「…フォースネスト、まぁまぁ高い買い物やったけど、持ったら持ったで良いもんやな。」
わたしはこの前購入したフォースネスト、ヴァリアントの甲板にベンチとビーチパラソルを置いて寛いでいた。
今日も今日とてカノンと一緒にGBNをやる予定なのだが、一足早くログインしたので約束の時間まではまだ少し余裕があった。
「メンバー2人で使うにはめっちゃ広いけど、自分のガンプラは直ぐ横で見れるし、海上艦やからこうやって海の上でのんびりも出来るし、何より艦内の作り込みも凄いから満足度高いわ。」
購入した日にカノンとルームツアーというか艦内ツアーをやったのだが、部屋も一つ一つ丁寧に再現されていたし、MSを寝かせて置くタイプのハンガーも再現度が凄くて、実際に自身のガンプラが格納されている光景は、たった2体とはいえ圧巻だった。
それに加えて、こうやって自分の好きなようにインテリアやアイテムを置いたりと自由な使い方が出来るので言うこと無しである。
「あー、あかん。
波の音と艦の揺れが気持ち良くて寝てしまいそうやわ…。」
「マリンさん!お待たせなのだわ!」
「ワァ…!!」
わたしが心地良くうとうととしていると、いつの間に来ていたのか、ベンチの上で寝そべるわたしの顔をカノンがニコニコと覗き込んでいた。
「びっくりしたぁ…。
目の前でいきなりおっきな声出さんといてぇな…。」
「ごめんなさいなのだわ。
気持ち良さそうに寝転ぶマリンさんが可愛くて、ついイタズラしちゃったのだわ。」
「イタズラて…。
はぁ…、まぁええけど。」
こっちは心臓が止まるかと思ったが、カノンが楽しそうなのでまぁ良しとすることにした。
「ところで、その腕に抱えてるのって…。」
「もちろん、"フォーチュン"なのだわ!
このヴァリアントの艦長、ウェッジさんの猫さんなのだわ!」
「いや、わたしも閃ハサは知ってるからわかるけど。
見たところちゃんと動いてるけど、どうしたん?」
「えっと、このヴァリアントには購入特典でNPDが付いてて、フォーチュンかウェッジ艦長が選べるのだわ!
ちなみにウェッジ艦長を選ぶと、フォースネストに来る度に艦長室で出迎えてくれるのだわ!」
「…ほんまかいな。」
フォーチュンはともかく、フォースネストに来る度に毎回上半身裸のおじさんに迎えられてもなぁ、なんて考えながらわたしは話を本題へ移す。
「それで、今日はどないする?
また連戦ミッション辺りでも行くか?
…マスダイバーの割り込みに気ぃ付けなあかんけど。」
「それなんだけど、今日はクリエイトミッションをやろうと思うのだわ!」
「クリエイトミッションか。」
クリエイトミッションというのは、運営が作っている常設のミッションやイベントミッション等と違い、GBNのプレイヤーであるダイバーが作ったミッションのことである。
採取系のものや討伐系のものなど、種類もたくさんあり、中には個人ランクの上位に名を連ねる有名ダイバーが作ったミッションもある。
「そういえば、まだわたしもやったこと無かったなぁ。
ええよ、やってみよか。」
「ありがとうなのだわ!
マリンさんならそう言ってくれると思って、良さそうなミッションを探して来たのだわ!」
「お、仕事が早いなぁ。
どんなやつ?」
「ふっふっふ…。
この『月ノ御狐・甲』なのだわ!
前に私たちを助けてくれた、マリモさんが作ったミッションなのだわ!」
「ワァ…。」
カノンはそう言いながら、ドヤ顔でウィンドウを見せつけてきた。
受注条件が、"参加ダイバーの1人がCランク以上であること"というかなり緩いことしか書いておらず、不安しかないのだが果たして…。
マスダイバーを一刀両断するようなダイバーの作るミッションが簡単なわけ…。