魔法少女@強制就労 作:赤と赤
言いたいことは色々とあるが、文句を言おうが意味がないと受け入れざるを得ず(それでも文句は言いたい)、まずは自分の姿を確認してみることにした。身体は確認はできたが、顔だけは鏡がないとわからないため、近場の公園のトイレで確認することにした。
身体の方はというと随分と縮んでしまったようだ。10センチなんてものじゃない。それ以上、20センチ以上は縮んだのではないだろうか。そこそこ背が高かったのが数少ない取り柄だったというのに……
胸の方はまあ……ある、としか。若干の膨らみを触れば少しばかりの柔らかさを感じられるが……まあ、それ以上は語ることがない。
そして顔。元の顔が何の特徴のない平凡な顔だったが、今の顔は整っていると言って良い。テンプレートの如き美少女顔である。元の顔どこいった。しかしこれは人によっては戻る気がなくなるのではないだろうか? 俺は元の人生喪失は流石に嫌であるため戻りたいが。
「で……魔法少女のコスチュームはどうやって脱……いや解除するんだ?」
この魔法少女衣装、解除したい。目立つのもそうだが、やっぱりドレスというのが少し恥ずかしい。あとずっとこれしか着ることができないのも嫌なものだ。
「変身解除の意をステッキに念じれば解除できるよ〜」
念じる系か。どうすれば上手くできるのかわからないが……言われた通り念じてみる。すると、衣装が光を放ち服装が元に戻る……なんてことはなく、素っ裸の自分自身が鏡に映し出されていた。
「なっ……!」
どうして! 服はどこに……俺はパニック状態のまま伏せる。服も、靴も、荷物もない。あるのは変身に使うためと思しきペンライトが落ちていた。いや今はそんなこと気にしてる場合じゃない! 裸! 服、服が欲しい!
「あ、アドム……俺の服や荷物って……」
「変身させた時に消滅したっぽいね……とりあえず代わりになる服出すね!」
ちょっと待て。つまりスマホも財布もなくなったということか⁉︎ 所持品全ロスな上で姿が変わったことにより家に帰れない。あ、これ詰みです詰み。終わりました人生。
「服よ出ろ〜! えいっ!」
アドムの魔法により出てきたのはサイズの大きいTシャツが一枚。もう一度言うとサイズの大きいTシャツが一枚。
「……舐めてるの?」
「いやぁ、服一枚がギリギリ出せるくらいだったから……身体隠せるくらい大きいの一枚でなんとか」
肉体すら変えられるんだったら服一式くらい出せや!
「……早速で悪いんだけどさ、準備して」
「て、言いたいこととか山程あるし、まだ完全に状況飲み込みきれてなくて混乱してるんだが⁉︎」
「いいから。……怪人だ」
マジで勘弁してほしい。