魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Side????
「この物語によれば、ヒーロー社会における魔法少女の無力さと、身体能力も常識もどこかズレている天宮蓮夜の異常性があったなかで、見滝原中学校は、一次休校になってしまう。まぁ、ヴィランの襲撃があったから当然だよね、」
Side織莉子
「………また、ね」
お父様の自殺から1週間、魔法少女になって数日経ったけれど、やはり、固有魔法の未来視の制御はできなかった。
予期せぬ事態に発動するこの魔法のおかげで、私が直接戦うのは難しい。キリカがグリーフシードを集めてくれているけど、それでも、問題は山積み。
桃色の髪をした魔法少女、いえ、まだ、魔法少女になっていないけれど、魔女になれば、いずれ世界を滅ぼす厄災になる存在。問題は、魔法少女に関係する未来が見づらいということ。
あの時も、世界が滅びた未来は変わった。いえ、ひっくりかえったというのが正しい見え方だった。
あ、キリカが慌ててやってくる、未来が見えた。
「織莉子!」
「あら、お疲れ様、キリカ」
「グリーフシード取ってきたよ…」
「ありがとう、ギリギリね」
些細なことは変化しない。世界を滅ぼす少女を殺そうとした時も、ひっくり返り。私が死んだ未来もひっくりかえった。まるで、未来そのものが、魔法少女の死を否定しているかのように、魔法少女の運命はひっくり返る。
「どうかした?織莉子、」
「ちょっとね、」
「ひっくり返る未来だっけ?視界が回転しただけならいいんじゃないか?」
「未来の内容そのものがひっくり返るのよ、理由も方法もわからずにね」
一番、影響があったのは、お父様の友人だという人間が私の前に現れたこと。政治家の汚職ということで、外も安全に出歩けないから、誰も人がいない未来を見たのに、現れた。
名前は天宮蓮夜、あの男が魔法少女の未来を歪めているの?でも、私がお父様に嫌われていたというのも可笑しい。私が、あの嫌っていたお祖父様の様な人間になるはずがない。
Side星夜
「………なぁ、優木沙々のやり方って………」
「下剋上が得意な人間ね、人を馬鹿にして、うえに立っているようにしながら、自分が弱いことを理解している。逆に確実に下だと分かれば攻撃してくる。そんな人間ね」
「………今日、さやかが、志筑に呼ばれているからって、一応杏子を護衛に付けたけどさ、来ると思う?」
「来るんじゃないかしら?美樹ちゃん、弱いしね」
「……そっか、」
「そんなことより、続きよ続き。心配なら今すぐ覚えないし」
ヴィラン襲撃から翌日。母さんに神楽舞を教えてもらっているのだが、なぜ、男舞じゃなくて巫女舞なんだ!
「ほら、頑張りなさいな、あなたの筋肉なら巫女舞もギリ行けるよ」
「衣装まで用意しやがって!」
「巫女装束じゃないだけいいでしょうが、それに、魔女に対して楽観視していたのは私達だからね」
「誰が、魔女のことを知っているんだ?」
「私が知る中で大人は私達だけよ。足止めできても、倒せないから結局死んでるんじゃないかしら?私だって、一昨日のあれは、すぐに死ぬ可能性があったからね。忘れてないでしょうね?私の個性は精神結界だってこと」
母さんの個性、千本鳥居・鬼狐明神は鳥居を千本生み出すのと、鬼の角、狐の耳と尻尾を持つ力。その鳥居は精神的な隔て、境界は作るが物理的な境界は作らない、だから、母さんは魔女の結界から抜け出せない。
そもそもとして、魔女に対して優位になれる親父や俺の個性が異常なのだ。
「イン…キュゥべえも言っていたけれど、個性じゃ魔女を倒せない。私が昨日、足手まとい二人を連れてあれだけ逃げられたのも異常なことなのよ」
「まるで、魔女に対してそういう役目があるみたいに言うな」
「………そうね、実際あるかもよ。まぁ、運命なんて、人が過去を見てそう名付けるものだと私は思うけどね」
運命か、なら魔法少女と出会うことも、運命なのかもな。
「まぁ、志筑ちゃんが、美樹ちゃんに何を言うか大体わかるからね、女の愛は怖いわよ、あまり触れないようにね」
「あ?何の話だ?」
「………ねぇ、時に怪異、朴念仁って知ってるかしら?」
「急に何の話?!」
「別名、怪異、唐変木ともいってね。これは本当にもうイラッとする鈍感野郎なんだよ。そう、これは怪異と言って差し支えない。私達も取り憑かれてたからね、あんたも取り憑かれてるんじゃないかと」
「親の惚気話を聞くほどいたたまれないことはないんだよ!」
「そう、つまりそういうこと、逆になんで気づかないのかな?」
惚気話、恋話、つまり、志筑のさやかの話し合いとはそういうことである。
「誰が誰に?」
「二人が、バイオリン野郎に」
「もしかして、嫌い?」
「嫌い、自分が不幸であると思っている奴は嫌いだね」
「………そっか」
Sideさやか
「それで、話って?」
カフェへと移動して、仁美と話すことにしたあたし。
意を決したような仁美を前に、なんだか緊張感を覚える。
「恋の相談ですわ」
「恋?」
「私、さやかさんやまどかさんに秘密にしてきたことがあるんです」
「へ?」
恋の相談、秘密。なんとも青春らしい話だ、それでもなんであたしに、いつもならまどかのお母さんに聞いてるのに。
「ずっと前から私、上条恭介君のことお慕いしていましたの」
「え?」
「休校明けの翌日、私は上条君に告白します。丸一日待ちますわ。さやかさんは後悔なさらないように決めてください。上条君に気持ちを伝えるべきかどうか………」
「え?」