魔法少女あま☆マギカ〜親戚のお兄さんがヴィランじゃなくて魔女を追っかけていた〜 作:紡縁永遠
Side星夜
「まぁ、ある程度契約については分かったんで、なんで関わろうとしなかったのか、今になって話す気になったのか答えてくれますか?」
「それは………」
「話したくないならいいですよ、でも、話さないというのもあまり気持ちいいわけではないので」
「………分かったわ話すわよ」
今回マミさんが俺を含めて話してくれるのは、まどかとさやかがいるからで、俺が二回目(マミさんが知らない風見野を含めれば三回)の遭遇だからだろう、この短い期間で意図的にあったわけじゃないのなら、そういう体質として割り切ることもできるのだ。
「魔女は魔法少女でしか倒せない、正確には魔法少女の扱う魔法でしか倒せない、個性でも倒せるのでしょうけどそれにはかなりの威力が必要よ、でなきゃ私達魔法少女じゃなくてヒーローが対応しているはずだもの」
「そうですね、」
「貴方は、遭遇した時に確実に逃げれるかもしれない、魔女の結界を上書きできるなら、貴方は確実に逃げ切れる、それでも魔女と関わる回数は減らしたほうがいいの、魔女の結界は人の精神をすり減らすから………」
プライベートなら関われる。それは魔女と遭遇する前提がないことを条件とする。つまり、それだけ魔女を追っていることになる。でも、俺に対して結界という概念は通用しない。
「君が、個性で魔女の結界を上書きできるのは異常なことなんだよ」
「………攻撃能力と防御能力が一切ない代わりに、空間における優位性を持つのが俺の個性です。本質は空間そのものを自分のものとする力。あくまで空間に干渉するような力に対して絶対の優位性を持つだけであり、攻撃できるわけではないです」
そう、星装神殿・天津甕星は、攻撃能力も防御能力も持たない。空間を隔てるから、防御型個性に分類されたりもするが、その結界内に入られた場合、俺は何もできない、侵入者を迎撃する力もなければ、封印するような能力もない。
ただ、空間干渉における、絶対の優位性を持つのが俺の個性であり、空間接続を否定し、なんなら、あの結界内では時を止める力ですら拒絶するかもしれない。
「それでも十分異常だね。なにせ、個性というものが生まれてからも魔女に影響を与える普通の人間というのは少ないんだよ」
「………」
「だから、戦う力を持たないと聞いた時、離れるべきと思ったの。いくら安全な場所を作れても、結界の上書きをすれば貴方は身を守る手段はないから。温泉には憧れたわ、疲労回復にいいって聞くから、でも、私は魔法少女で、貴方は一般人、だから、巻き込まないつもりで居たの」
これが、魔法少女としてのマミさんの意見か、まぁわからなくもない。プライベートに魔女を見つけたらそちらを優先するだろうし、何より、俺の命に対しての責任も取れないだろう。
かかわらないのは賢明な判断だ
「それが今日、後輩になる可能性の子と一緒に、使い魔に襲われていた。友達同士なら関わるなとは言えないから、全部話すことにしたの」
「ありがとうございます、話してくれて。ですが一つ訂正です、確かに戦う能力は俺の個性にはありませんが、その分親父からそれなりにしごかれていましてね、タイマンならある程度の対応が可能です。まぁ、今回はまどかとさやかを庇う必要があったのでできませんでしたが………」
「そう、ありがとう………」
少しは慰めが効いたかな…まぁ、俺が自衛能力を持つのは本当だけど。それでもあくまで人に対してだ。人に対して、一対一の状況下に限り、竹箒での棒術と、ある程度のパルクールを親父に叩き込まれた。
これでも、第一狂ってる団の息子なのだ。よくぶん投げられては湖に落ちたものだ……
「大丈夫?湯呑みを持つ手が震えてるけど………」
「だ、だい、大丈夫、で、です。ちょ、ちょっと、と、トラウマが………」
「魔女の影響?!」
「魔女ではな、くて、父、親です」
いくらこの結界内部の大半が水とはいえ、十数回と投げられればトラウマにもなる。出久も何回かぶん投げられてたなぁ…次いつ帰ってくるんだろあのトチ狂った人は………
「星夜くん!戻ってきて!」
「無駄ですよマミさん、こうなった星夜は何しても反応しません」
「そうだよ、だから、こう…斜め45度でチョップをするとね、えい!」
「痛っ!」
「治るんだよ」
「ブラウン管の治し方をしないでくれ」
「……ふふっ、」
「ようやく笑いましたか、」
「え、あ、」
「改めて、ようこそマミさん。天星神社へ」
Sideマミ
「まぁ、ある程度契約については分かったんで、なんで関わろうとしなかったのか、今になって話す気になったのか答えてくれますか?」
「それは………」
話も一段落ついたことで、星夜くんが別のことをきり上げてきた。
「話したくないならいいですよ、でも、話さないというのもあまり気持ちいいわけではないので」
やっぱりこの子は優しい、前の時も無理に関わろうとはせずに、一步距離を置いて妥協点を探してくれた。それなのに拒絶したのは私だ。だから、このまま関わっていくなかで、私が遠慮してしまう
「分かったわ話すわよ………魔女は魔法少女でしか倒せない、正確には魔法少女の扱う魔法でしか倒せない、個性でも倒せるのでしょうけどそれにはかなりの威力が必要よ、でなきゃ私達魔法少女じゃなくてヒーローが対応しているはずだもの」
「そうですね、」
この世界で、魔女を倒すことができるのは魔法少女だけ、ヒーローでは対処できない。ヒーローの原因不明の殉職も、魔女による可能性が高い。そして、国公認ではないから、公にも活動できないのが魔法少女だ。
「貴方は、遭遇した時に確実に逃げれるかもしれない、魔女の結界を上書きできるなら、貴方は確実に逃げ切れる、それでも魔女と関わる回数は減らしたほうがいいの、魔女の結界は人の精神をすり減らすから………」
私が懸念していたのは、こっち。魔女と関われば精神がすり減って自殺につながったり鬱病になったりする。結界内で一気にそうなるなら、原因の魔女を倒せば問題ないこともある。でも、複数回魔女の結界に入っていけば、だんだんと積み重なっていく。そうなれば魔法でも治しようがない。
神社という安全地帯があっても一度魔女の結界に踏み入れば少なからずの影響を受ける、それに対して私は守ることができないのだ。
「君が、個性で魔女の結界を上書きできるのは異常なことなんだよ」
「………攻撃能力と防御能力が一切ない代わりに、空間における優位性を持つのが俺の個性です。本質は空間そのものを自分のものとする力。あくまで空間に干渉するような力に対して絶対の優位性を持つだけであり、攻撃できるわけではないです」
キュゥべえの補足に対して、最悪なことがわかった。あくまで結界は空間をきり離すだけということ、自分を守る方法は一切ないのだ。
「それでも十分異常だね。なにせ、個性というものが生まれてからも魔女に影響を与える普通の人間というのは少ないんだよ」
「………」
確かに異常だ、でも、魔女と対面していける理由にはならない。
「だから、戦う力を持たないと聞いた時、離れるべきと思ったの。いくら安全な場所を作れても、結界の上書きをすれば貴方は身を守る手段はないから。温泉には憧れたわ、疲労回復にいいって聞くから、でも、私は魔法少女で、貴方は一般人、だから、巻き込まないつもりで居たの」
やっぱり関わるべきじゃないのかしら。それでも、まどかさん達と関わっていくのなら…
「それが今日、後輩になる可能性の子と一緒に、使い魔に襲われていた。友達同士なら関わるなとは言えないから、全部話すことにしたの」
「ありがとうございます、話してくれて。ですが一つ訂正です、確かに戦う能力は俺の個性にはありませんが、その分親父からそれなりにしごかれていましてね、タイマンならある程度の対応が可能です。まぁ、今回はまどかとさやかを庇う必要があったのでできませんでしたが………」
「そう、ありがとう………」
やっぱり優しいなぁ、さっきの契約を止めることも、まどかさん達のことを思っての行動だろう。まさか消費者トラブルに基づいて開設されるとは思わなかったけれど。
それでも、どう戦うのかしら、竹箒で殴る以外に思いつかないけれど………
え?湯呑みを持ってい手が震えている?なんで?!?!
「大丈夫?湯呑みを持つ手が震えてるけど………」
「だ、だい、大丈夫、で、です。ちょ、ちょっと、と、トラウマが………」
「魔女の影響?!」
「魔女ではな、くて、父、親です」
お父さんが?確かに武道を習わせる父親はいると聞くけれど………ここまでになるのかしら??
その後は、放心している星夜くんを、まどかさんが叩いてもとに戻していた。
………もう寂しくならないわね。