東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第一話 開かれた『裏』のセカイ

5月の昼下がり、俺、朝霧優斗は自室のベットに転がりながらパソコンをいじっていた。

 

今は高校1年で、ゆったりと青春を過ごしている。

 

始めは厳しい生活になると思ったが、慣れてしまえばつまらない。県内トップクラスの高校に入ってみたけれど勉強は簡単だし、目標もない。

 

 暇なら勉強しろと言われそうだが、簡単すぎてつまらん。県内トップクラスの高校に入ってみたけれど驚くほど簡単な授業だった。

 

 ちなみに父と母は二人とも長期出張が多くて、家にいるのは俺だけ。あと妹もいるけどわけあって家にいることが少ない。つまりぼっちである。

 

 なにか暇つぶしをと、妹から教わったのが一つある。それが東方project。

 

 東方は少女たちが幻想郷というこの世界の裏側で、異変を解決しながらまったり過ごすというゲーム、あるいはマンガだ

 

 しかも『二次創作』という、いわゆるパロディが大変盛んで、ネットを掘ればいくらでも情報が出てくる。

 

 パソコンを肌身離さず持ち歩いている身にとって、東方はなかなか楽しいものだ。まあ、始めて一か月なんだが。いまはパソコンの辞書サイトで東方について調べている程度。

 

 けれどただ調べているだけではつまらない。東方の二次創作は、『同人誌』といわれる個人が出した印刷物を売るのが大変盛んである。

 

 今から出かけるのは、そんな同人誌を大量に取り扱っている店だ。

 

 持っていくものはいつも決まっている。お茶にスマートフォン、忘れてはいけないのが、パソコンとプリンター。二つとも小型で持ち運びができる。科学進歩は素晴らしい。パソコンが1キロを切るなんて昔の人は思いもしなかっただろう。

 

 5分ほどで支度を終え、一軒家のドアを開ける。

 

「ん?」

 

 足元を見てみると地面がない。えっ? なんだこれ。

 

 足をばたつかせても何も感じない不思議な感触が襲う。

 

 地面に穴が開いていても、重力は作用している。つまり、

 

「うわーーーーーー!」

 

 そのまま吸い込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて……」

 

 ここはどこだ?

 

 目の前には湖が広がっている。地面はふさふさの草だ。

 

 えーっと確か穴に落ちて……なるほど落ちた先がここなわけだ。

 

 あたりを見渡すと、森や湖が

 

「ぎゃーっはっはっはっはっ!みんな凍らせてやる!」

 

 甲高い声が聞こえた。 

 

 えっ?だれだ?

 

「凍っちゃえ! みんな凍っちゃえ!」

 

 だんだんその姿が目視できるようになってくる。

 

 青い頭のリボンに透き通るような水色の髪。青い服の胸元には、赤いリボン。そして特徴的なギザギザをワンピースの下のほうにあしらっている。

 

 えーっと、以前イラストを見たことがある。

 

 確か……湖上の妖精、チルノだ。ってことはここは幻想郷か。

 

 いろんなものを凍らしている。こっちに向かってきているということは、俺も対象の1人なのか。死の危険を感じるのは気のせいではないだろう。 

 

 そんなことを考えているうちにチルノが迫ってきた。

 

「みんな凍らせてやる!」

 

 反射的に目をつぶり、覚悟を決める。 

 

 だが、体が氷漬けになることはなかった。

 

「だめ、チルノちゃん!」

 

 チルノを突き飛ばす人がいたからだ。

 

 チルノと同じくらいの体格をしている女の子が制止をかけると、チルノはそちらを振り向いた。助かった……

 

「ん、なに大ちゃん。」

 

「よく見てよ。あそこに人間がいるよ」

 

「あ、ほんとだ。気が付かなかった」

 

 普通分かるだろ。――いや、チルノって天性のバカだから、仕方ないか。

 

 心の中でツッコミを入れると、俺は大ちゃんと呼ばれた子のところに行った。

 

 緑の髪にそれに合わせるかのように透き通った緑眼。サイドポニーに黄色の髪飾りがよく似合っている。顔はとても整っていたが、まだ幼い。真っ青な服がチルノと似ていて姉妹のようだった。えっと確か……

 

「助けてくれてありがとう。俺は朝霧優斗。」

 

「こんにちは。大妖精と申します。あなた見かけない顔ですね。どうされたのですか?」

 

 そうそう、大妖精という名前だったな。本家東方では名前が明かされず、二次創作で名づけられたそうだ。まさか実際の名前だったとは。

 

「実は外の世界からきて……」

 

 俺は幻想入りしたことを説明し始めた。

 




ということで、第一話でした。完全に優斗の設定説明回ですね。

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ではまた!
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