シャア大佐すこすこスコティッシュフォールド 作:イカれた強化人間
シャア大佐が失踪した。そして、ハマーン・カーンの率いるアクシズが地球圏に戻ってきた。
これは、もう確定だ。シャア大佐はハマーン・カーンのところにいる。つまり、ハマーンを潰せば大佐は逃げられない。そのはずなのだ。
幸い、私の所属するロンド・ベルは対テロ組織であり、連邦政府の腐敗に継承を鳴らす部隊である。ジオン残党のテロリストであるアクシズを正々堂々潰すことが出来るのだ。
「ロンド・ベルはサイド3への駐屯と、アクシズの迎撃を行う。いささか強硬手段ではあるが、サイド3がアクシズと結ぶ可能性を抑止するためだ」
部隊長であるブライトさんが、端的に説明する。悪いアクシズを倒してシャア大佐を返還してもらわないと困るのだ。
こちらには連邦艦隊の支援もあり数敵有利がある。コロニーレーザーも展開している。平押しすればアクシズ艦隊には勝てるだろう。
軍事基地である小惑星アクシズへの攻撃を行い攻め落とすことは、かなりの労力である。確実に勝てるが、出来れば要塞から引き剥がし艦隊決戦で仕留める方が望ましい。
「サイド3への進駐が抑止となり、小惑星アクシズはサイド3宙域への侵入を躊躇うはずだ。サイド3は連邦政府の構成単位の一つであり、自衛権を持っているジオン系テロリストであるアクシズには断固たる処置を取らなければならない。サイド3がアクシズに迎合するようであれば、我々は軍事力を行使せざるを得ない」
なるようになるしかない。ジオン情勢は複雑怪奇。未来は私には分からない。
「そう言えばアムロさんは、ララァちゃんを殺したことで魘されてるとか無いの?」
「……アステラ。人の聞かれたくないことを聞くな。ララァについては吹っ切れてるよ。ア・バオア・クーでお前とやり合った方が怖かった。子どもがゲルググに乗っていたんだ。ジオンのやり方に怒りを覚えたよ。ジオンが勝ったら待っているのはこういう世界なんだって思うと、戦争が許せなかった」
そっ、そうなんだ。アムロさんのメンタルがとても強い。
「アステラがバスク・オムを捕らえたから、連邦軍内での内紛も抑えられた。アクシズを抑えれば目立った脅威はもう無い。一年戦争からこの方ずっと働き詰めだ。ようやく枕を高くして寝られるさ」
アムロさんもなかなかの苦労人である。この人のスコア、一年戦争から今まででヤバいことになっていそうだ。
さて、アクシズとの交渉がはじまった。こちらからは、グリーン・ワイアット中将、ジョン・コーウェン准将、ブライト・ノア中佐が出ている。私も護衛として潜り込んだ。
アクシズからは、ハマーン・カーン、ミネバ・ザビ、あとなんか謎のイケメン。グレミー・トトなる人物のようだ。
シャア大佐はどこ? ここ? ここに居なければ居ないですね。ふざけやがって!! 私のシャア大佐を返して欲しい。
「ワイアット中将。アクシズとしては、代表者であるシャア・アズナブルの身柄を要求する」
「と言うと?」
「シャア・アズナブルはアクシズから失踪した。シャアが私から離れる可能性は考えられない。状況から連邦軍の特殊部隊による拉致の可能性がある。アクシズはそう考えている」
「ほう。アクシズでの内紛で、シャア・アズナブルは恋人であったナタリー・ビアンキを失ったそうじゃないか。君が彼女を殺したのではないかな?」
「貴様ッ!! 私を愚弄するか!! ナタリーは私の親友だった! その彼女を私が殺しただと!」
「女の嫉妬と言うのは怖いものだねぇ」
ハマーンはレスバに弱かった。と言うより、ワイアット中将が強すぎる。流石は紅茶キメてるだけあるな。
「つまり、アクシズに残された選択肢は2つ。今ここで我々に降伏する。我々の軍により殲滅された後に降伏する。前者は賢明な選択肢で、後者は愚者の選択だ。アクシズの諸君はどうするかな?」
「……目にものを見せてやる! アクシズをコケにした代償は高くつくぞ」
「おお、君たちは愚者だったようだな。降伏の申し出はいつでも受け付けているよ」
アクシズとの交渉は無事に決裂した。そして、アクシズはコロニーレーザーにより焼かれた。ティターンズの残した技術と現物があるのだ。使えるものは使う。
コロニーレーザーに加えて、ソーラーシステムも展開されたため、焼き放題である。ボロカスに焼かれたアクシズ残党に、ジオン共和国軍が突っ込んでいく。
ジオン共和国は、アクシズとの決別を宣言し軍を先鋒とさせたのだ。賢明な判断だが、現場の兵士が可哀想である。アクシズとジオン共和国の兵士たちは、一年戦争の同胞だったのかもしれないのだ。
ハマーンは愛機のキュベレイで、ロンド・ベル艦隊に吶喊し壮烈な戦死を遂げた。グレミー・トトも部下の強化人間と共に、アムロ・レイにより討ち取られた。
アクシズは壊滅した。ミネバ・ザビは偽物だったらしい。マジでシャア大佐どこ?? 逃げたの????
「アムロさん、シャア大佐はどこ? どこに逃げたの??」
「考えられる場所としては、親ジオンコロニーだろう。だが、それでもやれることに限りはある。ジオン共和国が旗色を決め、アクシズが壊滅した今となっては、ジオン残党のフリーハンドは少ない」
「もう武力による反乱は無理ってこと??」
「おそらくは不可能だ」
シャア大佐は、もう引き篭もって出てこないのかもしれない。何ということだ。もしかして大佐は死んでいる?
「じゃあ、民間人として会社でもやってるんですかね?」
「奴の経歴からモビルワーカーを使ったジャンク屋でもやっているのかもしれん。ジャンク屋なら詮索されることも少ないだろうしな」
そんなー。もう、これ以上。シャア大佐の行方が分からないってことじゃないですか〜やだ〜
密封保存していたシャア大佐の下着の匂いを嗅ぐ。あー、シャアニウムを摂取できる。
「今日はこれで良いか」
シャア大佐の匂い嗅ぎながらシコって寝よ。
えー。ただいま、シャア大佐が演説をぶち上げています。宇宙世紀憲章とか言ってますね。いや、誰がそんなの信じるねん。スペースノイドは選挙権が欲しいから信じるか……
連邦政府は議員数も少ないし、官僚組織が特権階級となっている。図体がデカすぎるのだ。だから、賄賂も蔓延っているし、政策も現実的ではない。
シャア大佐の取った手段は割と良い手段ではないだろうか? 武力で勝てないから、言論で戦うというのは正当だ。それに、ハマーンが死んでいるのでザビ家やジオンの後継者は、シャアを除けばもうほとんどいない。ジオン残党を纏め上げるのに、格好の旗印だ。
しかし、問題は連邦軍が健在であることだ。エギーユ・デラーズによるコンペイトウへの核攻撃や、コロニー落としが成功していれば連邦軍は弱体化したかもしれない。そうはならなかった。そうはならなかったんだよロック。
シャア大佐は、このまま政治家として生きていくのだろうか?
えー、シャア大佐がザビ家の復讐装置があるとか、撃っちゃおうかな〜って脅してます。スペースノイドの参政権を認めなければ、アスタロスをバラ撒くそうです。
なるほどなぁ。いや、普通に上手い手段だな。
連邦憲章という正当性のあるものによって、スペースノイドの参政権の解禁を要求しつつ、従わなければテロを行うということか。
地球やスペースコロニーにアスタロスをバラ撒かれれば、食糧危機によって人類が滅ぶかもしれない。これは、従うしか無いですね。
そんな事態を防ぐためのロンド・ベルですが、うちはアクシズとドンパチしていたので、シャアの陰謀に手が回っていない。つまり、ハマーンもアクシズも囮だったのだ。
ハマーンには囮としての自覚もなかったのではないだろうか。
クソ。シャア大佐って敵に回すと厄介過ぎるな。