「なるほど…幻想入りですか…」
俺は、あの後時間をかけて事情を説明した。この女の子は大妖精といって、いつもチルノと一緒にいる。と、辞典書いてあった。つまり、やはりここは東方の世界というわけか。
「ああ。大妖精、帰る方法を知らないか?」
所詮はただの妖精、知るはずがないだろう。
「知ってますよ」
なるほど。知っているのか。そういえば大妖精は知的キャラだったような気がする。手のひら返しもいいとこだな。
「八雲紫先生が戻してくれるかもしれません。」
なるほど、そういえば紫のスキマはどこでもつながっていると聞いたことがある……ん? 先生?
「なんで紫が先生なんだ?」
「えっ? 紫先生を知っているんですか!」
『八雲紫』は知っているが、『紫先生は』知らない。そのことを聞くと、大妖精は早口で説明した。
紫が幻想高校という、幻想郷の人々が通う学校の教師であること。そして自分は幻想高校に通っていることを。
初め、幻想郷に学校があるということに少々驚いたが、本当に霊夢とか魔理沙がクラスメイトらしい。
「……と、いうわけなんです」
へ~なるほど。そんな話は聞いたこともなかったな。あの紫が先生ね、確かに似合ってる。
「ところでどうやったら紫先生は来るの?」
「たぶん呼べば来ると思います」
「おーい、紫先生~」
「はいはーい!何かしら?」
早いな。紫は幻想郷一の切れ者だったはずだ。それに落ち着いたキャラだとも……パッと見、若作りしているおばさんみたいだ。言うと絶対怒るだろうが。
「話は聞いていたわ。外の世界の人間なんていつ振りかしら」
「確か一番最近は早苗ですか?」
「あら、よく知っているわね」
どうも俺の目的は分かっているようで、何とかなりそうだ。
「それで俺は戻れるんですか?」
俺は期待して聞いたのだが、
「残念ながら、あなたの世界のスキマが見つからないのよね~。じゃ、そういうことで!」
声をかける暇もなく、紫先生は行ってしまった。あっけなかったな。
ふむ……どうしようか。
目を閉じ、じっくりと思案する。頭の中でいろいろな考えが回るが、結局導き出された答えは一つ。
今現在、幻想郷から出られない。うん、どうしようもないな。
「残念でしたね……」
「んん……」
とするとここで暮らすしかない訳だ。
「これからどうしようか……」
と、俺がつぶやくと、大妖精が思いもよらないことを口にした。
「だったら、私の家にきたらどうですか? 何もありませんけど……」
「えっ? でもそれじゃ迷惑がかかるだろ」
「いえ、かまいませんよ」
「けど……」
「いいんです!」
詰め寄られてしまった。こちらをキラキラとしたまなざしで見上げてくる。ちょ、顔が近い……
「じゃあ、お願いします」
「湖の近くなので、すぐです。行きましょう」
大妖精がくるりと背を向けた。
ん? 今、大妖精が小さくガッツポーズした?まあいいや。
そのまま大妖精の家へと歩いていく。
さて、こちらは先ほど呼ばれた紫。今は白玉楼で幽々子とだべっていた。
「ねえ、紫。」
「ん、なに幽々子。」
「さっきの大妖精とのやり取り、見ていたわよ。あなた戻そうと思えばあの男の子戻せたでしょう?」
ゆったりとした口調で幽々子が質問する。
「まあ、そうだけど」
一拍置いた後、
「なんだかあの子がいると楽しそうな気がするわ!」
不敵な笑みを浮かべた。それはまさしく、獲物を見つけた狼だった。
ぐ~
笑いに呼応するかのように幽々子のお腹の虫が鳴った。相変わらずの大食いっぷりだ。
「なんだか、お腹が空いちゃったわ~あなたも食べていくでしょう」
「そうさせてもらうわ。」
「わかったわ。妖夢~!」
「はい~」
ちなみにこれで幽々子は5食目である。
「着きました。ここが私の家です」
おお、なかなかいい家だ。
「さあ、中へどうぞ」
整理されててオシャレなのかな…
あんまりそういうのには興味がない。男子高校生には未知の世界だ。
「じゃあこれからよろしくな」
「こちらこそ」
こうして俺と大妖精の生活がスタートした。
紫先生はこれから重要なキャラになってきそうですね。
先生といっても何の教科なのでしょうか?それは幻想高校の日々で!(宣伝でゴメンナサイ)
ではまた!