シャア大佐すこすこスコティッシュフォールド 作:イカれた強化人間
後方へ補給に行きました。そうしたら管制官からワロスだかドロスだかそんな感じのデカい空母に行けと言われた。どれ?? あれか。あのデカいやつか。あっ、沈んだ。
仕方がないのでそこら辺にいたムサイに押し入る。
「ヘイ大将。燃料武器弾薬満タンで」
「どこのモビルスーツだ? 母艦は?」
「沈んだ」
「あー、なるほど。補給する」
全く持って嘘だ。母艦は多分健在だと思う。知らんけど。
「敵に押し込まれて防衛戦が下がってる。本艦の退却を支援して貰えると助かるのだが」
「ごめんなさい。大佐を助けないといけないの」
「……そうか。死ぬなよ。嬢ちゃん」
ア・バオア・クー内部へと、ゲルググを突入させる。迷った。仕方がないので雑魚敵を掃討しつつ、シャア大佐の元へと急ぐ。
「シャア大佐!! 無事ですか!?」
「アステラか、ララァのお陰だよ。ヘルメットが無ければ即死だった」
ララァちゃんのお陰じゃなくて、ヘルメットのお陰じゃないか? 私は訝しんだ。
「シャア大佐、乗ってください。怪我は大丈夫ですか? 私が操縦しますね。で、白い奴をやっつけるんです?」
「いや、それはもう良い。キシリア少将のパープルウィドウを探してくれ」
「はい!!」
方向音痴の私だが、キシリア少将の艦はすぐに見つかった。
「私を信じて、あのフネを撃ってくれないか?」
「分かりました!! やった! 一発でブリッジをぶち抜きましたよ! 私、射撃ヘタクソなのに当たりました!」
シャア大佐が複雑な表情を浮かべている。これは、戦果が少ないということか?
ブリッジをぶち抜いた艦に死体撃ちをする。
「やめろ。十分だ。味方と合流する」
「はい!」
そう言えば味方を撃つのって軍法違反だったような? でも、大佐がやれって言ったもん。責任転嫁ヨシ!
「アステラ。君は味方の撤退を支援してくれ。私も後で向かう」
「はい! 分かりました!」
殿となって敵と戦っているが、ジオンは負けてるっぽい。あれ? こっちは主人公のいる正義側なのに負けるの??
「ガンダム部隊を回してくれ……このゲルググ、化け物だ」
「えっ?? ガンダム?? 敵に??」
「……ゲルググのパイロットは子どもなのか!? 女の子が??」
敵の隊長機と斬り合いながら、接触回線を繋ぐ。
「つかぬことをお聞きしますが、ジオンって悪者なんですか?」
「コロニーに毒ガスを注入し、地球に落とした連中だぞ。人類の半分を殺した奴を悪と言わなくてどうする?」
「…っ、そ、そうなんだ。知らなかった」
ヤバい。私は思いっきり悪の組織の方に付いてしまった。でも、シャア大佐はイケメンで優しくて、カッコいいよ! 絶対主人公だよ!
あっ、あれ〜シャア大佐。早く助けに来て欲しいなーー。
「これ、見捨てられたやつか」
「ゲルググのパイロット。投降しろ。ジオンは負けたんだ」
「あっ、そ。でも、私さ死にたくないんだよね」
敵の指揮官機を人質にし逃げた。用済みの指揮官機は捨てて、後ろから撃つ。おっ、珍しく当たった。
味方のデカい船を探そう。デカい船の方が防御力が高そうだ。それにご飯が美味しそうな気がする。
「こちらリリー・マルレーン。本艦に接近するゲルググに告ぐ。識別コードを提示しろ」
識別コード??? そんなの有ったっけ?? 不味い。敵だと思われて撃たれてしまう。
「114514?」
「は? ふざけているのか?」
「あっ、有りました。これですね」
なんかそれっぽいのが有ったので告げる。多分ヨシ!
「特務のゲルググか。本艦への着陸を許可する」
「どうもー」
リリー・マルレーンの所属する海兵隊は、珍しく女性部隊長の指揮する部隊であった。
「シーマ・ガラハウ中佐だ。アタシに何の用かな? おチビちゃん」
「アステラ・フラナガン准尉です。シャア・アズナブル大佐の行方はご存知でしょうか??」
「生憎、赤い彗星の行方は知らないね。アンタ、フラナガン機関の人間かい?」
「はい。フラナガン機関の強化人間です。あの〜。シャア大佐が行方不明だったら私、家なき子になっちゃうんです。ここで働かせてください!」
シーマ様は私の提案を了承してくれた。部下の人がシーマ様って呼んでたからシーマ様呼びのほうがしっくり来る。よっ! シーマ様!!
かくかくしかじか。まるまるうまうま。
今までの人生と事情を説明すると、シーマ様は凄く優しい声色を浮かべた。えっ? そんな優しくなる要素あった?
「アステラ。アンタはシーマ艦隊の仲間だよ。辛かっただろう。今までよく頑張ったね」
シーマ様めっちゃ優しい。シーママぁ…!
ん、連邦パトロール艦隊を襲う! といった感じで略奪生活をしているものの先行きは芳しくない。適切なメンテナンスを受けられないため、モビルスーツもフネもどんどんボロボロになっていってしまうのだ。
そこでシーマ様が考えた案がこちら。デラーズ・フリートに加入して途中で連邦艦隊に寝返って安住の地を得よう作戦である。
シーマ様は上官に騙されて、コロニーに毒ガスを注入させられたらしくジオンの味方からハブられている。なので、連邦と取引をして生き延びるのだ。
「連邦の小艦隊です。サラミスが2、不明艦が1」
「野郎共、仕事の時間だよ。出撃だ!」
スッと行ってザシュ!! この3年間で連邦艦隊を襲撃するのに慣れてしまった。サラミスの対空砲火を掻い潜るのが得意です、と履歴書に書けるレベルだ。
「アステラがサラミス2隻を潰した。残るは1隻だ。ありゃあペガサス級じゃないか?」
「そうかい。アステラ! アタシを援護しな!」
シーマ様を援護し、ペガサス級に吶喊する。護衛機にはガンダムタイプがいる。ア・バオア・クー以来だ。
ア・バオア・クーでやり合ったガンダムには連邦軍の撃墜王であるアムロ・レイが乗っていたらしい。
目の前のガンダムには、アムロ・レイは乗っていない。乗っているのは一般兵だろう。残念なことにアステラちゃんは強化人間なのだ。つまり、ガンダムに乗っていようが一般兵に負ける道理がない。
「ガンダムが聞いて呆れる。お兄さんよわよわ。雑魚すぎ。そんなんでガンダムに乗ってるの?」
「くっ、ニナ。ごめん」
ガンダム鹵獲ヨシ! サラミス2隻とペガサス級も鹵獲したぞ! 大儲けだ!
シーマ様は、エギーユ・デラーズの計画書を手に入れた。そして、それを連邦のグリーン・ワイアットに無事に渡すことに成功した。
シーマ艦隊は、無事に連邦軍に転職し、皆がそれぞれの進路を歩むこととなる。ほとんどの人員は連邦軍木製艦隊に行ったそうだ。
テロリストのエギーユ・デラーズさんは無事に処刑され、2度目のコロニー落としは見事に防がれた。めでたしめでたし。
私は、連邦軍に潜り込んだ。そしてティターンズに入ることに成功した。今はアステラ・ガラハウと名乗っている。
紆余曲折はあったものの、ティターンズのガンダムMk.2のパイロットに選ばれた。
同僚には、ジェリド・メサ。カクリコン・カクラーがいる。彼らは私のように経歴詐称をしていない本物のエリートだ。
ジェリドたちと改札口で屯していると、1人の少年と少女が歩いていた。
「カミーユ。会えやしないわよ」
「カミーユ? 女の名前なのに、なんだ男か」
カミーユと呼ばれた少年は、ジェリドの顔面目掛けてパンチを放った。こちとら強化人間である。強化人間された肉体は、常人以上の力を放つことが出来る。カミーユの拳を受け止めるくらい何の問題もない。
「少年。いきなり殴りかかるのはいけないんじゃないか?」
「アンタ、何なんだ?」
「とても失礼」
カミーユと呼ばれた少年の顎を殴り脳を揺らす。彼はすんなり気絶したようだった。
「相変わらずアステラはおっかねぇな」
「はは。違いねぇ」
密室に運んできたカミーユに水をぶっ掛けて、目を覚まさせる。
「起きた? じゃあ慰謝料を払って? 迷惑料でも良いけど」
「誰がお前なんかに!」
「私さ、お金が必要なんだよね。木星船団は大変でしょ。だから、みんなのためにお金が必要なの」
「お前の事情なんか、知らないよ!」
「両親は生きているんでしょ?? あなたのためにお金を出さないの?」
「あんな奴ら、親じゃない!」
「ふーん。ま、お金が貰えればどうでも良いけど」
その時、私は懐かしい気配を感じた。シャア大佐だ。シャア大佐が戻ってきた。よし、ティターンズ辞めよう。シャア大佐、今、会いに行きますよ!!!