量産型高校生MSの日常   作:マチュー

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一般男子(MS)高校生のザクとズゴックが繰り広げる日常


高校では彼女作るぞ!おー(ザクズゴ

 

この世界には、人間とMSが暮らしている

 

 

人間は人間として生活し、MSもまた人間と同じように学校へ通い、働き、買い物をして、毎日を過ごしている

 

 

ザクやジムのような量産機も珍しくない

 

 

ガンダムタイプのような名のある機体は、美男美女が多く、学校では人気者だったり、芸能界で活躍していたりする

 

 

そんな世界の、とある街

 

 

ここにも、ごく普通の高校生MSが二人いた

 

 

「……んぁ」

 

 

 

ベッドの上で、一機のザクが目を覚ました

 

 

 

ザクくんである

 

 

 

「……朝かぁ」

 

 

 

眠たい目をこすりながら、ザクくんは枕元に置いてあった目覚まし時計へ手を伸ばす

 

 

 

そして――

 

 

「…………」

 

数秒間、沈黙

 

「…………え?」

 

 

 

時計の針は、入学式が始まる時間へと着々と近づいていた

 

 

 

「…………ええええええ!?」

 

 

ザクくんは飛び起きた

 

 

 

「やっべぇ!! 今日入学式じゃん!!」

 

 

慌てて部屋を飛び出す

 

 

「なんで起こしてくれなかったんだよ!!」

 

「起こしたわよ!」

 

 

 

親から返事が返ってくる

 

 

「三回くらい!」

 

「起こされてないよ!」

 

 

 

「アンタが『あと五分……』って言ったんでしょうが!」

 

 

 

「言ってな、言ったかも!」

 

 

 

ザクくんは制服に着替え、鞄を引っ掴む

 

 

そして玄関へ向かい――

 

 

「行ってきます!!」

 

 

 

「朝ご飯は!?」

 

 

 

「いらないよ!!」

 

 

 

「入学式くらいちゃんとしなさいよー!」

 

 

 

バタン!

 

 

 

ザクくんは家を飛び出した

 

 

 

「遅刻遅刻遅刻ぅぅぅ!!」

 

入学初日

 

まさかの寝坊である

 

 

新しい学校

 

そして――人生で一度しかない、高校の入学式

 

 

 

なのに

 

 

その時だった

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

後ろから声が聞こえた

 

 

 

「ザクくーん!」

 

 

 

「……ん?」

 

 

走りながら振り返る

 

 

そこには、青い機体がいた

 

 

 

ザク「ズゴックくん!?」

 

 

 

ズゴ「よかった、追いついた!」

 

 

ザクくんの親友、ズゴックくんである

 

 

ザク「ズゴックも遅刻?!!」

 

 

 

ズゴ「いやいやちょっといつもより寝てただけだ」

 

 

 

ザク「それを遅刻って言うんだよ!」

 

 

 

ズゴ「ザクくんだって遅刻してんじゃん!」

 

 

 

ザク「俺は……寝坊したんだよ!」

 

 

 

ズゴ「同じじゃねぇかよ(笑)!」

 

 

 

二人は並んで走り出した

 

 

ザク「あと何分!?」

 

 

ズゴ「知らん!」

 

 

ザク「時計持ってないの!?」

 

 

 

ズゴ「スマホがあるから要らないでしょ!」

 

 

ザク「確かに」

 

 

 

ズゴ「まぁ電源ないんですけど」

 

 

 

二人の全力疾走は続いた

 

 

 

そして――

 

 

ザク「……見えた!」

 

 

 

二人の前に、今日から通う私立高校が見えてきた

 

 

 

ズゴ「先に行くぞ!」

 

ズゴックくんはザクを置いて先に入っていく

 

ズゴ「走れザクくん!」

 

 

ザク「ズゴック早すぎ!!」

 

予鈴がなり始める

 

 

ズゴック「もっと早く!」

 

 

ザク「間に合え間に合え間に合えぇぇぇ!」

 

 

校門を抜けズゴックくんに合流する

 

 

そして二人は――

 

 

なんとか入学式開始直前に滑り込んだ

 

 

ザク「ぜぇ……ぜぇ……」

 

 

ザク「間に合った……」

 

 

二人は肩で息をしながら、指定された席へ座る

 

 

周囲を見渡す

 

 

そこには、人間の新入生もいれば、MSの新入生もいる

 

 

 

ジム、ドム、グフ

 

 

そして、見慣れない機体もいる

 

 

様々な種族、様々な機体が同じ制服を着て、今日から始まる高校生活を迎えていた

 

 

 

やがて、壇上に一機の巨大なMSが現れる

 

 

ザク「……デカすぎんだろ!」

 

 

 

ザクくんが思わず呟いた

 

 

 

壇上に立ったのは、この学校の校長

 

 

ビグ・ザム校長だ

 

 

 

ビグ・ザム「新入生諸君!!」

 

 

 

体育館全体に響き渡る声

 

 

 

ビグ・ザム「本日は入学おめでとう!!」

 

 

 

ザクくんは背筋を伸ばした

 

 

その後も校長の話は続いた

 

 

「続いて、学園長からの挨拶だ」

 

今度はドズルさんが壇上へ上がる

 

 

 

ドズル「諸君!! 高校生活とは――」

 

 

ザクくんは思った

 

 

(……デカすぎんだろ2、3mあるよね)

 

 

隣を見る

 

ズゴックくんは飽きたように眠りかけていた

 

 

 

 

やがて入学式は終わり、二人は教室へ向かった

 

ズゴックくんと同じクラスで良かった

 

教室ではクラスメイトたちが集まり始めていた

 

 

 

「同じクラスだったな」

 

 

「よかったわ」

 

 

「知ってる奴が一人いるだけで安心するな」

 

 

ザクくんとズゴックくんは席に座る

 

 

すると、教室の中でもひときわ目立つ二人がいた

 

 

フリーダムくん

 

そしてジャスティスくん

 

二人とも、明らかに周囲とは違う雰囲気を持っている

 

 

ザク「……なあ、ズゴック」

 

 

ズゴ「ん?」

 

 

ザク「あの二人、めちゃくちゃイケメンじゃね?」

 

 

ズゴ「確かにね〜俺達モブ(量産型)とは全く違うよね」

 

 

ザク「世の中不公平だな」

 

 

ズゴ「でも俺はザクくんもイケメンだと思うよ〜」

 

 

 

そんなことを話しているうちに、担任が教室へ入ってきた

 

 

 

簡単な説明や自己紹介を終え――

 

 

気がつけば、入学初日の学校は終わっていた

 

 

 

ズゴ「疲れた〜」

 

 

校門を出ながら、ズゴックが言う

 

ザク「疲れたね」

 

ザクくんも答える

 

 

二人はそのまま帰路についた

 

 

ズゴ「なあ、ザク」

 

 

ザク「ん?」

 

 

ズゴ「ちょっと寄ってかね?」

 

 

ズゴックくんが指差した先はBOOK・OFF

 

 

ザク「いいな」

 

 

二人は迷うことなく店へ入った

 

 

漫画を眺め、ゲームを眺め、意味もなく店内をうろつく

 

 

そしてしばらくして店を出る

 

ズゴックくんは推しの最新アルバムを買っていた

 

 

夕方

 

 

帰り道を二人で歩く

 

 

ザク「高校生活かぁ」

 

 

ザクくんが空を見上げる

 

 

 

ザク「楽しみだな」

 

 

 

ズゴ「だね」

 

 

 

少し沈黙

 

 

 

そしてザクくんが言った

 

 

 

ザク「……なあ、ズゴック」

 

 

 

ズゴ「ん?」

 

 

 

ザク「高校では彼女作るぞ!」

 

 

ズゴ「当たり前だろ(笑)!」

 

 

 

二人は肩を組んだ

 

 

二人「絶対作るぞ!」

 

 

 

二人「おー!」

 

 

 

夕暮れの街を、二人の高校生MSが並んで歩いていく

 

――こうして、ザクくんの高校生活一日目は終わった

 

 

 

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