東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第六十七話 試合開始

「ちょちょちょ、なんであなたがここにいるんですか?」

 

 固まっている大妖精とは対照的に、大声を立てて小悪魔は抗議する。

 

 早苗は一年二組の生徒なので、全く問題はない。驚くべきはその隣にいる、ちびっちゃい土着神のほうだ。諏訪子は教師でもなければ、当然生徒でもない。

 

 無関係なものが助っ人として大会に出る……えっと、確か前にもこんなことがあったような。

 

「前回の弾幕ごっこ大会の美鈴さんと咲夜さんですね。あれは強すぎた」

 

「ああ、そうそう。――それをクラス対抗で持ち出してくるか……」

 

 完全に予想外だ。早苗の奇跡ももちろん強力だが、諏訪子はさらにその上をゆく。神様が、エクストラボスが、弱いはずがない。

 

「小悪魔さん、これには深いわけがあるんですよ!」

 

 小悪魔を指差し、勝ち誇った顔で早苗が叫ぶ。

 

「なんですか? まさか無双するためなんてよこしまな考えじゃありませんよね!」

 

「まさか! うちのクラス19人なんですよ!」

 

「それがなにか……あっ」

 

「ご名答。奇数なんで余ったんですよ! ――あれっ、なんだか目から汗が……」

 

「こあちゃん、なんだか勝てそうな気がする」

 

「奇遇だね、私もだよ」

 

 早苗のメンタルはボロボロだった。これなら可能性はまだ残っている。

 

 こちらは種族的に力技を使えない妖精と悪魔。かたや風神録の主役を張った実力者。力の差は誰の目から見ても明らかだが、大妖精たちには磨き抜かれた技と連携がある。あとは2人を信じるのみだ。

 

「さて、準備が整ったようだね。ではこれより、弾幕ごっこ大会第5回戦、大妖精&小悪魔チーム対早苗&諏訪子チームの試合を始める。両者とも、正々堂々楽しくやるように」

 

 流ちょうに霖之助が宣言をして、火ぶたが切って落とされる。

 

「開始っ‼」

 

「開幕一番!」

 

「うわわっ!」

 

「いきなり多いんですよ……! ――大ちゃん、私の後ろに!」

 

 開始数秒であいさつ代わりに早苗が大玉をたたき込んだ。あれはあたり判定が小さく見かけ倒しのことが多いのだが、量でカバーしていた。

 

 一方で大妖精は小悪魔の背後に回って、後ろから粒弾を放って最低限の処理を行う。前方からしか飛んでこないため、まだまだ余裕そうだ。

 

「むふふー、もちろん早苗だけじゃないよ?」

 

「っつ! それは結構厳しいんですがね‼」

 

 空中に埋め尽くされた大玉の隙間から、レーザーが噴出してくる。これはどうやっても消せないので、小悪魔は真上へ急速飛翔する。

 

 小悪魔が避けると大妖精が……と、一瞬頭によぎったが、心配はいらなかった。小悪魔の真逆、地面すれすれに移動していた。ここまでくれば、大玉もレーザーも射程圏外だ。

 

「もう移動したの? さすがすばしっこいね。どうする早苗?」

 

「とりあえずは様子を見ておきますか。相手のカードを切らせておきたいです」

 

「了解、――くるよっ!」

 

 上と下から、一気に近づいていく。神に一撃を食らわせるためには、遠くからいくら弾を撃ったって届かない。リスクを覚悟してでも、懐に入るしか方法がない。

 

「一気に行くよ、手筈通りに!」

 

「うん! 網符『フェアリーズネット』!」

 

 早苗たちの足下5メートルにもぐりこんだ大妖精は、早くも1枚目のスペルカードを繰り出した。

 

 澄んだエメラルドグリーンの網で相手の行動範囲を狭める。さらに網を上の方に移動させて、早苗たちを追い詰めていく。

 

「大妖精ちゃん、いくら一方向だけ塞いだからって、ここは三次元。逃げる方向なんていくらでも……ちぇっ、なかなかやるね。土着神『ケロちゃん風雨に負けず』」

 

 さすが諏訪子、気づいたか。大妖精と小悪魔がこっそりと背後から弾幕を出して、諏訪子の周りを囲んでいた。しかしそこは実力者、いや、実力神か。物量のあるスペカを素早く発動して、弾をほとんどかき消した。

 

 大妖精と小悪魔の十八番であるフェイントをかけて相手を惑わしていく戦い方は、チルノ相手なんかだと即効で勝てるのだが、そう甘くはないか。とはいっても、弾幕の量、スタミナは差がある。なるべく早いうちに決めなくてはどんどん苦しくなっていくな……。

 




第六十七話でした。諏訪子のスペルを全く知らないにわかうp主が通りますよっと。

一応これ、優斗視点の一人称です。話に出てこない優斗視点で書くことの難しさよ。

では!

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