「ゲハハハ!
テメェらのポイント、まとめてこのオレがいただいてやるぜぇ!!」
「あかん!コイツ、マスダイバーや!
しかも固すぎて、インパルス砲の高出力モードでも傷一つ付かん…!」
「私のファンネルミサイルも、全然効いていないのだわ!」
フォースフェス『人魚の島の伝説』にカノンと行った日から数日後、わたしたちは大量に出現する敵NPD機体を次々と倒していく無双ミッションをやっていたのだが、終盤に差し掛かった頃にまたしてもマスダイバーによる乱入を受けていた。
相手のガンプラは、『ガンダムAGE』に登場するバクトを砲撃戦特化にカスタムしたらしきものなのだが、バクト持ち前の強固な電磁装甲にブレイクデカールの力が加わり、わたしたちの攻撃はほとんど通用していなかった。
「オラァ!
消し飛びやがれぇっ!!」
「うおっ!?」
「マリンさん、危ないのだわ…!」
マスダイバーのバクトが、わたしたち目掛けて胸部のビームバスターを放つ。
ブレイクブーストの影響で大幅に強化された極太のビームを間一髪で回避するものの、今度は尻尾のものと背中に増設されたビームキャノン、そして手首のビームバルカンを乱射してくる。
『水星の魔女』に登場する量産型MSで、このミッションにおいて本来倒すべきNPDのハインドリー・シュトゥルムやベギルペンデが、バクトの攻撃に巻き込まれて次々と撃墜されていく。
「ガハハハ!!
このブレイクデカールってやつは最高だなぁ!!
こうやって撃ちまくってるだけで相手が勝手に消し飛んで行くんだからよぉ!!」
「クソっ!カノンちゃん…!」
「マリンさん!?何を…!」
わたしはカノンのクスィーの前にレヴィアタンを滑り込ませ、シールドを構える。
わたしのビルダーとしての腕の都合で耐久力は心許ないが、レヴィアタンにはベースキット由来のパッシブスキル、"ナノラミネートアーマー"が付いている。
こんなことをしてもどうにもならないのはわかっているが、あんな無茶苦茶なヤツにカノンがやられてしまうのは我慢ならなかった。
「ハッ!
テメェのそんな薄っぺらいシールドと装甲なんざ、オレのバクトの前じゃ紙切れ同然なんだよぉ!!」
「ぐっ!
全然あかん、火力が高すぎる…!」
「マリンさん下がって!
もう良いのだわ…!」
あっという間にシールドは吹き飛び、ナノラミネートアーマーも剥がされ、みるみるうちにレヴィアタンが『鉄血のオルフェンズ』ラストのガンダム・グシオンリベイクフルシティのような姿にされていく。
もうこれ以上は保たない…と、思ったその時だった。
「他人のミッションに乱入した挙句、ブレイクデカールの力にモノを言わせて火力で押し潰す…。
マスダイバーとは、何とも愚かしいものですわね。」
「ハェ…?」
マスダイバー操るバクトは、何処からともなく現れた左右非対称でツギハギの、おそらくはガンダム・マルコシアスのカスタムガンプラに、頭から真っ二つにされていた。
ーーー
「ありがとうございます、助かりました…。」
「ありがとうなのだわ…!」
「いえいえ、お気になさらず。
それより、間に合って良かったですわ。」
わたしたちを、バクト使いのマスダイバーから助けてくれたマルコシアスのダイバー、"マリモ"と名乗った妖狐の姿をした女性はそれだけ言うと「人を待たせていますので、私はこれにて。」と、ツインテールに結えた淡い紫色の長い髪を揺らしながら足早に去って行った。
「…今のマリモっていう人、凄かったのだわ。」
「せやなぁ…。
わたしらの攻撃では傷一つ付けられんかったのに、それを竹でも割ったんかってくらい、綺麗に縦に真っ二つやったもんな…。」
本当、このGBNには同じ人間とは思えないくらい、凄い人たちがいるもんだと改めて実感した。
「…それより、マリンさんもありがとうなのだわ。」
「え?
わたしは何もしてへんけど…。」
「そんなことないのだわ…!
私をマスダイバーの攻撃から庇ってくれたのだわ!」
あぁ…、あれはほぼヤケクソというか…。
あのままカノンが、あのマスダイバーにやられてしまうのが嫌だったというだけである。
「私、凄く嬉しかったのだわ!」
「そ、そうか…。」
カノンにそう言ってもらえて、ボロボロになってしまって今はハンガーで修理中のレヴィアタンも報われたような気がした。
マリモちゃんは添えるだけ…