魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Side星夜
「君、本当に一般人?!」
「………警視流木太刀形、浅山一伝流から、神道無念流」
「?!」
結界内に水しぶきが舞う。現在、人見リナと模擬戦をしている。魔法少女の力は一般人に使うべきでないと言うことで、互いに木刀だが、普通に圧倒してしまい、現在魔法少女に変身した状態で戦っているのだが、拮抗している。
思った以上に、魔法少女は強いことがわかった。
「………優木沙々なら倒せるかもしれませんね、彼女は素の戦闘能力は低いので」
「そうか…」
能力が低いなら、俺でも戦える可能性がある。それでも居場所は分からない。キュゥべえも個人情報だからと話してくれない………いや、そもそも方法が間違っているんだ。わざわざ情報として手に入れなくても、
「キュゥべえ、優木沙々の場所はわかるな?」
「確かに分かるけどそれがどうかしたんだい?」
「案内してくれ、一方的に聞くのが駄目でも、魔法少女が魔法少女に話しに行くならプライバシーも関係ないんだろ?互いに顔を見せるんだから」
「性格が悪いね」
「お前よかマシだ」
これなら問題はない、そして、できないと言わないのなら、それは肯定と同じだ。嘘をつけないキュゥべえなら、なおのこと。
「ですが、一つ問題があります、優木沙々はアレでも警戒心が高いのでこの人数でいけば警戒されますよ?」
「なら一人で向かえばいい、俺の結界の出口は入った場所に限定されるが、俺が外にいる場合は、俺がいる場所が出口になる。つまり、人数は確実に伏せた状態で向かうことができる」
「なるほど、それなら…では、誰が行きますか?」
「マミさん、お願いします」
「ええ、わかったわ」
人見さんの、言い分もわかるが、だったら、マミさんの力を借りればいい、見滝原の縄張りは巴マミのものという認識は魔法少女の間では結構有名らしい。なら、縄張り交渉というカタチで会いに行けるし、今回の魔法少女狩りの件も、縄張り争いに分類されるので、嘘は言っていない。
「それでは、準備を進めておいてください」
「待ちなさい、私は鹿目まどかと美樹さやかの方につくわ」
「………わかった、なら、渡しておいてくれ暁美」
「ええ、」
暁美に御守りを渡して、俺はマミさんといっしょにキュゥべえの案内で、優木沙々の元へむかう。
「それで?何のようなんです?」
「ええ、まぁ、魔法少女がこのまちに来ること自体は咎めないけど………それでも他人を傷つけるのは我慢ならないのよね」
「!キュゥべえ!騙したんですか!」
「騙してないよ、縄張りについての話だろう」
「ですが、男を連れてきたのは失敗でしたねぇ!」
「?!魔女が!」
交渉は決裂、人を見下すような視線、嫌になる。優木沙々は手元からグリーフシードをいくつか落とすと、魔女を孵化させる。へぇ…魔女同士の結界がぶつかると、混ざるんだな。まぁ…関係ないけど。
「星装神殿」
「はぁ?!」
「魔法少女に個性は無い、そういう少女を狙ってるってキュゥべえは言ってた。でも、俺は魔法少女じゃないから、まぁ、魔法少女関係なしに個性を持っていない人間もいるけどさ、俺は個性を持っているし、何より、魔法少女のサポートができるくらいの能力は持っているつもりだよ」
「人を見下す性格なのは変わらないな」
「人見リナ!」
魔女は6体か、キツイな、風見野チーム三人、マミさん、杏子、小巻さんの6人。一対一確かにそれだけならマシだが、優木沙々を相手にできる人間はいないし、何より、チームアップはこの実力が低いからこの方法を取るというのもある。
となれば、俺が優木沙々を相手にするしかないか。
「警視流木太刀形、立身流、巻き落とし」
「?!っ!アンタバカなんですか?!男が魔法少女に向かってくるなんて………」
「勝てれば問題ないだろ、それに、これで、七対七だな」
なんともまぁ形容しがたい杖を持っているが、それならまだ対応できる。魔法少女が持つ固有魔法は魔女の洗脳なら、問題はない。
「京!!」
「?!」
マジか、風見野チームのひとり、佐木京が、魔女に殺されそうに…はぁ?!
「見てられねぇな、嬢ちゃん武器借りるぞ………冬桜、警視流木太刀形、混成接続」
朱音さんの、武器の刀を分捕るように借りた、親父は視界から消えた、そして、魔女を一体瞬きの間に倒してしまった。
「おい、締め出せ、」
「え、あ、」
「速く、」
親父の一喝で俺は優木沙々と魔女五体を結界の外に弾き出した。
「ありがとな、嬢ちゃん」
「え、あ、はい、」
「さてと、まぁ、なんとなく予想はしてたし、あの一件から偶然はなくなったと思っていたが………とりあえずは」
後ずさりながら、親父の言葉に耳を傾ける。というか、親父はどうやって魔女を倒したんだ?武器は魔法少女のものを、混成接続ってことは…全部使ったのか?一本目 八相:直心影流二本目 変化:鞍馬流三本目 八天切:堤宝山流四本目 巻落:立身流五本目 下段の突:北辰一刀流六本目 阿吽:浅山一伝流七本目 一二の太刀:示現流八本目 打落:神道無念流九本目 破折:柳生流十本目 位詰:鏡心明智流。これら全てを警視流木太刀形とする。それを、瞬きの間に?
「説明しろ、」
「痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
「え、あ、」
「れ、蓮夜さん!話してやって!」
「………わかった、地下に温泉あるから浸かってろ、俺はコイツと話がある」
「はい!」
顔面をつかんで、ぎりぎりと力を入れる親父に俺は悲痛な叫びを上げる。止めようとしてきた杏子や、ほかの魔法少女は親父の言葉に、地下の温泉に行ってしまった。
「ったく、まぁ、わかってたさ。お前が魔女と関わっていることは」
「知ってるのか?!」
そのまま叩き落とされた俺は親父に質問を返す。
「魔女は、アレの対処法は知らん。一部ヒーローや自衛隊でも知っている奴は知っている。あの魔物は個性でも対処ができないからな、まぁ、魔女の名前を知ったのは十年前だがな」
「十年前って…」
「そう、お前が個性を発言した時のことだ。いいか、お前の個性は………」
親父からの衝撃的な一言に、俺は何も言えなかった。
「さっきの嬢ちゃんたちは?」
「魔法少女、」
「魔法少女、ね。わかった。母さんが、出張から帰ってくる。お前が冬桜を覚えたい理由も、必要性も分かった。立て、今の千倍強くなれ、冬桜は必要ない。お前の個性を1段階上げる」
その言葉は本気だった。母さんが帰ってくることよりも、俺の個性についてよりも、親父が見せた必殺技に意識を落とした。