魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Side宮天
「巴マミを救った、天宮星夜。それは元から決まっていた運命であり、定め。まぁ、魔法少女単体の運命という点ではひっくり返したというべきかも、しれないね」
Side星夜
「落ち着きましたか?マミさん、」
「………うん、」
「良かったです。それよりも、さやかも同じ状況になっているので、対処してきます」
「待って」
「はい?」
「………御免なさい、やっぱいいわ。美樹さんのこと、お願いね」
「………はい、行ってきます」
さて、さやかはマミさんとは状況が違う。なぜなら、さやかの絶望材料は、魔法少女に憧れと敬意を持っていたマミさんとは違い、自分の私欲に正直で、少女らしい内容だからだ。
結局、今日、正確には零時を過ぎているのでもう昨日のことだが、志筑と本気で言い争いをして、覚悟を決めてから、親父に呼び出され告白が先延ばしになったとのことだ。
振られていたならまだ良かったかもしれないが、それがないなら、恋愛をして良い権利を探して、見つからなかったんだと思う。
マミさんと同じように、ソウルジェムも当てると、目を覚ます。
「え?あ?」
「起きたか、さやか。状況は分かるな?」
「………ねぇ、なんで?なんでこんなことになったの?なんで、私は………契約したのさ!止められたのに、覚悟したって思ってたのに!」
「間違い、なんて誰でもあるだろ。その間違いで、自分を責める必要はないだろ、だって、その間違いはインキュベータが受ける罰だ」
「それでもあたしは、いずれ魔女になる。今日の言い争いで、志筑のほうが恭介に会っているんじゃないかって、お似合いだって、そう思って。それでも、告白しようって………それなのに!なんでこうなるのさ!」
恋愛のことは、俺には分からない。でも、それでも、その考えは否定したい。なんで、上条といることが重要なんだと俺は思う。
「ごめん、アンタに怒鳴ったって、意味なよね。
あたしってほんとバカ」
「確かに、馬鹿だな。お前にとって、恋愛って何だ?母さんに言われたことだけどさ、恋に恋をするなって言われたんだよ。恋することは間違いじゃないし、どんな想いを持つかは自由だ。でも、その行動だけを見るなって」
恋は盲目、周りを見えなくする。だから、恋そのものに恋をすると、目が覚めなくなる。故意に恋をするが故に、身近な人間に、誰にでもの好意になる。だから、恋に恋はするなって。結局俺は理解できなかったけど、目の前でそうなっている人間かどうかは分かる。
「だからなんなの?それが魔女になる理由と関係あるの?」
「あるさ、化け物のじゃないだろ、人間で魔法少女だ」
「それでも私は魔女だよ、化け物だよ、恋することもできない」
「いいんだよ恋をしても、人間なんだから。
かけがえのない、かわりのないものなんかない。
唯一の人間なんて、かけがえのない事柄なんて、ない。
人間は、人間だから、いくらでもやり直せる、
上条恭介に振られたら、お前に価値はなくなるのか?
お前のやりたいことはそれだけだったのか?
お前の人生はそれだけだったのか?
やりたいこともしたいことも他にいくらでもあるだろう?あっただろう?違うか!?」
「あるよ、あるんだよ!それでも魔女になるなら!」
「魔女になることを理由にするな!美樹さやかの意志はなんだ!結果じゃない!今したいことはなんだ!」
「………っ!」
美樹さやかが、魔法少女のなった理由は、上条恭介に恋をするためじゃない、人を助けるために、守るために、魔法少女になったはずだろうが。少なくともそれは、母さんの説得で変わったはずだ。
「………ねぇ、星夜。明日告白してくる」
「もう、今日だぞ。いま、零時五十四分、」
「え?あ?!」
「………大丈夫だな、もう」
「うん、だから、待ってて」
「待つ必要あるのか?」
「………アタシも大概馬鹿だけどさ、アンタも馬鹿だよね」
「成績下から数える奴が何言ってんだ?」
「………察し悪いって言ってんのよ!」
「血筋だ、文句は親父達に言え!」
この時点で、もうさやかの目は濁っていなかった。心から笑えている、そんな状態になった。