月の付き人   作:猫と兎の総力戦

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 へへ…打ち切りにしてすんません……焼き土下座でもなんでも……


あとスペック

名前:白星 兎呑

年齢:ひ・み・つ♡

性別:男(の娘)

身長:155cm、比較用に 彩葉:167cm かぐや:155cm

詳細:かぐやのお目付け役、兼お世話係、兼用心棒




お姫様に引っ張られ

「ちょっとどこ行く気!?また逃げるの!?仕事は!?」

 

 

「逃げる!地球に!!」

 

 

「はぁ…そうかそうかちきゅっ…地球!?

 

 

 今は昔…とは言えないけど、とある月のお姫様。と、付き人。いつもの天真爛漫なお姫様に振り回される…とは言えない規模の旅行!

 そんな付き人、白星兎呑はまた無茶振りに応えるしかないのだった。

 

 

「兎呑と一緒に!行こ、行こ!」

 

 

「ちょちょちょ……分かったから腕引っ張らないで…力つよっ!」

 

 

 そのまま月のロケットに突っ込まれる兎呑、と、突っ込むお姫様。行先は地球、惑星間を超えた旅行が始まり出したのであった。

 

 

───

 

 

「……と、言うこと。僕は無理無理連れて行かされたの」

 

 

「この赤ん坊が…?」

 

 

 僕の言葉に、赤ん坊を怪訝そうに見つめながらあやす酒寄彩葉。今、僕は赤ん坊となったかぐやを拾った、彩葉に事情説明をしていた。

 ちなみに、僕まで子供になったら収集つかないから僕だけ速攻で成長した。一時間で成長はできるんだけど、面倒だし〜ってことでコヤツは遅めの成長を選んだ。

 

 

「はぁ……宇宙人も大変なんだね」

 

 

「そりゃまあね?あと赤ん坊状態は二日で終わるから、用品は少しで良い……というより持ってきた。」

 

 

「すっごい用意周到、助かる」

 

 

 まあ、止められなかった僕の責務でもあるし。これくらいは用意しないと、家を提供してくれた彩葉に僕としても頭が上がらない。

 

 

「いやー…それにしても、子供の僕のことも一時間とは言えど面倒見てくれて助かったよ」

 

 

「いやこれよりマシなようで安心したよ、というより。一時間で成長した兎呑が一番怖かった」

 

 

 いやー……ははは。まあ月の技術はすごい、ということで納得してもらった。と、その時、僕のお腹が鳴る。

 

 

「…恥ずかしいから忘れて」

 

 

「……ご飯食べる?私もご飯まだだったし」

 

 

 いやはや…滅相もない。そのままご飯をご馳走してもらい満腹に、本当に申し訳ない。

 

 

「ふぅ…ご馳走。それで、二人を拾ったことだけど……拾ったのは私の責任、だから帰るまでは世話を見る。けど早く帰り方見つけてね」

 

 

「そ、そのお話なんだけど……ね?実は乗ったのは片道切符のやつで…ロケットが壊れちゃった」

 

 

 僕の言葉に彩葉は固まり、僕を凝視する。まあ…そりゃそうなる。

 彩葉は徐々に動き出し、僕の肩を掴んでガチ恋距離まで顔を近寄せる。近いなぁ……

 

 

「はぁ!?ちょ待ってよ!それじゃどうなるの!?一生このまま!?」

 

 

「…月人が迎えに来るのを待つしか」

 

 

 僕の言葉にへたり込む彩葉。

 

 

「……はぁ、もう拾ったのは仕方がない。兎呑はかぐやをお風呂に入れてあげて……私は寝たい」

 

 

「え?いや赤ん坊とは言え成長後の姿を知っている異性の僕が入れるのは……」

 

 

 僕の言葉に、再度固まる彩葉。またもや凝視されてしまう、今度は先程よりも長い。瞬きして?怖い怖い……

 

 

「え?いや…え?異性?その容姿で……瞳で…私より7㎝も低いのに、男!?いやたしかに一人称は僕だけどさ、ボクっ娘だと思うじゃん!!」

 

 

「あ、あはは………よく勘違いされたよ、まあ僕もこの容姿は女の子と近いことくらいは自覚してるよ」

 

 

 とりあえずその日は彩葉にお風呂に入れてもらい……二日後。

 

 

「ちょつ……兎呑!起きて!!起きろ!」

 

 

「あだっ」

 

 

 せっかく寝ているというのに、彩葉に拳骨を食らい起こされる。僕が一体何をしたと言うんだ……

 渋々目を上け身体を起こせば、以前のかぐやと比べて圧倒的に成長した姿のかぐやが目に入る、ようやく意思疎通可能なレベルに成長したか。

 

 

「んん……彩葉なに?」

 

 

「な、何じゃないよ…いや、事前に兎呑から聞いていたし、実例は見たから良いんだけど……本当に、起きたら成長してたからびっくりしたんだから」

 

 

「……草w」

 

 

 ビビった彩葉を見て笑っていると、思いっきり拳骨されうずくまる。彩葉って見た目に反して凶暴なのかも……

 頭の痛みにため息を吐きつつ身体を起こすと、かぐやがこちらに駆け寄ってくる。

 

 

「兎呑〜、大丈夫?」

 

 

「大丈夫だよ、痛くないから……」

 

 

 自分の頭を抑えつつ、かぐやを撫でているとかぐやのお腹が鳴り、それに共鳴するように彩葉のお腹も鳴る。

 

 

「ねぇいろは〜!お腹空いた!!」

 

 

「はいはい……ってなんで私の名前知ってんの」

 

 

 彩葉の問いかけに、かぐやは正直に「そこのパソコンに書いてあった」と、答えるかぐや。それに納得した彩葉は面倒そうにしながら台所に立つ。

 

 

「あっ、それとかぐや。彩葉に迷惑掛けたらダメだからね、迷惑掛けたら僕がシバかれる」

 

 

「そんな理由もなく叩かないよ」

 

 

 じゃあさっき起こす時に殴ったのはなんなんだ、と視線を送れど無視される。いと悲しきかな。

 それからまあ二十分程度経った頃だろうか、彩葉はオムライスを差し出した。そんで何故か僕もグラタンを出された。

 

 

「えっと……僕は大丈夫だよ?ていうか、お腹鳴ってたの彩葉じゃん。彩葉が食べてよ」

 

 

「私は良いの。それに、兎呑お腹空いてるんでしょ?羨ましそうにオムライス見てたし。ほら、さっさと食え」

 

 

 そんなことを言われて黙りこくってしまう。図星だった、僕は我慢する方が気が楽だったから、ポーカーフェイスも上手い方…なんだけどな。彩葉にはあまり通じないらしい。

 渋々ご飯をいただこうとすると、隣がうるさく大きな声を出す。びっくりしたわもう……

 

 

「うまっ!何これちょー美味しい!!」

 

 

「えっと…オムライス……」

 

 

「美味しい…ねぇ……いただきます」

 

 

 月では味もない、だから、おそらくこのご飯が生を受けて初めての味。少し楽しみになってきた。グラタンを一口食べる、すると初めて感じる味に少し固まってしまう。

 

 

「うまっ……何これ美味すぎ、初めて食べた」

 

 

 本当に味がある。これまで明確に味を感じたのは初めてだった、月の技術は凄いが味はない。対して地球の技術は劣っているが味がある、悲しきかな。

 初めての味に感動し、夢中になって食べていると彩葉がタブレットを取り出し何か見せる。何だろうかこれは…古い絵だが、彩葉が描いたのか?

 

 

「これ知ってる?竹取物語」

 

 

「竹取物語?何だそれ」

 

 

 初めて聞くものに疑問を口に出すと、彩葉に説明を受ける。なるほど……つまり昔のお偉いさんが作った娯楽小説のようなものか、そう思いながら、彩葉の読み聞かせを素直に聞いているといつの間にかグラタンが取られていた。

 

 

「僕の……」

 

 

「ふーん…てことはこのおじいさんがいろは?」

 

 

「八十年後の私でも見えてるのかなぁ?違うよ!?」

 

 

 

 グラタンを食べながら、タブレットのかぐや姫とやらを拾ったおじいさんが指さされ、彩葉がキレた様子で反論する。年齢もだけど性別が違うだろ……ほれ見ろ彩葉もご立腹だぞ。

 それから悪びれもせずに続きを聞き出し、彩葉が続きを話す。翁たちがかぐや姫を渡すまいと戦うも、奮闘虚しくかぐや姫を取り返され羽衣を着せられ。地球を忘れて帰ってしまった……と。

 

 

「ふーん……」

 

 

 それから続きを待っていたが、彩葉が何もしないことに違和感を持ち自分でスライドしようとするが、先がないのか黒い画面が写ってすぐに戻る。

 

 

「あれ!?続きは!?」

 

 

「ない、終わり」

 

 

「はぁ!?何これ!かぐや姫が帰って終わりなんてバッドエンドじゃん!!しかも良いお話風に終わってるのが余計ムカつくぅ〜!!」

 

 

 隣で地団駄踏んで終わりに物申し、寝転がって歌っているのを見守っていると、彩葉が馬鹿にしたように笑い歯磨きに台所に向かう。

 

 

「歌ったってしょうがないじゃん…決まったことなんだから……受け入れて覚悟するしか、ない」

 

 

 それだけ言い歯磨きを終わらせる彩葉。本当に齢17か…?高校生の言えるセリフじゃないぞあれ……

 

 

「僕が17の時はあんなん言えなかったぞ……」

 

 

「十七の時って…アンタ何歳?私より7cmも低いのに…」

 

 

「そうだな〜……もう7000代かな」

 

 

 僕の年齢を聞き、彩葉が固まる。そういや地球人って七十が平均なんだったか、月の住民は普通に九千歳でようやく中年だから忘れてた。

 

 

「……はぁ!?7000代!?月人って皆そうなの!?じ、じゃあかぐやは!」

 

 

「かぐやは……16の子どもだな、生まれたばかり」

 

 

 かぐやだけは近い年齢で、安心したように胸を撫で下ろす彩葉。まあ地球で七千代なんておじいちゃんどころじゃないか。

 

 

「ていうか…7000歳でこの容姿?155cmって…私より7cmも低いし、腰まで伸ばされて…端の整った白髪……彩度がオレンジ色の瞳に、顔立ちも幼いよね。もしかしてかぐやみたいに成長途中だったり……?」

 

 

「失礼な、これで成体だよ。七千歳になっても齢17のかぐやの成体と身長同じのなんか悔しいんだけど」

 

 

 不貞腐れていると、かぐやが何か思い付いたように起き上がり出す。

 

 

「決めた!自分でハッピーエンドにする!そんで、彩葉も兎呑もハッピーエンドに連れてく!!」

 

 

 くるりと回り、ポーズを決めて宣言するのを見て少しクスッと笑ってしまう。ハッピーエンドか〜……もう5000歳超えた頃には忘れてたよ。

 

 

「それじゃ、連れてってもらおうかな。ハッピーエンド」

 

 

「ハッピーエンド要らない、普通のエンドで良い」

 

 

 僕とは真逆のことを言う彩葉にまた隣で地団駄を踏み苦言を呈す、そして彩葉にしがみつき不気味に笑いハッピーエンドに行こうと提案し、彩葉はそれに不気味!とかエイリアン!とか言う。

 まあ、それで不貞腐れたところを慰めていると寝るように言われて大人しく寝る。僕?流石に異性と寝るのは怒られるので隅っこで座って寝た、そんで朝になってみれば、案の定。腰痛い、マジの老人になっちゃうよ……

 

 んで、なんか台所の下の棚に押し込まれる。ちょっ……二人分はキツいんだけど!?

 

 

「ほら早く入って!いろは驚かす!」

 

 

「ちょっ…押し込むな押し込むな……!!二人はキツいって!」

 

 

 しかし抵抗虚しく棚の中で大人しくしていると、彩葉が起きた音がする。それから色々と音がする、恐らく僕らを探してるんだろう。

 

 

「二人とも出てったか…?いや、過労による幻覚だった可能性もある……よしっ」

 

 

 よしっじゃないだろ過労は休め馬鹿。心の中で突っ込んでいると、かぐやが棚のドアをゆっくりと開ける。

 

 

「いるよ〜」

 

 

「ごめんね…居候させてもらって……」




 超かぐや姫でしたね、えへっ
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