無病息災?」
ケロロはのど飴を受け取って口に放り込む
「おーありがとうであります。いやー3時間も笑い続けたら喉イガッイガだわー」
「ねぇ軍曹?」
「ん?どったのであります冬樹殿?」
「あっちは大丈夫……?」
冬樹がこっそり指差す先は部屋の隅で縮こまる夏美と桃華の姿だ
「あんな風に暑苦しくなるなんて……」
「冬樹くんにあんな姿見られた……死にたい…」
「まーまー夏美ちゃんに桃華ちゃんも元気出して?」
小雪は気にしてないが残りの2人は乙女としてあんな姿を晒してしまったのは堪えたらしい
ケロロは首を静かに横に振る
「あれは時間をかけてゆっくり忘れさせるのが1番の薬でありますよ…変に気を遣うのはやめたげてであります」
「うん……」
その時扉を突き破って2人が入ってくる
それは556であった
「ケロロ!」
「えっ556!?なんでありますか一体!?」
「今回は世話になった!おかげでアランを少年に届けてあげられたぜっ!」
「すみませんすみません!兄が原因なのに役に立ってなくてすみませんすみませんすみません!!」
「そうだ!だからお礼として!」
556が何かを大量に置く
それはカラーボックスだ
「カラーボックスだ!俺の代わりに役に立ててくれ!!それでは!!癒着!!!」
556が癒着コードを発すると小キック秒でヘルメットを装着するのだ!
「俺はこれから街に行って!他に被害者がいないか探してくるぜっ!!行くぞラビー!」
「うん!お兄ちゃん!」
「ではさらばだ!!はーはっはっは!!!」
「皆さんありがとうございました!すみませんすみませんこれで失礼します!すみません!」
そして窓へ突っ込んで飛び出していく2人をケロロ達は呆然と見送ることしたできなかった
「あークルル?」
「なんだ隊長」
「もう全員助けたのでありますよね?」
「そうだな、全員助けたからもうバリア解除したんだぜ?」
「じゃあ556のあれは…」
「無駄」
「……あいつらしいっちゃらしいけどさぁ〜…」
最後に全部持っていくなんてまさに出オチである
だがしかしその信念と愛は本物である
行け!宇宙探偵556!戦え!!宇宙探偵556!!!
明日のご飯もパンの耳だ!