フウカさんたちと別れ、イベントミッションが開催されるエリアへとやって来ていたわたしたちはそれぞれのガンプラのコクピットの中で、システム音声によるミッション内容の説明を受けていた。
このイベントミッション『人魚の島の伝説ーーー攫われた島民を探せ!ーー』は、ステージである"人魚の島"のあちこちに残されている"島民の痕跡"という名のヒントを探し、そのヒントを辿ってこの島の何処かにいる、人魚に攫われてしまった島民を見つけ出すというもので、一番最初に見つけたダイバーの所属しているフォースが優勝となる。
「事前に内容は確認しておいたけど、島のあちこちを探し回らないといけないから結構大変そうなのだわ。」
「そうやなぁ。
でも、その攫われた島民もSDのジオン水泳部みたいやし、痕跡は割とわかりやすいんちゃうかな。」
「そうなのだわ?
そうなれば、あとは如何に他のダイバーより先に見つけられるかだけど…。」
わたしたちの隣や後ろには、他の参加者たちのガンプラがずらりと並んでいる。
競争率はなかなかに高そうだった。
「マリンさん、カノンさん。」
「えっ?
って、そのナラティブはフウカさん?」
「ふふ、せいか〜い♪」
いきなり後ろのガンプラに肩をたたかれたので何事かと思ったが、振り返るとフウカさんとタクトくんのガンプラだった。
「お2人とも、さっきぶりね♪」
「フウカさん、今日はアリュゼウスのユニット着てないんですね。」
「そうなの。
バトルするわけでも無いから、少しでも身軽な方が良いと思って。
背中のシェルフノズルだけは付けてきたけどね。」
「タクトくんも、ガンプラ変わっているのだわ!
ええっと…、それは確かライジングフリーダムだっけ?」
「はい…!
僕、お姉ちゃんのためにも強くなりたくて…。」
「もう、たっくん。
あんまり気負わなくて良いのよ?」
そんな話をしていると、システム音声がそろそろミッションスタートとの旨を伝える。
【さぁ皆さん!
まもなくミッションスタートとなります!
この場にいるどのフォースよりも早く人魚に攫われた島民を見つけ出し、優勝を掴み取りましょう!】
「さて、そろそろね。
今回はわたくしたちが勝たせていただくわ!」
「お姉ちゃん…!僕、頑張るから…!」
「さっきも言いましたけど、わたしらも負けませんよ?」
「もちろん!望むところなのだわ!」
【それではイベントミッション『人魚の島の伝説ーー攫われた島民を探せ!ーー』、スタートです!!】
システム音声がミッションスタートを告げると、わたしたちは弾かれるようにスタート地点から飛び立った。
ーーー
「えっと…、ヤシの木が2本生えてる海岸っと…。
これが最後の痕跡か。
思いっきり何かを引きずった跡がこの海岸に続いとんなぁ。」
「ええ、その場所で間違いないのだわ!」
ミッションスタートからしばらく経った頃、わたしとカノンは手分けしてヒントを探し、いよいよゴール直前というところまで辿り着いていた。
カノン曰く、ここから海中に潜ったところに洞窟があるとのことだった。
見たところ、他にはまだ誰も到着していなさそうである。
「おっけー。
そしたらわたしが先に潜って様子見てくるから、その間にカノンちゃんはこっちへ来といてくれる?
一応、合流しといた方がええやろうし。」
「了解なのだわ!」
さて、ここからは水中ということで久しぶりにレヴィアタンの本領を発揮できると、少しテンションが上がっていたその時だった。
いきなりコクピット内にアラートが響いたと思ったら、レヴィアタンの直ぐ横をビームが掠めた。
「な、何や…!
このイベントミッションでの他のダイバーへの攻撃はマナー違反のはずやろ…!」
慌てて後ろを振り返ると、1機のガンプラがこちらに近づいて来ていた。
またもやビームを撃ってきたので、わたしは左腕のシールドで防御する。
「くっ…!一体どこの誰や…!?」
わたしはコクピットのモニターの映像を拡大する。
そこに映っていたのは、見覚えのあるガンプラだった。
「…えっ?そんな…、ウソやろ…。」
「先には行かせない…!
勝つのは…、僕たちだ…!」
わたしを攻撃してきたガンプラ、それはフウカさんの弟、タクトくんのライジングフリーダムだった。
「…お姉ちゃんの足手纏いにならないために…、僕は…、僕は、強くならなくちゃいけないんだ…!
どんなことをしてでも…!」
タクトくんがそう言った次の瞬間、タクトくんのライジングフリーダムが、禍々しい紫色のオーラに包まれるのが見えた。
悲報:タクトくん、ブレイクデカールを使ってしまう