流石に百合セフレを増やし過ぎたクズ女の辿る末路 作:すっごい性癖
「はっ、はぁ……っ」
地面に押し倒されながら、左右の手首を両手でそれぞれ押さえつけられ身動きが取れない。腹の上のあたりに腰を下ろされているから、若干の圧迫感を覚える。
「――ッ、んっ」
唇を何度も重ね合わせる。ちゅっ、ちゅっ、と軽く触れ合わせるだけのキスから始まったそれは、回数が増すごとに一回の時間が増していき、二十回を超す頃には一回のキスで十秒も時間をかけるようになっていた。
「ぁむ……、んちゅ、……ぷはっ」
舌を絡め、口内を責められ、息ができない。キスの終わりの僅かな隙間時間でなんとか一呼吸を入れることがやっとだ。
自然と酸欠状態へと移行し、だんだん意識が浮いていく。ふわふわふわと、酒に酔っている時のような浮遊感だ。
私はぼぅ、っと彼女の為すがままを受け入れる。
「んぁ、ちから……、つよい……」
私の抵抗の無さを悟った彼女は、次第に手首の拘束をまず右手だけ外す。そのまま流れるように私の胸のあたりまで腕を運ぶと、何の遠慮も無いまま、服上から胸を揉みしだき始めた。
力の強い彼女が遠慮も無しにぐに、ぐにと揉むものだからじんとした鈍い痛みが若干走る。けれども私はその痛みにさえ微かな快感と、興奮を感じ取るものだから自然と「あんっ」なんて甘い声を漏らすのだった。
「ん、んちゅ……、もっと、もっと……」
当然、その間も絶え間なく唇は重ね合わせ続ける。キスする度に背筋にゾクりと電撃が走って堪らない。それはキスそのものの快感もあるだろうが、それ以上に浮気という行為において最もわかりやすい不貞行為こそがこのキスだから、というのもあるだろう。
キス、というのは性交ではなくあくまで愛情表現である。結婚式でだって、来賓の前で見せる様な愛情表現。そんな行為を浮気相手と熱心に繰り返すことに快感を覚えず、何が浮気だ。
次第に行為は過激な方向へとエスカレートしていく。
下品な音を立て、くちゅくちゅと唾液をかき混ぜながら交じり合うキス。まるでナメクジの交尾かのように舌を合わせ、絡めては時に吸い、吸われなんかもして。ごくん、と泡立った彼女と私の唾液を混ぜ合った何かを飲み下せば、腹のあたりから燃え上がるような熱を感じてならない。
鼻息は荒く、意識はより相手のことしか考えられなくなり、身体の感度もそれに応じて上昇していく。
もはや揉みしだかれる胸から感じるのは痛みではなく、純粋な快楽のみに転じている。
「この胸が……、私を、私を……っ」
気が付けば心は残った左手も拘束に使うのは止め、右手と同じように私の胸を揉みしだいていた。右手で左胸を、左手で右胸を、下から持ち上げるようにして強調させ、ぎゅう……っ、と力いっぱい握りつぶしてその感触を楽しんで。
女同士、自分にだってそれなりのものが付いているのに他人の胸を揉んで何が楽しい。そう思う人も居るだろう。
だが、違うのだ。自分と他人の胸というのは、まったく違う。むしろ自分にも似たものが付いているからこそ、その感触の違いや柔らかさに感動してハマってしまう。私もその手の人間だから、よくわかる。
だけど、そうだな。
「ねぇ……。もう」
――我慢、できない。
彼女にそう、私は囁く。
既に快感を感じ続けていた私の胸の感度はかなりのレベルにまで高まっている。もはや服の上からの刺激、じゃあ物足りないのだ。
胸を掴まれ、自然とその手のひらにひと際敏感な部分が押しつぶされても、多少の圧迫感しか感じ取れないこの状態の、なんともどかしいことか。
「……この、魔性め」
心は私のおねだりを素直に聞き入れてくれたらしく、私の意図を正しくくみ取り、その両の手を腹のあたりから服下へと差しこむ。
もぞり、もぞりと動く異物感。下から這い上がってくる指先の感触に私は身体を跳ねさせる。
つー……、と指の先端を腹に添わせ胸のあたりまで撫ぜられるのがたまらない。
魔性だなんて、よく人のことを呼べたものだ。心だってもう十分、こっち側の人間になってしまっただろうに。
「……外していい」
何を、とは彼女は言わない。
何を、と私も尋ねない。
互いにそれが何を差しているかは理解し合っていたからだ。だから私はこくり、と頷くだけで済ませる。彼女もその答えが返ってくるって、聞く前からわかっていたからだろう。
何の感動もなく、彼女は服の中で軽く両手を動かすと……
――ぷつん。
なんらかのフックを外すような音が辺りに響く。瞬間、私は感じていた窮屈感から解放される。
「あ、っはぁ……」
やっぱり、良い。比べるとまったく違う。さっきまでの行為がまるで遊びかのような快感に、思わず声を漏らし身体を捩じらせる。
「あはっ、かわいい……」
何倍にも跳ね上がった快感に余裕をなくした私は、彼女のなすがままを受け入れさせられる。食卓を挟んで会話していた時は私の方が上位を振舞っていたのに、この場に来てその関係は完全に入れ替わった。
――その事実が溜まらなく気持ちがいい。
「ん――、ちゅ」
唇を、もう何回めかもわからないまま重ね合わせる。
全身に快感が満ち溢れる。積もっていく。ずっと感じていた快感が、消え去らず胎のあたりに残り続け、溜まり続け、今にもはち切れそうで……。
私はなんとかそれを逃がそうと、意味もなく腰をぐぐぐ、と浮かべるのだが。
「ダメ、逃がさないから……」
当然、上に跨る彼女がそれを許すはずもない。どしん、と床に腰を密着させられ、浮かべることなど不可能になる。
あぁ、駄目だ、ダメだ、だめだ。溜まっていく、気持ちいいのが溜まっていく。
脳の中が真っ白になり始めた。思考が上手くまとまらない。視界もなんだかカチカチして点滅しているかのよう。声はもう抑えきれず、壊れたラジオかのように嬌声を漏らすだけ。
もう、耐えられな……
「ふふっ」
「ッ――!!」
そう思った瞬間、私の中で、何かが弾けた。溜まり続けていたものが堪えきれず、弾けてしまった。
ぎゅう、と。何かのスイッチを入れられるかのように、とどめの感触を彼女に突きつけられた瞬間、私の中の我慢は崩壊したのだ。
びくん、と身体が大きく跳ねる。全身から力が抜け落ち、弛緩する。頭の中は真白に、口からは声にならない声が漏れ出ているが、気にしない。というより、気に出来ない。
あぁ、気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
――きもちわるい。
全身を駆け巡る電気信号にうっとりとしながらも、しかし脳の一部は確かにその感覚を見逃さない。
普段ならありえない違和感、おきようもない異常事態のアンバランスさにどうしても集中が向かう。
例えるならば、そう。お風呂に入った後に、身体を拭くことなく服や下着を身に着けてしまったときの違和感、と言えばわかるだろう。
……つまりは、そういうことだ。
「あ……」
ずるっ、と服の下に入れられていた両手が抜きだされる。そしてその両手が次に向かう先は……。
違和感の先、その発生源に他ならない。
「こころ……」
声に艶が乗る。期待に満ちた、甘い声。この気持ち悪さ、この違和感をどうにかしてほしいと媚びる声。
ぐい、と彼女の右手が近づいてくる。
「貴女が、すべて悪いんだから……」