東方好きの優斗と大妖精と   作:ゆう12906

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第八十三話 心臓に悪い王様ゲーム②

「まだまだっ、スパイスが足りないですっ! 優斗さんはそんな平坦な人生でいいんですか」

 

「まったくその通りだが?」

 

 大妖精とかとまったり過ごせてればそれで幸せだから……。さとりはいちいち副交感神経に悪くて。

 

「とにかく次ですよ! 大妖精さんとこあさんには抜けて頂いて……咲夜さん、永琳さん、1回だけお付き合いください!」

 

 さとりが遠くの方で手を振ると、2人がやれやれといった様子で歩いてきた。

 

「今忙しいから手早くお願いね?」

 

「さとりさん、能力の使用は許可されていますか?」

 

 ちょっと待てメイド長。堂々と反則しようとするな。

 

「え、構いませんが? 私だって皆さんの番号は手に取るようにわかりますし」

 

 出来レースとはこのことか……。反則級の能力持ちばかりだ。

 

 俺にできるのは、ただ祈ることばかり。頼む、もう少しこの幸運、続いてくれよ。

 

「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」

 

 今度は5番。そろそろ王様引いても確立上問題ないんだけどな。

 

「王様は私です。別に能力は使っておりませんよ?」

 

 俺の横で銀髪メイド兼看護師が手を挙げた。

 

 さっきまで悪く言ってたものの、咲夜なら場をわきまえた言動をしてくれるだろう。幸いなことに、ここにスカーレット姉妹はいないし。

 

「そうですねー……では、4番の方」

 

「ふわっ⁉」

 

 咲夜の反対隣りで声が漏れ出た。

 

「あのー、反応すると不利ですよ?」

 

 こっそりと耳打ちで注意を促すが、いまだその震えは止まっていない。こんなわかりやすい言動をするプレイヤーはこの中で1人しかいない。ねえ、映姫先生?

 

 ただ、咲夜のことだからもう命令は決まっているだろうが。

 

「この異変が終わったら、紅魔館で1日メイド体験して頂くということで」

 

「え、ええっ⁉ な、なんてこと命令するんですかあなた!」

 

 額に青筋を浮かべた映姫が顔は真っ赤にして、咲夜に詰め寄る。

 

「く、首絞めないでくださいっ! たまたま、たまたまですから! ――校長といえども絶対守っていただきますけどね」

 

「そ、そんな……」

 

 ありゃー、ツイテなかったな。これ、もし俺が当たってたら多分女装させられてたな。くわばらくわばら……。

 

「その際はぜひ文々。新聞で取材させてください!」

 

 当然カーテンの奥から記者モードのブン屋が飛び出してきた。

 

 キッ、と力強く睨み返す映姫だが、それくらいで怯むはずもない。相変わらずパシャパシャ撮影していて機嫌がよさそうだ。

 

「文、2ショットは撮れたのか?」

 

「はい、そりゃあもうバッチリ!」

 

 現像した写真をみんなで覗き込むと、

 

「おお……すっごく仲よさそうだな」

 

「紫先生も依姫さんもいい顔してるね」

 

「さすが文さんです。こいしに見せたいんで後で焼き増しお願いします」

 

「私はお嬢様に」

 

「それ、依姫のとこだけ切り抜けるかしら? 写真立てで飾っておきたいの」

 

「やめなさいあんたたち!」

 

「ここで拡散するってなら切り捨てますよ⁉」

 

 遠くでギャーギャーわめいてる2人はいなかったことにしよう。

 

 

 

 

 

「どうします依姫さん、もう1回やりますか?」

 

 すでに多くの人が恥ずかしさで耐えられなくなってるのに、まだやるのか……。

 

 しかも依姫をあおるなんて……これでは、

 

「ええ、やってやりますよ!」

 

 乗ってしまうではないか。場を盛り上げることだけなら天下一品だな。

 

 よっし、もう1度、切り抜けてみせる。

 

「いいですね、その意気込み。さあみなさん、クジを手にかけて!」

 

 今度は俺、依姫、さとり、大妖精、小悪魔、早苗の6人。

 

「今度こそ、王様を引いて見せます! 姉上、頼みましたよ!」

 

「任せておいてー。ちなみに王様になったら何をお願いするの?」

 

「変顔の写真を撮っていただきます!」

 

 ありゃ、根に持たれたな。けど、これくらいの命令なら可愛いもんだよ。

 

 少しだけ安心したが、まだ気は抜けない。なにせさとりがいるからな。さとりがいるからな。大事なことなので2回言いました。

 

「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」

 

「来いっ!」

 

 依姫の大声が重なる。案外熱中してくれたみたいでなにより。

 

 さあ、結果は……。

 

「いよっし、今日はついてますねー!」

 

 キャー、サナエサーン。

 

「もう決まってますよ! 誰かが誰かに全身マッサージをしていただきます」

 

 俺と早苗以外から安堵の息が漏れる。表面的にとらえるなら、特に害はなさそうに見える。

 

 しかし俺は油断しないぞ。もしやる側がさとりだったら……マッサージ(性的)になること間違いなしだ。マッサージの定義が広すぎるんだよ。

 

「うーん、どうしましょうかねー。皆さんいろいろな表情をされてて迷いますねー」

 

 早苗すっごく楽しそう。俺もあの輝くクジを引きたい。

 

「……決めました。奇跡よ起これ!」

 

 頼む、あたるなっ……!

 

「3番が、」

 

「おほっ♪」

 

 向かい側から聞きたくなかったさとり妖怪の笑い。

 

 これで絶対負けられなくなった。お願いだから、2番と呼ばないでくれ。

 

「1番に!」

 

 よっしゃ! では犠牲者は……。

 

「あ、あちゃー……。依姫、ごめんなさいね」

 

「はあああああああああ⁉」

 

 いいだしっぺの法則、ここで発動。

 

 うわー。さっきの写真といい、悲惨だな。王様ゲーム嫌いにならなきゃいいけど。

 

 そんな俺の危惧はつゆ知らず、ひさびさにサトリックスマイルが解放されていた。

 

「ふふふ……動けないなら好都合。さとりさんの指テク、ご披露いたしましょう。――あ、大妖精さんには過激だと思うのでカーテン閉めといてください」

 

「かしこまり! 楽しんできてください!」

 

 早苗もウキウキだ。目配せとかしてないよな?

 

「少しお話しません? ほら、私怪我してますし。天人なのでマッサージとか必要ないんですよ。だからこの権利はどうぞほかの方に……あ、ちょっとどこ触って……」

 

「権利じゃなくて義務なんですよー‼」

 

「ふわあああ……ダメです、そんなとこ……やめ……やめてぇっ!」

 

「大妖精、目と耳塞いでおきなさい」

 

「うん、そうだね……」

 

 俺と大妖精は仲良く、見て見ぬふりでやり過ごしていた。




第八十三話でした。キャラの書き分けが大変だー。

珍しく一日で投稿できました! やったねゆうちゃん、見てくれる人が増えるよ!

話は変わって、のんびよの映画化が発表されましたね! いまだ興奮さめあらぬ気持ちです! 絶対、絶対見ます!

では!
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