灰色兄妹の異世界生活   作:熊澤しょーへい

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灰色兄妹と部活動

ごちそうさまでした!

うーん、食堂のご飯はどれも美味しいね。

材料名が分かんないのが唯一の欠点だけど。

 

私が選んだのは「デセル豚のケンリテ焼き」。

どんな料理か分かんないって?みーとぅー。思わず3人に聞いてみたね。

デセル豚は魔王国連邦で有名な家畜らしい。大量生産が可能だとか。

ケンリテは香辛料の一種らしい。

ほーん、じゃあ最初からそう書いて欲しいと思ったり思わなかったり。

 

ちなみにメニューの字は読めない。

うーん、不便。3人に通訳してもらって何とか注文してる。

教科書は日本語だっていうのにね。なーんでこういうとこは異世界使用なワケ?

あと異世界転移なら自動翻訳ぐらい付けてよ。不便な世の中だこと。

 

私も習おうとしたよ?流石に不便が過ぎるからネ。

でも5秒で諦めた。ほんっとに意味わからん。

ぜーんぶ同じに見える。ヤダヤダ。

なんでジン兄は普通に読めてるんだろうね?

 

あ、ようやくジン兄が食べ終わった。

相変わらず遅いなぁ。

 

「しゃーねーだろ。テメーとは消費燃費がちげーんだし」

 

じゃあ運動しなって。

早朝からランニングの一つでもすれば、結構変わるでしょ。

 

「だが断る。んな朝早く日光を浴びるなんざ、正気の沙汰とは思えねーな」

普人族(ノーマル)の発言とは思えませんわ。貴方、本当は吸血人族(ヴァンプ)ではありませんの?」

「フゥン、違いない。明日から起こしてやろうか?」

「止めろ、金髪。それしたらテメーの股間に魔法ぶち込むからな。覚悟しとけよ」

 

うん、よかった。エリザも元気になったっぽい。昼ごはんも全部食べてるし。

笑顔が一番、平和が一番!

 

で、どうする?まだ正午ちょっと過ぎだけど。授業までもうちょいあるだろうし。

こっそり街に行っちゃう?ショッピングと洒落こんじゃう?

学校探検とかでもいいよ。この学校広すぎるから、まだ全部回れてないし。

 

「貴様、何を言っている?」

「そんな暇ありませんわよ?・・・もしかして事前の説明、聞いてませんでしたの?」

 

おっとぉ・・・冷たい視線はやめてくれ。その術は私に効く。

ジン兄じゃないんだからさ、そんな目で見られるとこっちも委縮しちゃうワケ。

なんか聞いたっけ。もうほとんど忘れちゃったや。

というわけで、Heyジン兄!解説オナシャス!

 

「んなこったろーと思ったよ。この学校の授業は昼までな」

 

え、マジ?マジレ〇ジャー?

ラッキー。得した気分だね。

じゃあもう寮に帰っちゃう?エリザからお話聞いてみたいし。

 

「それは嬉しい申し出で・・・って違いますわ。これから私たちは所属する『学団』を決めなければなりませんのに」

 

・・・なんぞなもし。学団?

Hey、ジン兄!

 

「はいはい。授業はあくまで知識面についてだけ。剣とか魔法とか、そーいう実技を午後にすんの。学団は元の世界の部活動と一緒みたいなもんだ。午後はそこで色々すんの」

 

へぇー。てことは強制的な部活動みたいなもんなのね。

いいね。座学よりも全然好きよ、私。

じゃあ、とっとと決めようよ!

・・・で、それってどうすんの?

 

「・・・」

 

ちょっと、ジン兄までやめてよ!

私が泣いちゃっていいの!?

 

 

◇◇◇

 

 

ほえー。これが掲示板ね。

でっかい板に紙がめっちゃ貼られてる。これ全部学団の勧誘?

にぃ、しぃ、むぅ・・・数えきれない!

 

来る間に色々話を聞いた。

ここの教師は学団を持つのが一種のステータスらしい。規模が大きいほど教員間の地位が高いとかどうとか。

血みどろの派閥争いもあるんだとか。こわっ。

 

まあそんな話は私ら学生には関係ないし。

でも流石に多すぎ。どこがいいとか分かんないし。

 

「フゥン、剣術関連だけでもこれほどか。白金(シロガネ)流は・・・流石にないか。手合わせ願いたかったが」

「皇国は遠いでしょう、当然ですわ」

 

う~ん、やっぱ書いてること分からん。

多分この辺が剣術系で、こっちが魔法関連かな?絵が描いてあるから何となく分かる。

といってもどんなのがいいのか分からん。

 

「皆様はどの学団を?」

「俺様は剣術だな!ハイナの奴にリベンジせねばなるまい!」

「俺は魔法関連か、あとは薬草学だな」

 

う~ん、う~ん・・・

 

「ハイナはどうしますの?・・・ハイナ?」

 

う~~~~~ん・・・

 

「随分と集中しているな」

「そこまで集中するなんて、どうかしましたn」

「2人とも、黙って待っとけ。こういう時のアイツを邪魔すんな」

 

ムムムムム。

 

・・・あっ、ビビーンってきた。

これとこれがいいと思うよ。

 

「フゥン。何故これを?」

 

うん?だから言ったじゃん。ビビーン、ってきたんだって。

こう、なんていうの?これを選んだらいい方向に進むみたいな、そんな感じの。

だから選ぶならこの2つのどっちかにしようよ。

 

「・・・とんでもないな、貴様。皇技の最中にも()()を使ったのか?」

 

うーん、ちょっと違うね。

あーゆーときって身体の方が勝手に動くんだよね。反射みたいにさ。

それか何となく分かる感じ?「ここに置くと勝てるかも」みたいな。

 

「・・・貴様の言っていたことがようやくわかったぞ、ジン。貴様の妹はとんだ化物だな」

「オーケー、金髪野郎。その発言は俺に泣かされたい、って意味でいいな?自分から申告してくれるったぁ、殊勝な心掛けじゃねーか」

「貴様、判定が緩すぎではないか!?」

 

どうどうジン兄。落ち着いて。

深呼吸だよ、できる?ヒッヒッフーって。

 

「まあいいぜ。今日のところは見逃してやらぁ」

「・・・(呆れたような顔)」

「んだよ、かまちょか?口にしなけりゃ気持ちなんぞ伝わらねーぞ」

 

・・・もうほっとこ。

どうせ喧嘩まではいかないだろうし。

 

「それにしてもよく見つけましたわね」

 

そりゃ、かなり下の方にあったし。他の宣伝紙に比べたら小さいしね。

多分私たち以外は見てないんじゃない?

 

「1枚は剣術の学団のようですわね。『強くなりたい方歓迎』・・・これだけですの?後は場所が書いてあるだけですわ。この教室は・・・1階の最端ですわね」

 

ほーん、これは私向きかも。

やっぱり異世界に来たからにはバトルとかしたいし?ダンジョンとか行きたいし?

コラッ、そこ!『バトルなんて今朝しただろ』みたいな反応止めなさい。あれは喧嘩よ。元の世界でもできるじゃん。

そーじゃなくってさー。こう・・・世界の命運をかけた戦いとか、男子なら一度はやってみたいじゃん?

私女だけド。

 

で、2つ目は?読んでちょ。

 

「お待ちなさいな。もう1枚は魔法系の学団のようですわね。これまた短いですわね。場所と教員の名前と―――本当に最低限しか書いていませんわ」

 

ほうほう、こっちはジン兄向けだね。

魔法かー。私も適性あったらなー。

まだ夢を捨てきれてない。そんな今日この頃。

 

「んじゃ、とっとと行くか。俺とツインテは魔法の方行くわ。ハイナとプラチナ野郎は剣の方な」

「待て貴様。本当にここに行くのか?」

「そうですわよ。折角ならもっと大きな学団にしませんこと?」

「いーだろーが。こいつが選んだんだぞ?なら迷うことねーだろ」

「「それは貴方(貴様)だけですわよ(だ)!」」

 

え、なになに。ドユコト?

・・・へー、ふーん。

なんでも大規模な学団ほど資金がもらえて、設備も豪華なんだとか。

んでんで、そんな学団に所属してたってことは、学生にとっても一つのステータスになるらしい。

卒業した後に活動するときに有利なんだとか。

 

ま、知らん知らん。

そういうのは言いたい奴に言わせときゃいいんよ。

じゃあ、私は早速見学行ってくるから!コウセイ君は案内して!

 

「んじゃこっちも行くぞ、ツインテお嬢様」

「な?!わたくしは行くなんて一言も・・・」

「まったく貴様ら、こういうところは正しく兄妹だな」

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