流石に百合セフレを増やし過ぎたクズ女の辿る末路   作:すっごい性癖

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第11話

 彼女の打ち明けた話は、言ってしまうのならば予測できたというか、ありきたりな話ではあった。あくまで創作の世界では、だけれどもね。そんなよく聞く話。

 

 なんでも彼女の家は貧乏で、お金がないらしく、学校には特待生として学費の免除を受けながら通っているとのことだ。風紀委員長をしている、というのもそのための一環でもあり、内申点の確保を目的にしたものだという。

 

 成績を上位に保ち、常に品行方正を是とした生き方。それが彼女の唯一の生きる道であったらしい。

 

 ならばなぜ、万引きなどという犯罪行為に手を染めたのかというと……

 

『妹が、誕生日だったの……』

 

 自身の妹が誕生日を迎えたことがきっかけであったという。その子は五歳でありながらも普段はおねだりもせず、すごく大人しい子らしい……が、誕生日という特別な日にどうしても甘いものが食べたいと言ってきかなくなったとのこと。そりゃあそうだ。まだまだ小さい子供なのだから、欲しいモノの一つや二つ何て湧いてきて当然だろう。

 

 だから彼女はめったにない妹のおねだりだから、と母親――両親は彼女が物心つく前に離婚してしまったらしい――に直談判したというのだが……結果はご察しの通り、却下であった。曰く、『そんなお金は無い。むしろ、誕生日ってなら苦しんで産んだ私にお前らがプレゼントをしろ』と言われたという。

 

 普段からお小遣いなど貰えるわけがない彼女。学校の方針でバイトも出来ず、自由にできるお金など一円も無い。

 

 ぐずる妹、呆れかえる母親、何もできない自分。

 

 そんな彼女が、可愛い妹のために自身を抑えきれず魔が差してしまった。それが本件の、万引き事件の真相であった。

 

 それを聞いた私がまず第一に思ったのは……。

 

『まぁ、私にはどうでも良いかな……』

 

 であった。

 

 いや、別に私の心が死んでいる、とか良心がない、とかって話じゃない。というか、誰だってこういう感想になるだろう。

 

 だってそもそも、私は興味本位で彼女のことを追っただけであり、コンビニの店員でも何でもないので動機とかはマジでどうでもいいのだ。

 

 彼女が妹の為に万引きしてしまった、人によってはそれでも犯罪行為に手を染めた以上、罰さないといけないと思う人間もいるだろう。もしくはそんな犯罪行為に手を染めてしまうくらい劣悪な家庭環境に居るのならば、救ってあげたいと思う人間もいるだろう。そんなのは、三者三様、十人十色だ。人の数だけ、意見がある。

 

 そしてどうでもいいと思った次に私が思った事こそ……

 

『この娘可愛いし、お金あげたらサービスしてくれないかな?』

 

 である。

 

 ……ごめん、これは自分で言うのもなんだが今振り返るとアウトだわ。言い訳をするならば目の前でこんな漫画のような展開が起きて気分が高揚していた、ってのはある。

 

 だが、まぁ。一番はやっぱり、自分の性分というほかない。生まれてからずっと、私はずっとこんな感じで、小学生くらいの頃、性の知識を初めて得たあたりからずっとそう。

 

 そして、性欲に突き動かされた私は彼女にとある話を持ち掛ける。それこそが今の私と彼女とを結ぶ、関係の始まりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、何度来てもラブホってテンション上がるよね。エッチするためだけの場所に来る、ってさ。そうは思わない、伊蝶ちゃん?」

「知らないです、そんなの。私は、ただ……」

「お金がもらえればいいって? だよねー、私たちの関係って結局はそれありきだからさ」

 

 ケタケタ、と彼女も強がりに笑って見せる。お金の為、なんて言い分が通じるのなんて最初の頃の話だけだ。こんな関係を真面目な彼女が半年近く続けている理由は、もっと別にある癖に。それが認めたくないから、頑なに頑固な態度をとる。

 

 そして私はそんな彼女のツンとした、まさに風紀委員長っぽい反応にすごく興奮する。ハイリスクにはやはり、ハイリターンがあってしかるべきであり、危ない綱を渡っている私にはこれくらいのご褒美があったっていいだろう。

 

「でもさ。一応、形式的にとはいえ私たちはさ。恋人同士なんだよ? もっと、愛を私にむけてよ。ね?」

「それは……。そうかも、しれないけど」

 

 援助交際、売買春とは知っての通り犯罪行為であり、警察に知られれば私は一発でしょっ引かれる。そりゃあそうだ。こんなんが一般にまかり通っている国なんか、あってたまるか。

 

 だが、ここで問題になるのは金銭と引き換えに性行為を要求すること自体であり、あくまでお金とセックスを直接売り買いすることがダメなのだ。

 

 ……ならばどうするか。簡単だ。お金とセックスを直接やり取りするのが問題ならば、直接の反対、間接的にやり取りをすればいい。

 

 そしてそれへの最適解こそ私たちの、疑似的な恋人関係に他ならない。

 

 赤の他人同士が、例えば公園や駅前で知り合って、そこでお金を支払う代わりに性的なサービスを受け取る。あぁ、大問題だ。私もよくないと思う。

 

 じゃあ一方で。

 

 あくまでラブラブな恋人同士が、恋人らしくセックスはして。そしてそれとは別で、貧乏な恋人の為に、もう片方がお金を支援する。これは、問題だろうか? 私はそうは思わない。

 

 だって、お金とセックスを直接やり取りしていないんだから。

 

 もちろん、例えば援交をする女の子が不特定多数とやり取りをしていたら、「この人たち全員、恋人なんです!」なんてのは言っても取り合ってはもらえないだろう。

 

 けれども、彼女のパトロンが私一人だけであったらどうだ? 私と彼女とが恋人同士であることを、誰が否定できる。むしろ、愛する恋人の為に多額の支援をする、なんて映画ならばいくつもの賞を獲得できるくらいの感動物語ではないだろうか。

 

 ちなみにこの理屈の応用を用いて金銭のやり取りをしているのが私と蜜姫であるのは内緒の話でもある。彼女との関係は、まずもってVTuber、つまりは個人事業主である彼女から私という個人に対して依頼されたアルバイト、という形式を作っている。私だって大学生だ。ラブラブな恋人がいても、アルバイト先でちょっとの過ちをすることもある。ほーら、何の問題も無い。

 

 ちょっと話が逸れた。

 

 今大事なのは、私と彼女とは形式上とはいえ恋人同士であり、当然の権利とばかりに連絡を取り合った。

 

 そして今から私たちはこの場で愛を確かめ合う。

 

 その後にお金を、貧乏な彼女のために手渡したとして、やっぱり問題はないはずだ。そもそも私が彼女に渡しているお金だって、彼女は自身の勉強の参考書とかのためだけに使っていると聞く。大学でも奨学金や特待生枠を狙っているため、可能な限り勉強をしたい。

 

 参考書代も持ってない彼女に「良いから買って、勉強しな。頑張ってね?」ってさ。なんて良い恋人じゃないか。我ながら、うっとりする。

 

 ……ただ、まぁ。

 

(ここまではあくまで、今日までの話)

 

 今日、私が彼女に会いに来たのはドラフトのための採点のため。貧乏だから、可哀そうだからと、手を緩めるわけにはいかない。

 

「それじゃ、お風呂、行こうか?」

「……ん」

 

 私はそう言って、恋人の手を掴んで歩き始めるのであった。

 

 

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