魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Side星夜
「いやはや、厄介なことになったな」
「君、男だよね?なんで割って入ったのさ、」
現在風見野から見滝原へと帰っている時に、魔法少女同士の戦闘に行き合ってしまった。両腕があるならまだしも、片腕それも利き腕がつぶれた状態で、勝てるとは思っていない。え?何で見ていたのに向かい合っているのかって?流石に殺しは看過できなくて、割って入ったからだよ。
「あんた?大丈夫?」
「大丈夫、でも、男は引っ込んでいて、どんな個性かは知らないけど、これは私の問題だから」
「なら、そこで気絶している一般人の友人を連れて下がってください…それができないなら………杏子、十…いや五秒時間稼げるか?」
「五秒でいいのか?」
「勿論、」
さてと、黒髪の魔法少女、武器は斧のような爪、超近接戦を得意とする魔法少女か。対して、こちらは槍を持った杏子と、盾を備え付けたポールアックスを扱う魔法少女、二人とも、中近距離。このなかで超近接戦ができるのは俺で、現在両腕が使えないので意味がない…さて、どうしたもんか、
「お前戦えるのか?」
「警視流木太刀形を親父から教わってるからな、十種類の剣術流派の技を使えるが……左手のみでやる技は無い」
「わかった、十秒持たせる」
「任せた」
杏子と黒髪の魔法少女が応戦するのを見ながら、折れた腕に負荷がかからない形で手を合わせる。
「星装神殿・天津甕星」
黒髪の魔法少女を除いて、結界内へ。ふむ、手を合わせる以外の展開方法も考えないとだな。余裕があれば鈴の音二回、柏手二回、鈴の音一回で入れるんだが、切羽詰まった状態だと、両手を合わせてから入っている。親父は足踏み3回で結界展開をしていた。
「ようこそ天星神社へ」
「助かったよ、でもその前に、晶の方は、」
「一応攻撃が届かないように弾いたんだが………」
「おまえ、それ木刀だよな?」
「え?うん、親父の特製品だからな並のヴィランじゃ破壊できないぞ」
親父が西行妖の枝から作った木刀、馬鹿みたいに硬く、今回もしっかりと役に立ってくれた。
「あ、警察に連絡とかは…」
「してないです、」
「よかった、それじゃあ少ししたら親父に連絡してなんとかするとして、」
「何でもかんでも頼るんだな、」
「腕のお返しだよ、それに、魔法少女程度に後れを取るほど弱くないから親父は………人間辞めてるし。まぁそのへんはいいんだよ…俺はここの神社の管理者だ。祀っている神はいないんで、神主とはいい難いな、天宮星夜だ」
「風見ので魔法少女をやっている、佐倉杏子だ」
俺と杏子が自己紹介をすると、ポールアックスを持った魔法少女は変身を解いた。
「浅古小巻よ。よろしく」
「さて、どうしようか、こっちから外のことは見れないんだよね…」
「いや、魔法少女ならその場にとどまることはしないぞ、なにしろ、一般人を巻き込んだなら、警戒してその場を離れるはずだ」
「あ、そうか、俺一般人だったな、」
「なんで忘れてるのよ、」
「魔法少女と関わってると非日常が日常になって、普通というものから離れていくから、一般人という感覚じゃなくなるんだよ」
もともと親が普通じゃないから、そういうのには慣れていた。けど、超常が当たり前の個性社会でも、魔法は逸脱している。それに戦闘があるのはヒーローのみだ。
ジリジリジリジリ
「あ、鳴ってる」
『俺だ』
「誰だ?」
『天宮だ、』
「なに?」
『いつ帰ってくる?時間に合わせて飯を作りたい』
「あ…ちょっと待って。小巻と晶だっけ?二人はどうする?このまま俺の家に来るなら親父が飯作ると思うけど、」
「いや、いったん帰るよ、その前に連絡先の交換をしたいんだけど…」
「機械音痴?」
「……」
小巻さんは機械音痴のようだ。それはそれてして、親父に報告だ。
「わかった、そのへんはあとでやるから。親父、一人分増やしてくれればいいかな、アレルギーは無し。あと1時間以内には帰るから」
『わかった。事故ったら自力で帰ってこいよ』
「はい、はい」
さてと、ここじゃ電波を繋がらないので、結果以外にでないといけないん。
「じゃぁ、私とアンタね、」
「ま、そうなるか」
結果以外に出ると、黒髪の魔法少女はいなかった。よし、それじゃあスマホを出して貰って、連絡先を交換する。未だに気絶している晶さんは、小巻さんがおぶって連れて帰るとのことだった。また後日話すことにしよう。
さてと、ここから家まで、歩いて30分、つまり走れば二分の一の時間でつく、走りますか。
「お帰り、一分遅い」
「理不尽!」
「宣言通りに帰ってこないほうが悪い」
「はい…」
「………それで、遅くなった理由は?冬桜を覚えうとしたのと、話せないことなのか?」
「うん、」
「………わかった、なら、勝手に探る」
「………隠し事できないじゃん」
「できると思っているなら笑いものだな」
どうやらヒーローよりも厄介な大人が絡むことになった。魔法少女を攻撃してきた奴以上に敵に回したくないのが探りに来ることになった。最悪だ。