「へー、補給ってこんな感じなんだ…。」
「まぁ応急処置やけどね。」
「こうやって見ていると、本当にガンダム作品の中に入り込んだみたいなのだわ。」
インターミッションエリアに設けられたMSハンガーで補給を受ける自身のガンプラを見上げて、カノンはそう呟く。
連戦ミッションをフェイズ3までクリアしたわたしたちは、次のステージに控えているボス戦に備えて絶賛応急修理&補給中である。
「…改めてこうして下から見てると、クスィー・ガンダムって本当に大っきいのだわ。」
「隣にいるわたしのレヴィアタンが、だいたい標準くらいのサイズやからっていうのもあるやろうけど、流石は宇宙世紀に出てくるMSの恐竜的進化の行き着く先の機体って感じやな。」
「ここから先の時代は、どんどん小さくなっていくのよね?」
「せやねー。
レヴィアタンよりもちっちゃい15mくらいが主流になるなぁ。」
2人で自分のガンプラを眺めていると、宇宙世紀のMSのサイズについての話になっていた。
休憩時間なのを良いことに、わたしは気になっていたことをカノンに聞いてみることにした。
「…ところでカノンちゃん。
前から聞こう聞こうと思ってて機会が無かったんやけど、カノンちゃんって初めてのガンプラ、何でクスィーにしたん?」
「え?
ええっと…。聞いても笑わないのだわ…?」
「人のMS好きになった理由聞いといて笑わんよ。」
それじゃあ、とカノンは少し恥ずかしそうにしながら続ける。
「少し前に、お父さんに連れられて映画を観に行ったんだけど、その映画が『閃光のハサウェイ』で、私の初めてのガンダム作品になったのだわ。」
「…なんて言うか、すごいお父さんやな。」
「ははは…。
まぁ、お父さんとお出掛けすること自体は私も好きだし、ガンダムが好きなのも知ってたから良いんだけどね。
ガンプラも良く作ってるし。」
今どき自分の父親と一緒にお出掛けして、しかもガンダムの映画を観る女の子なんていたんだなぁと思ってしまった。
かく言うわたしも、昔はガンダムのアニメを一緒に観てたんだけど。
「それで、物語の終盤でハサウェイがクスィーを受け取るシーンがあるじゃない?
カーゴ・ピサから出て来た後、ペーネロペーとキルケー部隊のMSと戦うシーンを見て、一目惚れしてしまって…。
GBNを始めたのも、私もクスィーに乗って空を飛んだりしてみたいと思ったからなのだわ。」
「…なるほど、そうやったんや。」
カノンと初めて会った際、クスィーのダイバーだと知ったときは正直驚いた。
最初のガンプラにクスィーを選んだ理由が、初めて観たガンダム作品が『閃光のハサウェイ』で、劇中での活躍に脳を焼かれてしまったからとはカノンも良い趣味をしている。
「さて、私のことは話したのだわ。
今度は、マリンさんのガンプラのことを聞かせて欲しいのだわ。」
「ですよねー…。」
次はそっちの番とばかりに、カノンが話を振ってくる。
まぁ、ここまで人のガンプラのことを聞いておきながら、自分のことを話さないのは流石に無作法というものだろう。
「なんてことないんやけどな。
わたしの最推しの作品、『鉄血のオルフェンズ』の外伝に出てくるガンダム・端白星をベースに、同じくわたしの大好きな"海"のイメージを合わせてカスタムしたんよ。」
「そっか、それで"レヴィアタン"なのだわ?」
「お、気づいてくれたか。
そうそう、"そっち"のレヴィアタンなんよ〜。
まぁベース機が鉄血のガンダム・フレーム機で、悪魔モチーフやからしゃーないんやけどね。」
「マリンさん、ダイバールックも水龍みたいだし、そういうことなのかなぁって思ってたけど、合ってて良かったのだわ。」
「そういうカノンちゃんは白魔女?っぽいけど、イメージは"キルケーの魔女"ってところか?」
「当たり、なのだわ♪」
わたしのレヴィアタンの話からお互いのダイバールックの話に変わったところで、ちょうどガンプラの応急修理と補給が終わっていた。
「休憩時間も終わったし、そろそろボス戦と洒落込みますかぁ。」
「うん!
最後のステージも、楽しみなのだわ!」
わたしとカノンは、最後のステージへと向かうべくお互いのガンプラのコクピットへと戻った。
次はボス戦