東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第四十七話 優斗錯乱中

「わかりましたか優斗先生?」

 

「はい……」

 

「よく聞こえません。返事はしっかりしてください」

 

「はい、承知いたしました……」

 

 西日が窓から差し込み、頭がふらりとする。

 

 説教のフルコースを浴びせられ、現在午後の4時。校長室に呼び出されたのが昼休みだから、4時間近くも正座させられたことになる。

 

 けど、6時間以上続かなかっただけ、まだマシだと思えてしまうのはなぜだろう。理由はわからないが、涙が出てくる。

 

「失礼しました……」

 

 いつもより数倍重く感じる校長室のドアを閉め、地獄の閻魔が見えなくなる。やっと……、やっと終わった……。

 

「いやー、不運でしたね。あそこですぐに逃げられれば良かったんですが。まさかあそこまで気配を消してくるとは」

 

「お前元気だな……」

 

「慣れって大事ですよ」

 

 さとりは至って平常運転だった。なんであの精神をエグってくる長話を聞いて、ピンピンしているんだろう。どれだけ普段から怒られているのか、想像もしたくない。

 

「しっかしもう4時ですか。一番いい時間を逃してしまいましたね」

 

「もう俺は絶対やらんからな」

 

「もういいですよ。付き合ってくれてありがとうございます。これは追加報酬です」

 

「報酬って……」

 

 もう一個チョコをもらった。さとりは何個用意してるんだ? 問屋ごと買い占めてたりしたのだろうか。

 

「……あれ?」

 

 なんでチョコ? なぜさっき、さとりからチョコもらったんだっけ?

 

「ほら見てください、皆さんからの視線が変わってますよ。さっきはあんなに冷たかったのに今はこんなにほほえましく……」

 

「憐みの目だよな完全に」

 

 さとりの軽口で、少し意識が覚醒する。 

 

 先ほどから下の真ん中を歩いているが、周りから、「あー、校長の逆鱗に触れたな」という視線が矢継ぎ早に刺さっている。

 

「そんなことあるわけないですよ。――じゃあ聞いてみますか。ああ、チルノさんがいますね。ねえねえ、今どんな気持ち……」

 

「ちょっと待った。それはさせない」

 

 映姫のように強くさとりの襟首を抑える。

 

「うわっ、またですか。何も変なことしませんよ」

 

「なあ、小さい子を汚してそんなに楽しいか?」

 

「はい! とっても!」

 

「…………」

 

 無言でパソコンを開く。

 

「ちょ、目がマジになってますよ」

 

「冗談だ」

 

 こいつがクズってことは前から知ってることなので、もうイラッと来ることもなくなった。

 

 慣れって大事だな。

 

「ではチルノさん、どうでしたか」

 

「ちょ……」

 

 いつの間にかチルノのもとへ回り込んでいた。さとりは無意識系スペルも使えるのかって思うくらいの早業だった。

 

「えっと……優斗!」

 

「えっ、俺か?」

 

 唐突に俺の名前が出た。少し意識がはっきりした。

 

「大ちゃんが家で待ってるよ! じゃあね!」

 

 それだけ言い残し、背を向け走り去っていく。

 

「ああ、待ってくださいよう!」

 

 さとりの制止も聞かず、廊下の角を曲がり見えなくなった。

 

 大妖精が待ってるって……いつものことじゃないか。何か今日特別なことあったか?

 




第四十七話でした。今日は何の日?ねのひだよ!(ほんとは2月14日だよ!)

完全に優斗精神折られてますねー。説教四時間なんて考えるだけで恐ろしい……

今回短めですが、次回でバレンタイン編終了かな?もう少しお待ちください!

では!
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