東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

76 / 96
第七十六話 圧倒する幻想郷

 弾速が一番速かったのは、さとりが放ったファイナルスパークだ。あれは光の塊なので瞬時に拡散する。

 

「吹き飛べ吹き飛べー! 優斗さんが唇をかむくらいに!」

 

「俺はもうお前に敵わないって割り切ってるから、そんな感情わかないぞ」

 

 超威力のレーザーは前方90度にいた式神達にクリーンヒット。当たった瞬間式神は声の高い断末魔をあげ、光の粒子とともに消え去った。

 

「じゃあ次は私ね~。我が手から伸びし冥府の蝶達よ、今こそ相手を打ち砕くのだ! ――かっこいい?」

 

「わー、すごくかっこいいー」

 

 中二病な発言だったが、その威力は本物だ。紫の周りから放たれた蝶々が敵の懐めがけて一直線に飛ぶ。もちろん、蝶々は式神とぶつかった瞬間、死への道へと彼らをいざなう。

 

「よっし、残ったのは俺たちで全滅させるぞ」

 

「うん、任せて!」

 

 仕上げに、細かい操作が得意な俺と大妖精が1体ずつ処理していく。

 

 俺も大妖精も、前より弾幕をとばす精度が上がっていて、自分たちの成長が感じられる。

 

「う、うそ……」

 

「あれれ、もしかして私の出る幕はないですか?」

 

「そうみたいですね。まあ体力を残しといてください」

 

「こんなにあっさりと……」

 

「なんだ、この程度ですか?」

 

「それが巷で話題のさとり顔ってやつ?」

 

「あの、地上の方、聞いています?」

 

「ほらみんな落ち着いて次……ああごめんなさい、なんですか?」

 

「いえ、その、――やっぱいいです……」

 

 兎が言葉を発せないほど驚いている。というか正直、俺の心臓もバクバクだ。

 

 ものの数分で敵の一大隊を壊滅してしまう、最強の幻想郷軍団。そのリーダーっぽいことをしているのが、いまだに信じがたい。もちろんみんなの強さにも感服だけど。

 

「え、なにが起こったの……」

 

「……敵が消えた」

 

「もしかして、あの人たちが……」

 

 建物の陰から、1人、2人と兎たちが顔を出す。やはり、高速で壊滅させてしまったことに理解が追い付いていないらしい。

 

「なあ、悪いがここの兎たちに状況を説明してもらえないか。もうこの辺りは平気だから他のところへ向かってくれって。俺たちは先に行ってるからさ」

 

「北都には私がとっておきの結界を張っておくわー。破れるものなら破ってみなさいって胸張れるくらいのね」

 

「はあ……わかりました……」

 

 いまだぼーっとしている兎に目もくれず、北都の出口へ走っていく。

 

「……速くね?」

 

 突っ走ってる中、ふと今までの行動がよみがえってくる。手紙が来たかと思えば即座に出発、そして即決即断、敵を撃滅。

 

 あれ、異変ってこんなスピーディーに事が運ぶもんだっけ。

 

「それは優斗さんが優秀すぎるだけでは? 霊夢さんだと3か月くらいたってから重い腰あげますから」

 

「それはうれしいけど、お前に褒められるとなんか裏があるって疑うぞ」

 

「別に間違ってないと思いますけどね」

 

「なんだか優斗が疑い深くなっている……」

 

「大丈夫だ大妖精、さとりとゆかいな仲間たちに対してだけだから」

 

 特にめちゃくちゃ敬語使ってくるのが危ない。さとりに小悪魔、早苗……こうして考えてみるととんでもない奴ばかりだ。

 

「優斗、次はどこ行くの? このまま真っ直ぐ?」

 

「そうだな、南都に行こう。1つずつ潰してくぞ」

 

 北都からひたすら真っ直ぐ進み、再び中央街を通り抜ける。

 

 相変わらず多くのけが人が運びこばれている。永琳がうまい具合にやってくれるだろうが。

 

「みんなー、分かってると思うがこのまま前進だ。南都の敵を撃滅させるぞ」

 

『私もお供する』

 

「うわ、いつからいたんだ」

 

『背後からこっそり』

 

 クスりと笑みを見せたのは、地下室から出てきたのであろうサグメ。

 

『南都では私の友人、ドレミーに指揮をとってもらっている。今のところ何とかもっているが、時間の問題よ』

 

「わかった、急ごう」

 

 最強パーティに月の司令塔を加え、ますます死角がなくなってきた。

 

 またマラソンが始まるのだが、ただ走ってるのも味気ないのでサグメのほうに肩を向け、

 

「なあ、ちょっといいか」

 

『なに、手短にね。あと、能力発動しちゃうような発言はダメよ』

 

 あれ、ちょっとだけ言葉尻が柔らかくなってる? まあそれはいいとして、

 

「あの式神、幻想郷でも出てきたんだけど何の関連があるんだ?」

 

『というと?』

 

「いや、きっと敵は月世界の侵略が目標なのに、なんでこっちに何匹かまぎれたのか気になってな」

 

『それは……ああ、まどろっこしい』

 

「そうねー、いろいろ考えられるけど、」

 

「いーやー、サグメが喋ったー⁉」

 

「紫、動物扱いすると罰が当たるぞ」

 

「その発言も十二分に失礼だと思うのだけど……まあいい」

 

 はあ、と大きくため息をつかれた。ただ、少し考えた後、律儀に答え始めてくれた。

 

「これは結構な機密情報なんだけどね。月世界って、イザって時の遷都場所が想定されてるのよ」

 

「え、それってもしかして、」

 

 遷都なんて突拍子もないこと言いだしたと思ったが、すぐに辻褄が合う。

 

「そう、あなたの考えてるとおり。具体的に言うと能力発動しちゃうから言わないけど」

 

 幻想郷、ってことだよな。

 

「以前あなた、依姫様たちと旗取りゲームやったでしょう? それで豊姫様が幻想郷を気に入っちゃって。すでに何回かお忍びで幻想郷に行ってるのよ。えっと、どこだっけ、あの竹林の……」

 

「永遠亭だろ? ――それは初耳だ」

 

「恐らくそれが察知されてた。だから式神が潜入していたのだと思う」

 

「じゃあ万が一ここが陥落したら……」

 

「最悪の場合遷都になるわね。幻想郷にいる式神たちが黙っていないけど」

 

「ちょっと、私も黙ってないわよ。あなたたちが来たら幻想郷のバランス崩れるでしょうが。調整するの私なのよ?」

 

「だったらここで食い止めればいいだけの話だ。――南都に突入する!」

 

 おしゃべりもここまで、2戦目に突入だ。

 




第七十六話でした。さーぐーめ! さーぐーめ!(意味不明)

今日メロンブックスで同人買ったんですけど、大チル本かドレサグ本で迷って後者を買ったのです。つまり僕の好きなカップリングにドレサグが、最近上位に食い込んでるということです! はい、どうでもいいですね。

では!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。