灰色兄妹の異世界冒険譚~リアルな異世界は現実(リアル)より厳しいようです~ 作:熊澤しょーへい
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人暦1017年牡羊の月中旬
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冒険者育成学校
ぼうけんしゃの たまごが つどう がっこう
こどもから おとなまで ぜんせかいから にゅうがくきぼうしゃが あつまる
こうちょうは ゆうしゃの なかまだったという ウワサ
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はーいどもども、ジンさんです。
俺たちは今、学校の入学式に来てる。
ちょっと前に合格通知が届きまして、教科書とか制服とか色々買ってたら入学式当日になっちまったい。
ひっさしぶりに制服着たわ。なーんか変なカンジ。似合ってる?
「もっちろん!ジン
あざすあざす。
ユーのお陰で自己肯定感爆上がりよ。
俺の制服は創作の魔法使いが良く着てる、いわゆるローブってやつ。結構気に入ってる。色々仕込めそうだし。初見殺しとか初見殺しとか、初見殺しとか。
夏は暑そうだけどどーでもいいね。外に出ないし。
図書館だので引き籠らせてもらいますよーっと。
ちなハイナの制服はズボンに薄手とスポーティーな形。動きやすさ重視!ってカンジ。
いやー、似合ってるね。色合いとかもいいし、作った人はセンスが爆発してる。(岡本太郎的意味合いではなく)
てかここにカメラが無いのがひっじょーに悔やまれる。制服姿の我が妹、永久保存モノでは?
まーいいや。せめてマイメモリーに焼き付けとくとするか。
あとで絵にしてどっかの博物館にでも寄贈したろ。
「フゥン、やはり貴様も合格していたか!」
うるさっ。
んだよ。急に大声で話しかけてくるのは止めて下さる?こちとら万年寝不足族ぞ?
あ、ハイナはもちろん例外ね。
どんな声でも優しく耳に響き―――え?気持ち悪いからやめろ?スマソスマソ。
「だがそれでいい!何故なら貴様は俺様のライバルと成り得る存在だからだ!」
実技試験でハイナと一緒になった
うーん。金髪といい、どことなく溢れ出る陽キャ感。日光っぽくてちょっとニガテ。
大人しくハイナの影に隠れとこ。兄の威厳?知らんな。
誰だって苦手なものくらい1つや2つあるものサ。
「ライバルって・・・大げさじゃない?あれだってまぐれ勝ちだし」
「ハッハー!謙遜することあるまい。貴様には才能がある、剣を交わした俺様がそう感じたのだからな!」
流石は我が妹。あの陽キャパワーにも全く臆してない!
てかこのにーちゃん、中々見る目あるな?我が妹の才能をいち早く察知するとは。1
「そこに隠れている男、貴様の連れか?」
あ、目ぇ付けられてら。まあ本気で隠れるつもりは無かったんですケド。
どーも、ジンです。こいつの兄貴やらせて貰ってます。
「フゥン、やはりな。試験の様子を見ていたが、貴様も中々優秀そうだ」
へへ、どーもどーも。
まあ適当に殴り書きした式なもんで、美しさのカケラもありゃしませんでしたが。
あんなん専門家に見せたらぶん殴られるわ。
てか陽キャオーラパネェな。
誰かサングラス持ってる人ー。・・・いない?そもそもこの世界にサングラスは存在しない?メガネはあるのに?そっかぁ・・・
変なところで元の世界と違うんだよな。
「そこの方達。通路の真ん中で立ち止まるのはおよしなさいな。みなさまの迷惑ですわよ」
あ、ミス・ツインテドリルじゃん。あんたも受かってたんだ。
てかその髪型どうやってんの?
「貴方、わたくしをそう呼んでましたの?わたくしにはエリザベート・カルベルニアという立派な名前がありましてよ」
「ハッハー!貴様がエリザベートか!俺様には分かるぞ、中々の手練れだな?」
「貴方がコウセイ・シロガネ?見る目あるじゃない。どうやら情報に間違いは無かったようね」
情報?なんだそりゃ。
・・・ふむふむふむ。受験生の情報を売りつけてる情報屋がいる?万全を期して金を使うのが普通?
ほーん・・・そうなの?
なんだそりゃ。そんなマジになることなの?てか合法なのかよ。
おーっとマイシスター、その冷たい視線は止めてもらおうか。
いやマジで。SAN値ゴリゴリ削られるから。
いや異世界の受験事情なんざ知らなんだし。倍率視たら1.5くらいだったし。0.5を蹴落とすだけならいけるだろって思ったんだよ。
つーかこっちは基礎知識すらなかったんだぞ?情報戦仕掛けたって時間と金の無駄だろ。
結果的に入学できたんだからいいだろーが。
結果は全てにおいて優先する、って仮面の人も言ってたやん。
「・・・(ムッとした顔)」
あー、おやめくださいおやめください。
お客様、ポカポカ殴るのはどうかおやめ下さい。
あーたの想像する5倍は脆いですわよ?アテクシ。
あとその顔マジで可愛いな。
博物館だけじゃなくて美術館にも寄贈したろ。
迷惑?そんなわけないだろ!(過激派)
「もっと楽な試験になったかもじゃん!」
そんなことないって。
絶対。たぶん。メイビー。
「情報屋が間違いではないとしたら・・・貴方たち、本当に異世界人でして?」
「フゥン。それは俺様も気になっていたところだ」
え?なんすか。そんな目で見られても困るんですケド。
まあ俺『は』純度100%の異世界製ですが?
ホント、ひどいわ!アタシのこと、簡単に嘘をつく人って思っているのねっ!
「・・・まあ、そういうことにしておきましょうか」
その「・・・」の間に溜息吐いたの見逃さなかったが?
もっかい痛い目見る?
「ハッハー!優秀な人間に生まれも種族も関係あるまい!俺様は貴様らと縁ができたという事実だけで十分だ!」
お前・・・いい陽キャか?
ちょっと絆されそうになったじゃんね。
でも貴様がハイナを狙うというなら話は変わるゾ?少なくとも俺にタイマンで勝ててもらわないとなぁ!剣士も魔術師も関係ねぇ!そんときはガンメタ張ってボッコボコにしてやんよぉ!
「ねえ、そろそろ時間じゃない?」
あ、そうじゃん。やべやべ。
今日は入学式と校舎案内と・・・あと寮の説明があったな。
いつ帰れることやら。
「あら、貴方たちも入寮しますの?」
「エリザベートも?」
「俺様もだ!旅費と学費で有り金は殆ど使い切ってしまったからな!」
「貴方も他国から?」
「貴様もか?俺様は始竜皇国からだ!」
「わたくしは・・・そうですね、レイブン王国南部からとでも」
へえ、2人も寮か。
他国からも一定人数来るって話だし、珍しい話じゃないんだろうな。俺たちもその一部だし。
つーかツインテお嬢様は大丈夫なワケ?
「だからエリザベートと―――」
だってアンタ
血とか飲まなくて平気なん?
「・・・」
「・・・」
「・・・ジン兄、本当にそういうところだよ」
え、何この空気。
止まってないで歩こうよ。時間危ないだろ?
あとマイシスター、どういう意味だその言葉。
「わたくし、話してないですわよね?どうして分かったんですの?」
え?そんなん見て分からん?
魔力の質?魂の形?まあそれが特徴的なんよね。
で、血とかそこらへん大丈夫なワケ?
「大丈夫ですわよ?血液からも魔力を摂取できるというだけで、命の源というわけではありませんもの。というかわたくし、血はニガテですし」
ほーんそうなんだ。
血が嫌いな吸血鬼って、ちょっとどうかとも思うケドね。
イメージ戦略的な方向で。
「すみません・・・ノンデリな兄で本当にすみません・・・悪い人じゃないんです。ただ、偶に、ほんの少し、人の心が分からないだけで」
「気にしてませんわよ?別に隠していたわけでもありませんし。あと貴女、実の兄に対して辛辣ですわね」
「ハッハー!俺様も気にしていないぞ!言っただろう、『優秀な人間に生まれも種族も関係ない』とな!」
えー、何か俺が悪いみたいな雰囲気じゃん。
やべ、ハイナに睨まれた。
エスパーかよ。ま、そういう顔も可愛いけどね。
ちなみに学長の話は寝過ごした。
すまんね。
エリザベート・カルベルニア
種族:
性別:女
魔法適性:黒
スキル:魔法知識4 身体知識2 血液操作3 吸血1 速口2
称号:修行者
加護:原罪の祝福
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スキル解説
身体知識:人族の身体に関する知識。回復魔法など身体に直接作用する行動に対して上方補正。
血液操作:魔力を通すことで自身の血液を操ることができる。
吸血:血を摂取することで魔力を回復する。
速口:呪文の詠唱速度上昇。成功率が微減。
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加護解説
原罪の祝福:「原罪の加護」の上位互換。始まりの