魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Side????
「この物語によれば、美樹さやかは幼馴染である上条恭介の治らないと診断された腕を治すために、インキュベータ。おっと、まだキュゥべえだったね。キュゥべえと魔法少女の契約をしようとしていた。さて、どうなることやら」
Sideさやか
「そこまで、まったく。旦那に言われてきてみれば。ぎりぎりすぎるでしょ」
「誰だい?君は。そもそも、何で成人している君に僕が見えるんだい?」
「ん?空間ねじ曲げて見えなくしてるんでしょ?それなら効かないわよ。旦那の力は空間干渉に対して絶対の優位性を持つものだから。それで、美樹ちゃんだっけ?契約なんてろくでもないことはしないほうがいいよ、責任とかいろいろめんどくさいし、」
え?は?え?
急に、空から鳥居が振ってきて、キュゥべえを拘束した。後ろから声をかけられて、そちらを見てみれば、どこか星夜と似た雰囲気を持つ、赤い角に、獣耳、更には白い尾を持った、異形系個性の女性がいた。
「だれ?」
「ん?私?天宮狐縁、天宮星夜の母親だよ。にしても、内容が好きな相手の腕を治してねぇ、夢見る少女にもほどがあるでしょ、」
「なっ?!」
「あんな男の為に、何で死ぬ運命に身を投じるっての?それとも、自分なら生き残れるとか思ってる?」
「あんな男って………あんたが、恭介の何を知ってんのよ!?」
至極一方的に、恭介を馬鹿にされて、私は反論した。
「知らないわよ、でも、腕が動かない程度で夢をあきらめる子でしょ?たかが知れてるわよ。まぁ美樹ちゃんの、思いは否定しないけどねぇ。本当の願い事は他人にも、神様にも言うものじゃないよ、願いは口にした途端に嘘となる。それでも、焦がれたことだけは評価しあげる。私は星夜みたいに優しくないからはっきり言うけどね、貴方のそれは、想いでもなければ、願いでもない、ただの、同情と弱音だよ」
「やっぱり、大人は非効率だね」
鳥居から抜け出したキュゥべえが一言言ってその場を去ろうとすると、また鳥居が振ってきて、キュゥべえを拘束する。
「逃げるな、インキュベータ」
「!なんでそれを………」
「知らないと思った?まぁ、これに関しては、星夜のあの件がなければ私も旦那も知り得なかったことだったけどね」
インキュベータ?ってなに?それに、星夜のあの件って何?星夜も変なこと言ってなかったし。
「君にはまだ早いかな、まぁ、美樹ちゃんはどんだけ言ってもそういう運命にはあるみたいだけどね」
「なにが言いたいんですか!」
「それは………ありゃ?結構まずいことになったわね」
なにか知っているなら、教えてもらおうとしたが、狐縁さんは屋上の扉へと視線を向けると、そこには恭介がいた。え?なんで?!まだ足は動かないのに………
「………さやか?」
「え? きょ、恭介?」
壁に手をかけながら、来たのだろう。顔色も悪い。
「はぁ、面倒くさいわね。まぁ、いいわ、貴方にも言いたいことがあったし」
「貴方は?」
「天宮狐縁、まぁ、ヒーローよ。それよりも、腕が治らない程度で、よくもまぁ、そこまで悲観できるわね」
「な、なにが、言いたいんですか?」
「不幸でい続けることは怠慢だし、幸せになろうとしないことは卑怯だよ。
言い訳にも聞こえるけどね。
幸せにならないから勘弁してください。
幸せになろうとなんかしないからどうか許してください、どうか見逃してくださいと言っているようにも、私たちはこんなに不幸なんだから責めるなよ、可哀想だろって主張しているようにも。
不幸や不遇に甘んじていることを頑張っていると思っているんじゃないの?
そういうのを世間ではなにもしていないって言うんだよ。
不幸なくらいで許されると思うな。ハッピーエンドを目指すべきだ。
不幸でい続けることは怠慢だし幸せになろうとしないことは卑怯だよ。
君が、腕が治らない程度で夢をあきらめるのは怠慢というやだ。腕をぶった切って機械義肢にでも付け替えれば、バイオリンもできるようになる。子供の浅い知恵で不幸を語るなってことよ」
その言葉に、私達は何も言い返せなかった。だって、何も反論する部分がないのだから。