絆は何処までも長く続いていく・・・・・・。 作:zinyuuki
___私はエーデンを失った。
*エーデンとは人が持っている能力のこと*
*人は産まれながらにして能力を持っている*
学校の教科書には必ず書いてある。
*光のエーデン、炎のエーデン、水のエーデン、草のエーデン、土のエーデン、石のエーデン、鉄のエーデン、銅のエーデン、闇のエーデン、主に人はそれらの能力を宿らせている*
どの教科書にも同じことが書いてある。
月に一度開催される「エーデングランプリ」で優勝した人が王と戦い、王に勝てば新しい王になれるのだ。
だが簡単に王にはなれない。
王の強さは格別だ。
神を超えるほどの強力な力が必要になってくる。
誰もが国の地位を自分の物にするため、死ぬ気で挑んだ。
が、3409年に行われた第123回エーデングランプリの優勝者は無敵だった。
ーースプリス・ルリアーー
現在の王もこの方だ。
強く民に優しい素晴らしいお方だ。
国全体が王はスプリス様のままで良いと思っていた。
あの日までは・・・・・・。
「第140回エーデングランプリ!!!開催です!!!」
___イエェーーーーーーイ!!!!
司会者が開会の言葉を述べ終えると観客や選手が気勢をあげた。
これは毎年のことだった。
今年から私はエーデングランプリに出場する事になった。
私は何とか勝ち、夢の決勝戦に挑んだ。
「ラトスシティー代表、ココア・シュガレット!!」
___イエェーーーーーーイ!!!!
私の名前が呼ばれると同時に観客がまた気勢をあげた。
「バテアシティー代表、エミン・シュガレット!!」
対戦者の名前を司会者は大きな声で叫ぶ。
観客は先よりも遙かに大きな声で気勢をあげていた。
珍しく苗字が同じもの同士の戦いになった。
私は恐る恐る試合場に登った。
対戦相手は深く帽子を被っていた。
「両者、試合準備!!」
司会の元気ある声に私と対戦相手はエーデンを出す準備をとった。
「試合開始!!!!」
「はぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
私の出したエーデンは対戦相手の目の前で消えて行った。
「あ、あれ?」
私が不思議そうな声でそう呟くと、対戦相手ははじめて口を開いた。
「炎のエーデン・・・・・・よく登って来られたな・・・・・・。」
周りが煩くよく見えなかったが対戦相手はそう呟いたのは、はっきり聞こえた。
対戦相手はゆっくり私の方へ歩いて来た。
私は急に恐怖を感じ、自然と手足が震えだした。
「大きくなったが何も変わらない・・・・・・そう言う物だ・・・・・・。」
対戦相手は小さな声で呟いた。
私は腰が抜け地に尻餅をつく。
「ぃゃ・・・・・・いやっ!!!!来ないでぇ!!!!!」
震える声と反射的にエーデンを放とうとした。
だがエーデンは・・・・・・出なかった。
私の期待を裏切るようにエーデンは出なかった。
対戦相手はニコッと不気味に笑みを浮かべ、右手をスッっと挙げた。
その右手が振り下ろされる寸前まで私は動くことも出来なかった。
が、私はその数秒で悟った・・・・・・私は・・・・・・殺されると。
対戦相手の右手は迷いなく振り下ろされ、私の視界は真っ暗になった。
*暗闇の中で何を思う?*
*汝は死を目の前にして何を望む?*
*命が欲しいか?*
*なら真実を解き明かせ*
*絆は永遠なのだから・・・・・・*
暗闇の中、誰かが私に話しかけてきた。
だが私にはその言葉の意味がよく解らなかった。
*・・・・・・真実は大きな壁になるだろう*
最後の言葉に私はかすかな危機感を覚えた。
私が目覚めたのはエーデングランプリの三日後だった。
私はその一瞬で目覚めない方が良かったと思った・・・・・・。
王は変わった・・・・・・スプリス様からエミン・シュガレットに。
その王は最低な王だった。
そして私は・・・・・・。
___私はエーデンを失った・・・・・・。
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