魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Sideマミ、
いきなり、魔女の結果が別の空間に変わった。その異常現象にも敬意が必要だけど、今は魔女の結界の中にいたであろう、一般人の救出が優先。殺してからじゃなくて、生きたまま結界に取り込むタイプの魔女でよかったわ。まだ助かる可能性があるもの。
別の空間には、湖と神社、なぜか歩ける湖面は魔女の結界だからかしら?考えても仕方ないわね、人の気配を追って走り、一般人を、見つけたのだけど、箒一本で魔女の使い魔と向かい合っていた。個性で作った道具かしら?
使い魔の攻撃を防げる可能性はあるけど、攻撃しても効果は薄い。
「伏せて!」
リボンで一般人の、黒髪の男の子の周りに防御壁を作る。
「挨拶は後で!そこを動かないでね」
リボンからマスケット銃を作り、使い魔に向けて発砲する。数が少ない?元の結界の規模なら十体どころじゃない、二十、三十、いてもおかしくないのに。
でも少ないなら、安心できる。
そこまで魔力を消費することなく魔女の使い魔を片付けられた。魔女がいなかったことも気がかりだけど、まずは男の子を安心させないと。
「大丈夫?」
「え?あ、大丈夫です………。その格好は個性ですかね?」
「え?ああ、違うわよ。詳しくは言えないんだけどね。その制服、貴方も見滝原中学よね?」
「二年です………あと、さっきのは?それと、貴方もと言うなら、個性を公共の場で使えないのでは?まぁこの空間は公共の場というわけではありませんけど」
やっぱり個性と勘違いされるわよね、まだ言い訳が効くからバレても大丈夫とは言い切れないけど言い訳が効く分楽かしらね。
「私の名前は巴マミ、見滝原中学三年生よ。そしてこの力は個性じゃないの、詳しくは説明できないってさっき言ったのだけど………」
「そうなんですか?あ、天宮星夜です。あと、外は安全なんですよね?」
「分からないわ、そもそもこの場所も安全とは言い切れないし」
「そこは安心してください、この場所は俺の個性で作った場所なので安全です」
「そう………」
魔女の結界を塗り替える個性?そんなのアリなの?魔女には魔法少女しか対抗できないはずなのに………キュゥべえに聞く必要があるわね。あとは、今後魔女に関わらないように忠告しないと。
「お礼も兼ねて、上がっていきます?温泉ありますけど、」
「温泉?!いや、でも、」
温泉、美肌効果はあるわよね、あとは疲労回復に肩こりの解消………でも………私は魔法少女で彼は一般人、関わらせるわけには………
「………入るわ、」
「はい!」
めちゃくちゃスッキリした。今度着替えを持ってきて頼もうかしら?流石に迷惑よね、今回は助けたお礼みたいな感じだし、そんな図々しいことは出来ないから。
「ねえ、天宮くん、」
「何ですか?あ、どうぞ」
「ありがとう………お酒?」
「神酒ですけど、未成年に合わせたアルコールがない甘酒みたいなやつです。安心して飲んでください」
「そう。それで私のことなんだけど、もう関わらないほうがいいわ、さっきのアレも、本来関わることのないような存在。だから、それと関わるような私とは関係を持たない方がまいいの」
これでいい、女の子なら、誘うこともできるけど、男の子は魔法少女になれないから。魔法少女、男の子じゃない。だから、例え一人になることになったとしても、突き放さなければならない。
「わかりました。では、プライベートは?」
「え?」
「アレと戦うというのに、放っておけ、ですか。あまり賛同したくはないですね。ヒーローではないようですが、それでも、見知らぬ誰かの為に行動できる貴方はきっといい人だ。法律の目を掻い潜る生活は、法律に存在しない相手だからでしょうか?まぁ、どちらにせよ、プライベートは大事ですよ。心の療養です。頼ってください、天宮星夜が所有する温泉は来るもの拒まずですから」
「!………考えておくわ」
全く、私もだめね、少し優しくされただけで、関わっていいかもなんて考えるなんて。そんなの、だめに決まっている。戦えないならなおさらよ。そう、私は一人でいいの。一人で魔法少女をしていればいいの。誰にも気づかれづとも、認められなくても、人を助けられているのだからいいの。
自分に言い聞かせながら、天宮くんと別れた。家にキュゥべえはいるかしら?聞かないといけないこともできた。いつの間に闇に染まった空に輝く星は残酷なまでに輝いていた。私も堂々と輝けるようになりたい。
それができないのが魔法少女なのに。
Side星夜、
「伏せて!」
そんな言葉が響くと、俺を守るように、黄色いリボンが、周りを軽く覆った。隙間はある、簡単な柵のような物だ。だけど、驚くほど頑丈で、絶対に守り通す意思を感じる。
これを作った人は。金髪の少女だった。俺より少し小さいくらいの少女。マスケット銃を一発打つごとに持ち替えて、華麗に、舞うように撃ち続ける、異質なモノはまたたく間に倒された。
攻撃系個性なら、当たり前かもしれない。リボンとマスケット銃は繋がらないけど。それでも、空に輝く星のように輝いて見える。
「大丈夫?」
「え?あ、大丈夫です………。その格好は個性ですかね?」
星の様な輝きに、反応が遅れてしまった。助けてくれたのならヒーローかな?身長が低いけど。
「え?ああ、違うわよ。詳しくは言えないんだけどね。その制服、貴方も見滝原中学よね?」
「二年です………あと、さっきのは?それと、貴方も、と言うなら、個性を公共の場で使えないのでは?まぁこの空間は公共の場というわけではありませんけど」
公共の場での個性は原則的に使用は禁止だ。法律で決まっている。例外がヒーローであり、それも個性を使用した犯罪の鎮圧、街の復興に限られる。それなのに彼女は、自分も中学生であると言った。少なくとも、貴方もという言葉は、自分と相手を同じ枠組みにする言葉だ。中学生のはずだ。
「私の名前は巴マミ、見滝原中学三年生よ。そしてこの力は個性じゃないの、詳しくは説明できないってさっき言ったのだけど………」
「そうなんですか?あ、天宮星夜です。あと、外は安全なんですよね?」
やっぱり、中学生で一つ上。ただ問題は、個性ではない?どういうことだ?服装はさっきの特殊なドレスの服じゃなく、制服に戻っているけど、変身系の個性ならそれも普通だ。
でも、
「分からないわ、そもそもこの場所も安全とは言い切れないし」
「そこは安心してください、この場所は俺の個性で作った場所なので安全です」
「そう………」
何か考えている。それよりも、休ませたほうがいいなこの人。目がヤバい、何がヤバいかを言語化するのは難しいが、孤独な人間だ。他人を頼ることをせず、一人で抱え込むタイプ、前の出久と同じ目をしている。
「お礼も兼ねて、上がっていきます?温泉ありますけど、」
「温泉?!いや、でも、」
食いついた。あと、もう一息だけど、ここで踏み込みすぎると、女の子を温泉に入れたい変態になってしまう。もう少し様子を見て、そこから声をかけよう。休めばある程度は好転する可能性もある。
「………入るわ、」
「はい!」
熟考の末に、入ってくれるようだ。温泉は身も心も綺麗にする、ましてや神社の温泉、すべてを浄化する神域の温泉だ。あの異質なモノは浄化できなかったけど、温泉に放りこめば、ワンチャン倒せたかな?
そんなことを考えていると、顔色が少しばかり良くなったマミさんが温泉から上がってきたので、神酒を渡す、アルコールはない、甘酒だ。
「ねえ、天宮くん、」
「何ですか?あ、どうぞ」
「ありがとう………お酒?」
「神酒ですけど、未成年に合わせたアルコールがない甘酒みたいなやつです。安心して飲んでください」
訝しがられたけど、安心してほしい。
「そう。それで私のことなんだけど、もう関わらないほうがいいわ、さっきのアレも、本来関わることのないような存在。だから、それと関わるような私とは関係を持たない方がまいいの」
不味いな。出久みたいな孤独になってしまった人間じゃない。孤独になろうとする人間だ。
孤独を嫌うのに、孤独に慣れてしまった人間。なら、俺がするべきことは一つ、理解を示したうえで、隙間をつく。
「わかりました。では、プライベートは?」
「え?」
「アレと戦うというのに、放っておけ、ですか。あまり賛同したくはないですね。ヒーローではないようですが、それでも、見知らぬ誰かの為に行動できる貴方はきっといい人だ。法律の目を掻い潜る生活は、法律に存在しない相手だからでしょうか?まぁ、どちらにせよ、プライベートは大事ですよ。心の療養です。頼ってください、天宮星夜が所有する温泉は来るもの拒まずですから」
「!………考えておくわ」
この言葉が、この寄り添いが彼女に、マミさんにいい影響を与えると信じて、ここは大人しく引こう。
結界を解除して、帰る背中を見つめる。夜は好きだけど、人と別れる夜は嫌いだ。暗いのもそうだけど、空に輝く星がスポットライトのようにして、存在感を引き立てるのに、道は違うのだから。