「えっと、ここが南都の入り口か?」
しばらく走っていると検問所のようなところが見えてきた。もちろん、今は全く機能していないが。
『そうだ、正面から突っ込むか?』
「それは愚策だ、って普段ならツッコむんだけどな……このメンツならその必要はない」
「ちょっと、なによその私たちが脳筋みたいな言い方」
「詮索しすぎだ。チームワークがなってないと勝てないぞ」
個々の能力で何とかなってるけどさ。
その後ろでは大妖精とサグメがすでに打ち解けたのか、2人で喋っている。
「サグメさん、友達のドレミーさんってどんな人なの?」
『そうね……捉えどころがないっていうか、不思議な雰囲気な人ね。けど面白いからすぐに打ち解けれると思うわ』
「ふーん、どんなお話するの?」
『彼女夢の世界の住人でね、いろんな夢の話が聞けるわよ。おまけに敬語と普通の言葉が入り混じってるせいで、なんだか独特の雰囲気が出るのよね』
「すごいね!」
……敬語かあ。いい印象が思いつかないんだが。
「そうよねえ……やっぱり距離を感じちゃうわよね」
「普段100%敬語のかたは黙っていただけますか」
「ええー、私だって砕けた口調になることくらいありますよー」
「それはそれでろくでもないこと画策してるって疑うだけ」
「うう、針圧な……」
「うわー、優斗先生が泣かせた。どう思う映姫?」
「え、どう考えても……――、そういうことですか。優斗先生がすべて悪いかと」
「空気読まなくていいから」
さとりと紫の話なんて八割でたらめって思った方がいい。
「すみません、そろそろ助けて頂けるとありがたいんですが。すでに南都の部隊壊滅中なんですよ」
「ああ、ごめんなさい……え、スキマ?」
唐突に真上から声が聞こえたと思いきや、空間がゆがんでいて中から誰かが顔を出していた。
「いや、スキマとはちょっと概念が違うのだけど……、まあ、いいわ。サグメさん、この方たちが幻想郷から来た助っ人たちですね?」
『そうよ、南都のケガ人は全員撤退できた?』
「もちろん、みなさん気持ちいい夢を見てらっしゃいますよ」
青い髪と青い瞳。頭には赤いナイトキャップ。そして夢がどうたらという話。つまり彼女が、
『ドレミー、自己紹介を頼む』
「ええ、みなさんこんにちは、ドレミー・スイートと申します。普段は夢世界でのんびりしている獏ですが、月世界防衛のため狩り出されました」
「夢の世界……ってことはさっきのスキマみたいのも、」
「その通り、夢空間は便利ですよ」
確かに物理的な空間を無視できるな。
「ぐっ、何よあの能力……」
だが、ここに歯噛みしてる妖怪が1人。
「完全にキャラ被りじゃない……!」
「危惧してるのそこか」
スキマがいらない子になってしまうけど。ただドレミーは夢だが、紫のやつは今だ得体が知れないけど。
『ドレミーには月住人の避難を手伝ってもらってるの。ついでに南都防衛にも参加してもらってる』
「夢世界には『広さ』という概念はありませんからね」
「マズイマズイ、出番がとられるわよさとり」
「紫さんの能力に私ばりの敬語能力ですか……早々に対処しなければいけない案件のようですね」
「こらこら、物騒すぎるだろ」
あと敬語は能力じゃないから。
「あれ、その奥の方は妖精ですか?」
ドレミーの興味が大妖精に移ったようだ。
「はい、大妖精っていいます!」
「綺麗な羽ですね。――いえ、別に疑ってるわけではありませんが、こんな激戦地にいて平気かと興味を持ったので」
「その点に関して言えば何の問題もない。俺が保証しよう」
「ほうほう、あなたが言うなら大丈夫でしょうね」
「そんな信用されてるのか」
「ただの人間がここへ来れるわけ無いでしょう? 見たところ別に腕っぷしが強そうでもないし。――ってことは切れ者ってことよね」
「優斗は弾幕ごっこも強いんだよ!」
後ろから大妖精の援護射撃が入る。
「ほお、ずいぶんと信用されているようですね。――後で夢を覗いてみるとしますか」
「ちょっと待て」
ドヤ顔とジト目が入り混じった奇妙な笑いに危機感を覚える。やっぱり敬語は信用ならない……のか⁉
まあこれを突っ込んでいる暇もあるまいが。
「…………」
けど面白い顔だな。ドレ顔とでも名付けるか。
第七十七話でした。ああ~ドレ顔がぴょんぴょんするんじゃ~(意味不明)
話が全然進まなかったです。ドレミーさんの雰囲気にやられてしまった。訴訟。
では!