シャア大佐すこすこスコティッシュフォールド 作:イカれた強化人間
シャア大佐は、私の生命の恩人である。そしてイケメンだ。多分、私の初恋だったのだろう。
「シャア大佐。バスク・オムの身柄を拘束しています。モビルスーツは当分上がってこれないでしょう」
「クワトロ、これは貴様の予定通りなのか?」
「……違う。私は、このようなことを予定していない。ティターンズのパイロット。私は、クワトロ・バジーナだ。シャア・アズナブルではない」
は??? シャア大佐はシャアだが?? 解釈違いなんですけど!!
「シャア大佐。私はアステラ・フラナガンであります。ア・バオア・クー戦役では大佐に友軍の撤退支援を任されました。大佐と再会できるとこを一日千秋の思いで待っていました」
「……アステラか。分かった。ひとまず付いてこい。それで、そっちの機体は誰だ??」
「カミーユくんです。一般人ですね」
「どいつもこいつも……」
3機有ったガンダムMark 2のうち2機はエゥーゴが鹵獲した。そして残りの1機は私が跡形もなくふっ飛ばした。
「で、大佐。ソイツはなんで居るんです? アムロ・レイとか言ったやつですよ。大佐の恋人のララァちゃんの仇ですよね? ここで殺しておいた方が良いんじゃないですか??」
アムロと仲良くしているシャア大佐を睨みつける。シャア大佐は、げんなりした様子であった。
「アステラ。かつての敵であれ組むことはある。ア・バオア・クーでの敵でも、今は味方だ」
「へぇ。私はもう子供じゃないですよ。ア・バオア・クーで大佐が私にキシリア少将を殺させましたよね。それで、その後味方の撤退支援を命じて見殺しにしましたよね?? でも、私はシャア大佐を信じていますよ」
シャア大佐は、大きく溜息を吐き。私の頭を小突いた。
「そういう所が子供だと言うんだ」
クソ。顔が良い。そして、惚れた弱みで強く出られない。クソ。
苛ついたので、バスク・オムを煽りに来たぜ。
「貴様…! アステラ…! よくもこの私の前に顔を出せたものだな!」
「そんなイライラしないでください。あっ、そっかぁ。バスク大佐はいつもイライラしてるからハゲたんでしょう?」
「何故、ティターンズを裏切った。お前は模範的なティターンズだっただろう! 30バンチで私と共にスペースノイドを殺しただろう? ジオンは世界人口の半分を殺した虐殺者だぞ! 何故、エゥーゴなどに屈した?」
言っていることがよく分からない。私は、特にそこら辺の主義主張はないのだ。幸せそうに暮らしてる一般市民を一方的に殺すのは楽しいだろうが! シーマ艦隊で海賊してるのも楽しかった。コロニーに毒ガスをぶち込むのも楽しかったし……
「バスク大佐は、恋をしたことがありますか?」
「貴様、何を言っている?」
「私はあります。フラナガン機関で処分されそうになった時に、シャア大佐が助けてくれた時がそうでした。今もずっと大佐の影を追っています。シャア大佐は、私の前に現れてくださったんです! これは運命ですよね?? そう、運命です!! バスク大佐は恋のキューピッドですよ!!」
「……狂っている」
「人間なんて所詮は子孫を残すための遺伝子の乗り物ですよ。くだらない理性よりも本能を優先して何が悪いんですか?」
バスクは黙った。これって、私の勝ちですよね〜?? 禿げ頭をパチンと叩く。お〜、良い音するやん。大川周明ごっこだ。
のそのそ歩いていると、アポリーさんと会った。ア・バオア・クー以来だ。彼からシャア大佐が、アクシズで諸々あったということを聞いた。
ゆ、許せねぇハマーン・カーン!! 大佐は、私のだぞ!! ナタリー・ビアンキとかいう女は死んでいるからヨシ!! よくやったハマーン!!
はぁ〜、大佐の赤ちゃん欲しい〜〜!! でも、強化されてホルモンバランスが、イかれてるから妊娠出来ないんだよな。悲しい。
「げっ、アムロ!?……さん」
「君は、ティターンズのアステラ・ガラハウだったな。クワトロ。つまりは、シャアとどういう関係なんだ?」
アムロに、私のシャア大佐との馴れ初めを全部説明する。どれくらい私がシャアを好きかを話す。アムロは眉間のシワを揉んでいた。
「……シャアのやつ。子供を戦争に巻き込んだのか」
今の私は18だ。ア・バオア・クーでは10歳だった。まぁ、そうなるな。しかし、それは私が強く主張したからだ。
「ララァだけではなくアステラ、ナタリー、ハマーンと。大層なモテっぷりだよアイツは」
「……逆に、アムロ…さん、はモテてないの?」
「俺はワイアット中将の下で便利使いされていて、そんな暇は無かった。あの方は柔軟だ。危険視されていたホワイトベースクルーを上手く使っている」
ワイアット中将は、シーマ艦隊を買収しつつエギーユ・デラーズのコロニー落としを防いだ英雄である。
ティターンズをよく思っていないらしい。スペースノイド強硬派ではあるが、コロニーに毒ガスを注入するのはNGという派閥だ。ティターンズは給料は良いが過激すぎて味方が少なかったりする。
私がバスク・オム捕まえつつ司令部焼いたから、ティターンズの指導部は潰れちゃったかもしれない……
「バスクをフォン・ブラウンに預け、奪還に来たティターンズ艦隊をワイアット中将の艦隊と共に撃滅する。ジャミトフ・ハイマンが折れればそれで終わりだ」
ジオンも連邦も一年戦争後で、国力を使っているからデカい戦争はそうそう起こらないらしい。なるほどなぁ。
フォン・ブラウンにバスク・オムを預け、連邦軍の宇宙艦隊と一緒に、ティターンズを睨むお仕事をした。
ジャミトフ・ハイマンさんは、非常に物わかりが良かった。ティターンズは解散。バスク・オムは30バンチ事件の責任を被せられ、処刑された。
ジャミトフさんは、シャア大佐と意気投合していた。地球を核の冬で終わらせて宇宙へ強制的に移住させる。そして進歩させるしかないとかで盛り上がっていた。
しかし、ジャミトフさんは予備役に回されて退任する運命である。政治に負けたのだ。
グリーン・ワイアット中将ら宇宙艦隊派が、手駒であるエゥーゴを使い、連邦軍内の極右組織であるティターンズを急襲した。そして、30バンチ事件という組織犯罪を暴き、連邦軍内の綱紀粛正を図ったという筋書きが世間には流布されている。
このグリプス事件を受けて、ティターンズ、エゥーゴ共に解散となった。そして、グリーン・ワイアット中将ら宇宙艦隊派は、軍組織の暴走を防ぐためにロンド・ベルという組織を作り上げることにしたという。
「シャア大佐? アステラちゃんの頭を撫でることや、キスをすることを要請します。それと、セックスしません? 私、強化されてホルモンバランス狂っているんで、生理とか無いですし、貧乳ですけど、お尻は大きいですよ」
シャア大佐は、周囲に助けを求めていた。しかし、アムロは呆れたような目をシャア大佐に投げている。
「アステラ。私は君を強化人間として利用した。本当に済まなかった。許してくれ。君を利用し、キシリアを殺させ、君を処分しようと思い殿軍を任せた。君と、グリプスで出会った時、私は君に謝ろうと思ったんだ」
「でも、私はシャア大佐のことが初恋で、大佐にぐちゃぐちゃに犯される妄想でオナニーしてますよ??」
「やめてくれ……アステラ。私は君を利用したんだ。君の憧れを利用して、君の性格を捻じ曲げてしまった。許してくれ」
「でもでも、私はシャア大佐のことが好きですし、一緒にデートに行きたいですし、一緒にお風呂入ったりご飯食べたり、時間と空間を共にして生活したいと思ってますよ?? それに、セックスして一つになりたいと思ってますけど?」
その後、私にシャア大佐への接近禁止令が出されることとなった。そして、シャア大佐は失踪した。
なんだこのヤンデレストーカー