「は~夏休みももう終わりか。」
夏休みもあと一週間となり、大妖精の宿題も佳境になっていた。
「よし。読書感想文はこれでいいな。―――これで…」
「終わったね!」
「ああ、やはり夏休みの宿題は最大の敵だったな。よく頑張った。」
「これで夏祭りに行けるね」
宿題が終わらないと夏祭りに行かせないという慧音の脅しがあったようで、チルノは大丈夫かなーと思った。
そんな大妖精たちの苦労もあり、夏休み最後にして最大のイベント、人間の里での夏祭りを迎えた。
「幻想郷の夏祭りか~どんなんだろうな~」
俺の世界と同じなのかな?と、考えている内に大妖精が来た。
「おまたせ~」
あれ?いつものワンピースじゃないぞ。
「―――珍しいな、浴衣なんて」
全体的に緑で帯は青の浴衣を着ていた。
「まあ、たまにだからね。どう?」
「うん、いいんじゃない?―――じゃ、いこう。」
嬉しかったのか、少し微笑んだ大妖精と共に人間の里に向かった。
へえ、やっぱり夏祭りってのはどこも同じなんだな。夜店もちゃんとあるし、最後には花火もあるらしい。
「久しぶり優斗!」
「あら優斗。こんにちは」
「おう、大妖精と一緒か!」
「みんな久しぶり、チルノにアリスに魔理沙」
やっぱりみんな来ているんだな。みんな浴衣だ。はやっているのかな。
「チルノ、宿題は大丈夫だった?」
「も~あたいの事をバカにしすぎだよ!」
「ごめん、ごめん。」
「私たちは協力して何とかなったんだぜ!」
「ええ、疲れたわ…」
アリス、顔がまんざらでもない感じだが…まあいいや。
「あれ?大ちゃん優斗に―――」
「あわわっ、だめだめ!」
「おっと、ごめんごめん」
「大妖精、ちょっとこっちこい」
なんか魔理沙とアリスが大妖精に何か言っているようだが…聞こえない…なんだろ?
「おまたせ~」
「大丈夫?なんだか暑そうだけど」
「う、うん大丈夫。行こう」
ガールズトークというやつかな?
やはり祭りといったら夜店だろう。
「あっ、射的!」
おなじみ射的がある。ただ、『弾幕とかその他コルク銃以外使用禁止』と書かれているところ
が幻想郷らしい。
「どう、やっていくかい?」
「はい、お願いします。」
まずは大妖精。
バスバスバスッ
五発すべて外してしまった。
「う~ん難しい」
「よし、俺だな」
別にほしいものもないので、大妖精が狙っていた上海人形のような洋風の人形を狙うことにする。
「いいか。射的の景品は当たると確実に獲れるところがある」
俺は頭の中であの人形の弱点を考える。気分は草むらに隠れるスナイパーだ。
「普通に考えて中心だが…あの持っている右手にある槍を計算に入れると…」
タァン
俺の放ったコルク弾が槍を持っている側の体に当たる。そのままくるくると回転し…
「おめでとう! ゲットだよ!」
「よし」
「やった!」
と、景品を手に取った時、
「あ、それ私のよ!」
アリスが来た。あれ本当にアリスのだったのか。
「落としていたのよ」
「あれ? あなたのだったんですか!? 商品にしちゃいました。」
「じゃあ、返すよ。」
「ありがとう。―――お礼といってはなんだけど、魔力の入ってないのをあげるわ。いまちょうど二個あるから。―――はい。」
お、ラッキー。なんか二つに増えたぞ。
「ありがとうアリス!じゃあ、一個は私で、もう一個は優斗に。」
「おっ、ありがとう。」
ちょっと高校生の俺が持つには不自然だが、幻想郷に職務質問はない。
人形を見ていると、不意に横から声が聞こえた。紫である。彼女も射的をするらしい。
「優斗見てなさい。計算しなくても撃ち落とす方法を教えてあげるわ」
計算しないとは――なるほど。スキマを使って……
と、俺が考えている内にスキマを使って賞品のすぐ前まで移動している。それ反則だと思うのだが…
「もらった! ―――ごはっ!」
「あんた何やってんの! ――ごめんなさいねこのスキマ妖怪が迷惑かけて。」
どうやら一緒に行動していた霊夢が後ろから殴り飛ばしずるずると引きずっていく。すごく怖い…
そんな一騒動もあったが、いよいよ目玉の花火が始まった。
「よっと」
大妖精が「人が少ないところが見やすいよ。」と、アドバイスをくれたのでメイン会場の後方に座る。
ヒュウウウ―――パーン
「わあ……」
「きれいだな……」
様々な色の花火が空に放たれる。
「今日は射的ありがとね」
不意に大妖精が口を開いた。
「いや、あのくらい簡単だ」
なんか大妖精の様子がおかしい。声が上ずっている。
「そういえば慧音が変身した時も助けてくれたね。」
「え?―――ああ。」
あの時はみんなテンパってたなー。―――ってどうしたんだ。顔赤いぞ。
「私…私…―――」
ちょうどその時、
ドッパアアン―――ワー!
「わっ!」
この日一番の花火と歓声が起こり、大妖精が驚いた。
「大丈夫か」
「うん」
なんか真面目だったので深くは聞かないでおこう。
こうして夏祭りは終わった。
夏休み最終日。
「なんでまたここに連れてこられたんですか」
また紫に言われてある所に来た。何の用だ。なんか映姫校長もいるぞ。
「いや、実はね。この前のテストの採点が終わったのよ。すごいわねほとんど正解よ」
「できて当然です」
あれは簡単すぎた。内容が中学生だったぞ。
「そこであなたにお願いがあります」
映姫が改まった口調で言う。(身長は大妖精と同じくらいだが)
「あなたに――」
映姫の提案を聞いて、胸が高まる。
「――わかりました」
二つ返事で了承した。
と、いうわけで第十一話です。
宿題…どこの世界でも大変ですね。
しっかし優斗は射的までちゃんと考えるなんてさすがですね。そして映姫先生の身長のことについて触れるなんて度胸ありますね。
最後に優斗が承諾したこと。お分かりでしょうか!?
ではまた十二話でお会いしましょう!