流石に百合セフレを増やし過ぎたクズ女の辿る末路 作:すっごい性癖
「今日も幽世からこんばんわ。あの世在住系VTuber、幽世アダだよ~」
そうお決まりの挨拶を皮切りに、動画配信を始めた幽世アダ改め、舞園蜜姫。流石は今を時めく配信者様だ、開始一分ですでに同接も一万人を余裕で超えている。
流れていくコメントの速さからもどれだけの人数が、彼女を見るためだけに時間を割いているのかが伝わってくるようだ。配信者用のコメントは速度がある程度遅くされているらしいが、それでもかなり早い。
私はそんな彼女を後ろから眺めているわけだが……、いやぁ、本当に気分がいい。これだけの人気者を、私は好きに出来ているという事実がたまらない。
きっと画面の向こうでは何百、何千ものオタク共が性欲に目をギラつかせていて、少し性的に聞こえる発言があっただけでアマゾン川に住むピラニアの如く食いついては、その行き場のない性欲の発散の為に用いるのだろう。実際には触れられないから、せめて妄想の中だけでは大人気な彼女を手籠めにしたい、その妄動の材料をくれるのを今か、今かと待ち望んでいる。
本当に、滑稽な話ではないだろうか。
しかし、同時にとても悲しい話でもある。ファンたちは何万、何十万、下手したら何百万というお金を彼女に投げても触れるはおろか、会うことすらままならないのに。
一方で私は、お金なんて一円も払うことなく、好きなだけ彼女を弄べてしまう。会いたいときに会って、触りたいときに触って、虐めたいときに虐めて、抱きたいときに抱く。
この時点で悲しい話だろうに、それどころか、彼女はあろうことかそういったファンの投げた投げ銭を、私に貢ぐことで快感を得てしまっている。彼女にとって画面の奥の見えないファンは、お金を貢ぐ快感以下の価値でしかないのだ。一方的な愛情ほど悲しいことも無い。
……なので、私は可哀想なファンたちの想いを継ぐべく、一つ、良いことを思い付いた。それは……
(……きた)
それを確認した瞬間、私はガブリ、と配信中の彼女の首もとに遠慮なく噛みついた。跡が付くとか、大事な血管がある、なんて関係ない。
「――ッ!?」
当然、マゾの蜜姫はその突如の痛みに強い快感を覚え、声にならない声を上げそうになる。配信中だから、と耐えようとしているが……、もしかしたらちょっとくらいは嬌声がマイクに拾われたかもしれないね。知らんけれども。
「……えっ、急に変な声出してっ、どうしたのって……? べっ、べつになんでも……、ッ!!」
当然、変な声を急に漏らした彼女を心配するコメントにあふれかえる。体感、八割ほどは心配の声。だが、残りの二割は……。
『エッ、な声助かる』
『ごちそうさまです』
『今日のボイス代』
そんな彼女の漏らした嬌声を見逃さず、その声に対する感謝の声を幾らかの金銭とともに投げてくるコメントたち。これこそ、投げ銭と呼ばれる彼女の私への貢ぎの厳選であり、そして……。
「一万超えが三つ来たから……、三回、可愛がってあげる」
「……んぅッ、はっ、はぁッ……!」
ガリ、ガリ、ガリッ!! と三回、リズムよく彼女の身体に歯型をつける。首だけではない、思いつくまま、腕に、胸に、脚にと好きなように噛みついた。
その度に身体を震わせる蜜姫。ただそれは怒りからなどではなく、当然……
「あッ、……はぁッ」
快感からである。声に先ほど異常に艶が混じってきた。
……そう、私が思いついた可哀想なファンへの贈り物こそがこの、『投げ銭を受ける度に彼女を配信中、リアルタイムで痛めつけてあげる』だ。
ファンたちは彼女にお金を投げているというのに、触ることができない、なんてのは惨い話じゃないだろうか。私は悲しいぞ、とても悲しい。
だから私が代わりに彼らの無念を継ぎ、彼女に触ってあげよう。触れないお前らはお金だけ払って、私が代わりに触ってやるよ。
こうすればオタクたちは私という第三者越しにお金を払えば触れているし、蜜姫はリアルタイムで私に貢げる。そんでもって私は人気者が輝いている時に遊べて、さらにお金ももらえると良いこと尽くめだ。これぞウィンウィン。いいや、それどころか三者だからウィンウィンウィンだ。
まぁ、デメリットと言えばファン共は私がこうして裏で彼女を虐めてることを知らないのでこれまでと何ら変わらないってのもあるけれども……いいでしょ、そこは別に。これまでは聞くことのできなかった彼女のエッチな声をちょっとでも聴けただけで感謝してほしいくらいだ。
……と、投げ銭が止んだな。ちょこちょこ投げられてはいるが、金額がしょぼい。私が彼女を痛めつけてあげるのは、最低一万円からって設定しているから今は何もしてあげれないのだ。
「……」
「もー、そんな目で見ないでよ? 私は意地悪で何もしてないんじゃないの。あくまで、ファンたちがお金を投げてくれないのが悪い、……でしょ?」
急に与えてもらえなくなった快感を惜しむようにこちらを見つめる彼女を窘める。だけれども、そんな目で見られても私も困る。悪いのは手を止めた私じゃなくて、お金をくれないオタクどもだろう。
だから、どうしても虐めて欲しいんだったら……
「虐めてほしかったら……。わかる、よね?」
もっと投げ銭を要求しろ。私に貢ぐためだけに、ファンに媚びてお金を奪い取るのだ。虐めて欲しいなら、お金を貢ぎたいなら、ファンから巻き上げろ。
そう、彼女の耳元で囁き、促す。
彼女はそんな私の言葉に「そんな、こと……。ダメ」なんて、マイクにも乗らないくらいの小さい声で呟いて否定的な姿勢を取るも……。
「……っ」
(なーにがダメ、だかねぇ。自分だって、とっくにもう……)
その気じゃないか。鏡を見てみろ、とても人には見せられないような顔をしているぞ。欲に溺れ、快楽を求め、ファンを金ヅルとしてしか見ていない顔。もう彼女が見えているのはファンの顔なんかではなく、私に貢ぐ光景と、ご褒美に虐めてもらう未来だけ。
私はそんな彼女の顔を見てこの後の展開を確信し、
「いーっぱい貢いでくれたら……。今夜は、いつも以上に可愛がって、あげようかな?」
と、最後のダメ押しを囁くのであった。