第十二話 『社会人』優斗
「いってらっしゃい」
と、いつものように大妖精を見送る。
だが俺はいつもの通りでは無い。
「あ~これで最後か……」
ガチャ
大妖精の姿が見えなくなってから、ドアを開け外に歩いていく。眼前には真っ黒な空間が広がっていた。
「どうも」
俺がやってきたのは狭く、暗い部屋。―――そこに紫がいた。
「あら、こんにちは。ちょうど時間よ」
「時間は守るたちですから。それではお願いします」
「ええ。もう覚悟はできているのね。」
「はい」
「ではいくわよ!」
目の前にスキマが広がる。
「ふう」
目を閉じていた俺の周りに声が聞こえる。
ゆっくりと目を開けると、大妖精やチルノ、魔理沙やお空などが机に座っていた。
「どうも。新しく幻想高校の先生になりました。朝霧優斗です。よろしく。」
ここは一年一組の教室。いまスキマでワープした。
今ので全員理解してくれただろう。
大妖精の通っている学校の先生になったのだ。
前のあのテスト、あれは先生になれるかの試験だったらしい。もっともあのレベルではかなり心配だが。
「はい、というわけで優斗先生はスクールアシスタントとして、みなさんに勉強を教えてくれることとなった。――ではこれでホームルームをを終わりにするぞ」
慧音が話を締め、生徒には衝撃的だったホームルームが終わった。
終わった後歩いていると……
「ねえねえ、どういうこと!」
「え? ぐわっ!」
あまりに驚いた大妖精から後ろから突き飛ばされた。
「教えろ優斗!」
「ぐはっ! 背中に乗るなチルノ……」
ついでにバカルテットに潰された。
大妖精はチルノを引きはがすと、俺に疑問のまなざしを向けてきた。
「ねえどういうこと? 優斗が先生になった? ――とにかく説明!」
フラフラになった俺は経緯を説明する。
「へ~私たちに勉強を教えてたら…」
「先生になってと頼まれた!?」
「さすが優斗なのかー」
「すごいわね!」
みんな口ぐちの感想を言う。
「と、いうわけでこれからはいろんなクラスに勉強を教えに行くことになったから」
そんなこんなで全体の学力向上のため尽力することになったのだが……
「甘かった……」
全身が重い。体力がもう尽きかけている。
たとえば国語。担当は霖之助先生なのだが、他の先生の暴走を止めるために走り回って授業にならなかった。理科は幽香先生がみんなをぶっ飛ばし、体育はおなじみ弾幕ごっこで死にそうになった…
もちろんこの他にも無数にエピソードがある。とにかく俺の高校と違いすぎて、肉体的にも精神的にも疲れた午前中だった。
―――しかし、授業だけで終わるわけではない。
「うあー」
お昼、職員室に戻った時にはぼろぼろになっていた。
「大変そうだね」
と、疲れた俺に声をかけたのは、国語担当の霖之助先生だ。
「ええ。みんなのパワーがすごいです」
「そんなことだろうかと思って……――はい。」
「あ。ども」
もらったパンをかじりつつ、霖之助先生と話す。
「そういえば霖之助先生って、俺が来るまでずっと男一人だったんですか?」
「え? そうだけどそれが?」
「なんという無自覚ハーレム……」
たわいもない会話をしていたその時、
ピーンポーンパーンポーン
「え?なんだ?」
いきなり校内放送が流れた。―――この声は…永琳先生だ。
「え~今日スープが配られたと思います」
へーそうなんだ。そういえば俺購買行ってなかったな。
「あの中には私お手製、性格が変わる薬が入ってまーす!」
えっ?―――でもどうやって?
「なんだかおもしろそうだったから協力したわよ~」
この声は…購買部の幽々子先生だな…
「効果はこれから二十分後から。午後の授業はお休みにしてもらったから存分に楽しんでね~」
そこで放送が切れた。
思わず身震いしてしまった。永琳先生の薬だったら効果は抜群だろう。いったいどうなってしまうのか。
俺を洗礼するかのように午後が始まる。。
と、いうわけで第十二話です。
優斗も言っているのですが、これってハーレムですかね?タグ追加したほうがいいかな?いや、霖之助先生がいるから……微妙なラインですね。
、皆さんお分かりの方もいると思いますが、優斗が先生になったことでさらに『幻想高校の日々』とリンクします!お楽しみに!
ではまた!