東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第八十一話 生真面目な依姫

「カーテン開けるときは一言かけてください! 人間としての常識です!」

 

 顔を真っ赤にしたとこまでは見えたが、そこで大妖精の規制がかかった。それが解かれたときには、手元のシャツを着ていた。

 

「ほら、私たち桃ばっかり食べてる天人だし……みなさんにご紹介をと思ってね」

 

「よく分からない御託を並べない! はあ……しかもこんな大勢引き連れて……」

 

 ジロリ、あきれ交じりの視線がこちらへ向く。あ、これ絶対俺見てますね間違いない。

 

 ジロリ、ジロリ、ジロリ、ジロリ、

 

「あのー? なんで皆さんこちらを向くのでしょうか?」

 

 そしたらいつの間にか14個の目がそろいもそろって集中した。

 

「そりゃ私たちは見てもなんとも思いませんけど、優斗さんは健全な男子高校生ですからねえ」

 

「これくらいで興奮するわけがないだろうが」

 

「あらー、依姫、あなたに魅力がないって言われるわよ」

 

「斬りますよ?」

 

 やったー、ツッコミ役が増えて負担が減ったぞー。……なぜかいまいち空しいが。

 

「ホントに何も感じないんですかー? ――あっ、そうでした。優斗さんは小さい女の子でしかハアハアできないんですものね」

 

「ロリコンのレッテルはそろそろ剥がしてくれませんかね……」

 

「大妖精さん、今すぐ2人で逃げましょう」

 

「校長まで参加しなくていいですから」

 

「優斗さん往生際が……そうか、小さい男の子の間違いですね」

 

「……もっと始末に置けないじゃないか」

 

 ダメだ……このままでは捌ききれなくなる。リスクは高いが、攻勢に打って出なければならない。

 

「とにかくおれは無実だが……お前はどうなんださとり」

 

「くっころ女騎士みたいでゾクゾクしました」

 

「よーし依姫、みじん切りで頼む」

 

 正直で大変よろしい。

 

「……あなたも大変ですね」

 

「月のトップにそう言っていただけてなにより」

 

「じゃあそろそろ本題に入ります? まさかただ覗きに来たわけではないでしょう?」

 

「そうだな」

 

 周りの甘言に惑わされずに己を貫く姫君、素晴らしいです。

 

「今回の異変の詳しい話を聞きたくてな」

 

「ちょっと待って、これ異変になってるの? だったら私が名前付けていいかしら」

 

 こっちの姫様は自由奔放だな……。

 

「いいですから、話終わるまでに考えといてくださいね」

 

「姉上は部屋の隅で丸まっててください。――優斗さん、まず現状報告を聞かせていただけますか?」

 

 ベットの上で正座になった。さとりではないが、騎士のような礼儀正しさだ。

 

「えーっと、とりあえず東西南北の都市は掃除しといた。紫の結界を張っておいたからもう心配ないはずだ」

 

「なるほ……え?」

 

「まあ特に強い敵もいなかったからな。けが人はここに運んでいる以外は、とりあえずドレミーに任せておいた」

 

「……あ」

 

「とりあえずこれ以上の被害を抑えることに全力を……」

 

「ありがとうございますっ!」

 

 まだ言い終わってないのに頭を90度下げられた。

 

「私が不甲斐なく倒れている間に……なんとお礼を言ったらよいか……」

 

「いやいや、俺達が来るまで抑えてくれたのは豊姫だよ」

 

「べ、別に敵が弱かっただけだし!」

 

「なんでツンデレなんだ……」

 

「それでも……地上部隊があんなに苦労してたことを片づけて頂けるのは、本当にありがたいです」

 

 伏せた頭を上げようともしないので、なんだかこそばゆい。

 

「これはきっとあれですね、この後『お礼といってはなんですが……私の身体、好きにしてください』ってなるパターンですね。公然プレイとはレベルが高い」

 

「今はネタをぶっこむ空気じゃないだろ」

 

「お礼といってはなんですが……私の身体、好きにしてください」

 

「お前はそれでも依姫の姉か!」

 

「……優斗? 約束したよね?」

 

「本気じゃないっ!」

 

 ああもう、話が進まない。

 

「もうお礼はいいから、俺が聞きたいのはその傷の出所だ。あの大勢いた奴らに負けたってわけじゃないだろ?」

 

「ああ、はい、まず確実に言えるのは、相手の主犯は3人だということです」

 

「まとめて戦ったのか?」

 

「はい……うまく乗せられました」

 

「そりゃあきつかったな。どんな感じだった?」

 

「はい、1人は体格が小さくて、残りの2人のことを『ご主人様』、『ご友人様』と呼んでいました。おそらく従者かと。主人の方がリーダ格で、嫦娥様のことを恨んでいました。異変の原因は恨みの可能性があります。友人のほうは特に何もなく……ただの興味で異変に協力しているように見えました」

 

「なるほど……分かった、ありがとう」

 

 少しずつ、異変の全貌が見えてきた。

 

「それで、これからどうするのよ」

 

 珍しく落ち着いていた紫に珍しくマトモな質問をされた。明日は雪か。

 

「そうだな……こっちから打って出る必要もないと思うんだよな」

 

「そうね、相手の居場所もわからないし」

 

「相手はかなりの戦力を失ったし、結界でこれ以上進めない。多分だか、その黒幕とやらが直接来るだろ。それまで待つのが得策だ」

 

「そんなのいつまでかかるか分からないじゃないですかー」

 

「暇なのはしょうがないだろ」

 

「物資なら大量に保管しています。ご安心を」

 

「食べ物じゃなくてー……そうだ、ポッキーゲームでもします?」

 

「なんでそうなる」

 

「え、楽しいからですけど」

 

「真顔で言われると反応に困る」

 

「あ、わかりました。優斗さんはみんなでやるゲームがいいんですね! だったら答えは1つ、」

 

 全く聞く耳を持たないのは慣れっこだが、こういう時のさとりはロクでもない考えがあるもので……。ああ、もうコイツは止まらない。

 

 少しだけ口角を上げて、目じりを高くして、

 

「王様ゲームですよね!」

 

「そうだ!」

 

「そうね!」

 

「そうです!」

 

 背後から、しばらく聞いていなかった、むしろ聞きたくなかった3銃士の声。

 

「小悪魔、文、早苗……」

 




第八十一話でした。今日見た2chのまとめで依姫が一番くっころ属性あるって記事を見ました。その通りだと思いました。(小並感)

優斗にも相手の正体がつかめてきたようです。くろまく~。

次回はいったん小休止、ということでカオスモードですね。今までの優斗のイジメ係、総集合です。

では!

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