流石に百合セフレを増やし過ぎたクズ女の辿る末路 作:すっごい性癖
「ね、恋人同士なんだからさ……? もっと、近寄ってよ」
「恋人って言ったって、私たちは……」
「ん~? 何かなぁ。まさか、付き合ってない、なんて言わないよねぇ……」
――だったらコレは、歴とした援助交際になっちゃうよ?
「――ッ」
「あははっ、でも違うもんね~? 私たちはラブラブで、お互いが大好きだから付き合ってるんだもんねぇ? ……ねぇ?」
「……そう、です、ね。私も、桃花さんのことが……、好きですから」
「だよね~」
くすくすくす、と彼女の耳元でわざとらしく笑えば、彼女は可愛らしいくらいにビクビクと震える。耳がとっても敏感な娘なんだ。知ってる。この半年でそりゃあもう、開発に開発を重ねたのこそ私なのだから。
「ん……、んちゅ。ぇろ……、んぅ」
「っ、……っは、そんなとこ、舐めないで」
「ちゅ……。えぇ、そんなこと言って。これ、大好きなの、お姉さん知ってるんだから。ほら、あー……、ん」
「……ッ!!」
カプリ、と彼女の右耳を咥えこみ、舌先でその縁や穴を舐め責める。ゾリゾリ、ゾリゾリと耳垢を擦り落すように舐めたり、ペロペロ舌先で可愛がったり様々と。時にはじゅるるる、とワザとらしく音を立てて聴覚から興奮するよう促したりもする。
敏感な彼女はそれだけでビクビクッ、と身体を震えさせてしまうが、しかし決してこちらを拒もうとはしない。口ではダメ、なんて言っているが、身体は正直だ。押しのけようと思えばいくらでもできるだろうに、しないんだから。
「ねっ、ほら。舌出して……? 恋人らしく、キス、しよ?」
「……ん」
結局、抵抗のようなモノも最初のパフォーマンスだけで気が済んだのか、私が乞えば素直に顔をこちらに向け、舌先をピンと伸ばして差し出す。
本当に、可愛らしい娘だ。真面目がゆえにお金と引き換えにこんなことをしている自分が許せない。だからいつまでたっても自分は乗り気ではないのだ、とアピールをする。いやだ、ちょっと待って、なんて口にして。
けれども彼女はとっくに自分自身が気づいていないだけで、この半年私という存在に心を許してしまっている。そうでなきゃ、こんなに従順なはずがない。
そもそも、彼女が私を嫌う理由が無いんだしね。だって、貧乏な家庭の自分にお金をいっぱい恵んでくれるのに、その対価で更に自分を気持ちよくしてくれてさえもいる。家じゃどんなに望んでも愛してもらえないけど、ここでは好きなだけ愛してもらえる。
どんなに強がったって、ずっと心の奥では「寂しいよ」と泣いていた彼女に私という存在は毒でしかない。じんわりと、心の奥に住み着いて離れない毒。
人と触れ合うことは温かい。抱きしめてもらうことは温かい。好きって言ってもらうことは温かい。愛してもらうって温かい。
誰だって小さい頃から知っていることを、彼女は親から教えてもらえずにいた。
だから私が代わりに教えた。彼女の親に代わりに、恋人(仮)の私が、たっぷりと、この全身を使って。
彼女は今になって初めて、人肌の恋しさを知ってしまったのだ。そりゃあ、どんなに気丈に振舞ったって、意味はないだろう。
「ん、は……、んちゅ……。っは、もっと……」
「ん、いいよ。もっと、もっと、伊蝶ちゃんの好きなようにして」
次第に彼女は壊れたように、私を求め動き始める。もはや最初の頃の抵抗の演技など見る影もない。
互いに唇を貪るように重ね合わせ、舌を絡め合い、唾液を交換する。ぐちゅぐちゅと溢れた唾液の泡立つ音も気にしない。きっと、今私たちが唇を遠ざけあったら、お互い口の周りがすごいことになっているだろう。
「と、桃花さんっ、好き、好きッ。んちゅ、じゅる……、んはぁ」
「んっ、私も大好きだよ。伊蝶ちゃん、んぁ」
ぎゅう、と両腕を互いに相手の身体に巻きつけ、痛いくらいまで抱きしめ合う。私も彼女も、胸の大きさは涼香ちゃんほどではないが十分大きい方なので、ぎゅっ、ぎゅっと押し潰しあう様になって息が苦しい。
キスをする。死にそうなほどにキスをする。一生分と思えるほどのキスをする。
愛などどこにもないはずなのに、互いに愛を確かめ合うようなキスをする。
「はぁ……、はぁ……っ」
「ふーー、ふーーっ」
二人の吐き出した吐息が空中で混ざり合う。
次第に呼吸のリズムが重なり合って、ラブホの室内には呼吸音がまるで一つだけのようになり始めた。大きな、呼吸の音が一つだけ。
もはや私も彼女も、他には何も見えてはいない。
私は彼女の瞳だけを見つめていて、彼女も私の瞳だけを見つめている。まるで世界に私たち二人だけしかいないみたいだ。
「……ぁ」
――ぱさり。
合図はなかった。ただ、示しあってはいなかったが、今だろうという予感はあった。それだけ、私たちの意識は重なり合っていたということなのだろう。
「はぁ……、はぁ……っ」
「……ふふっ」
私は、堪えきれなくなった伊蝶ちゃんにベッドへと押し倒された。
ぐるん、と視界は一転し桃色の天井が良く見える。ラブホらしい、ムードを意識した照明が焚かれた天井だ。
でも、それ以上に見えるのは……
「桃花、さん……」
完全に興奮しきり、頬を紅潮させ、瞳を蕩けさせている彼女の顔。普段からクールというか、きれいな顔立ちをした美人さんだが、今はそこに色気まで乗せられていて完璧というほかない。思わずじっと、その顔に視線が釘付けになる。
「とうか、さん……」
そんな綺麗な顔が少しずつ、少しずつ寄ってくる。先ほどまでと同じように、愛を確かめる為に唇を重ねようと寄ってくる。
当然、私はそれを拒まない。迎え入れるように、ぐっと少しだけ顔を寝転びながら持ち上げて彼女の唇に自身の唇を押し当てる。
ふにっ、と互いの柔らかい唇が形を崩しながら密着する。私としてはそんな優しい感触を楽しむのもよかったのだが、すぐさま口内に硬い舌先が侵入しはじめたのであきらめる。
とても暴力的な、獣のような口づけだ。普段の理性的な彼女からは想像もできない。
自分が彼女をそんな状態になるまで発情させたのだと思うと、なんだか誇らしい。
「ん――ッ」
口の中の全てを彼女の舌に犯される。歯を舐められ、上顎をなぞられ、舌を舐られ、頬の裏を味わられる。口の中だとは言え、ピリピリとした小さな快感がとめどなく全身を駆け巡って気持ちいい。自然と、腰が浮かんでくる。
――ずっと、こうしていたい。
そうだ。私はずっと、こうしていたいんだ。ずっと、ずっと、気持ち良くなっていたい。だからエッチが好きなのだ。だからセックスがやめられないのだ。
この瞬間の、天にも昇るような心地よさに魅せられてしまった私はきっと世間では依存症と後ろ指さされるのだろう。
だが、気にしない。これだけ気持ちよくって、これだけ幸せなんだ。それ以上に、何が要る。
「ねぇ、伊蝶ちゃん……?」
ぺたり、と彼女の頬に右手を添える。すごく熱い。まるで太陽を直に触っているみたいだ。彼女の生の迸りを感じる。
「もっと。恋人らしいこと、しよ――?」
そう私が彼女に囁いたと同時。どこからか、パチリと何かしらのスイッチが入った様な音を幻聴した。
そこから先、私と彼女がどのように愛し合ったかなど。
言うだけ野暮、というモノだろう。