東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第六十一話 思い出せない『あいつ』

「うう……」

 

 永琳からもらった薬が強力過ぎる。飲んで数分で寒気がするほど熱が下がり、身体が自由に動かせるようになった。こんな経験はもちろん初めてで、なんだが不思議な感覚だ。

 

 といっても無理しすぎてはいけない。あくまで日常生活程度の運動しかできないため、慎重に行動する必要がある。

 

 そんなわけで、現在二日ぶりに外に出て、湖の横をゆっくりと歩いている。水で冷やされた風が全身に当たり、とても清々しい気分だ。普段はそんな気にしないのだが、神経が敏感になっているのだろう。

 

 学校までは歩いて20分ほど。ただ、今は大事を期しているので、25分ほどで着くだろうか。

 

 湖を抜けると、当然舗装されていない砂利道が続く。両隣にある何本もの高い木が、道全体覆っている。あそこにあるのは……地蔵だな。

 

 いつもなら見過ごしていただろうが、こうして周りを見渡しながら登校するのもなかなか風情なことだ。確か6体ほどいたはずだ。せっかくなのでお参りしていこう。

 

「……どうも」

 

 しゃがんで合掌し、目を閉じて感謝を言う。神様でも、仏様でも、イエス様もブッタ様も、困ったときにはお願いしておいたほうが得だ。いかにもマミゾウが化けていそうな古い地蔵でも、ご利益があるのだから。

 

 1、2、3……7体もの地蔵様に、いつも見守っていただいている。インフルになるくらい無理をしてはいけないな……あれ? 7体も連なってたっけ?

 

 記憶違いだろうか。もう一度よく見渡してみる。すると、

 

「変だな……」

 

 1体おかしな奴がいた。普通の地蔵は紺色だが、そいつは真っ黒。他の6体は俺の膝くらいの高さなのに、腰くらい。丸々としているところは地蔵と似ているが、身体の半分くらいが頭で、目だけが白抜きになっている。

 

 間違いない、こいつは偽物だ。なんで今まで気が付かなかったのだろう。

 

 それよりこのニセ地蔵、どこかで見たことがあるんだが。やはり病原菌はまだ、俺の体をむしばんでいるようでなかなか思い出せない。

 

 確か、魔理沙と弾幕ごっこをやりあった時に……。なんでこいつの記憶があるんだ?

 

 えーっと、こいつが魔理沙の式神だと思ってて、その後……。

 

「ああっ⁉」

 

 記憶のピースが一瞬でつながった。それと同時に、真後ろへ飛びのいた。

 

 その瞬間、その位置にうどんげがよく使う、座薬弾が飛んできた。

 

 やっと正体がわかった。いつもなら速攻で気付いているのに……薬はあくまで、身体をごまかしているだけなんだな。

 

 間違いない、こいつは魔理沙とチルノと大妖精と俺で弾幕ごっこ大会をやった時に、いきなりおれたちを襲ってきたやつだ。

 

 なぜ今……と考えたいのは山々だが、あいにくこの式神もどきを撃退することが先決だ。

 

 大妖精に固く止められていたパソコンを開き、式神の方向へ構える。すまないな、非常事態なんだ。

 

 式神を真正面に見据えて、今すべき最善のことを考える。

 




第六十一話でした。こちらが進みすぎているので、今回は少し短めです。

今さらですが、シャドバなるものを始めてみました。ネクロマンサーを極めてやるぜ!

あとツイッターなるものもやってみたので、そのうちハーメルンとつなげるかもしれません。

では!
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